ネットリサーチとは?実施の流れ、活用シーン、メリット・デメリットについて解説

29 2024.07

アンケート調査手法

新規事業を考えているがニーズはあるのか、施策や取り組みがうまくいっているのかなど、ビジネスにおいて知りたい・決めたいと思ったときに、消費者の意見やターゲットのニーズを把握したいというシーンは多くあります。このようなときに、聞き方や調べ方は様々ありますが、本記事ではマーケテイングリサーチの代表の一つである「ネットリサーチ」でデータを集める方法について解説していきます。

ネットリサーチとは

ネットリサーチとは、インターネット上に公開されているアンケートにアクセスし、回答してもらう調査手法を指し、「Web調査」や「オンライン調査」などと呼ばれることもあります。
アンケート用紙の郵送、直接訪問、電話などのオフラインでの調査に比べると、低コストかつ短時間でデータを得ることができます。

マーケティングリサーチの業界団体である「一般社団法人 日本マーケティング・リサーチ協会」発表によると、市場調査業界の国内市場規模は約2350億円で、その中で単発調査におけるインターネット調査の推定売上高は792億円まで伸びており、既存手法による調査の573億円を上回っています。
第47回経営業務実態調査結果解説

また、総務省の発表では2021年のインターネット利用率(個人)は82.9%となっており、ネットでリサーチをしても幅広い年代層からのデータを集めることができることから、市場調査の主要な方法になっていることがわかります。
令和4年版 情報通信白書|総論 - 総務省

市場調査において「ネットリサーチ」は今や主要な調査手法となっています。
ネットリサーチとは

ネットリサーチの活用シーン

ネットリサーチは比較的大量のデータを集めることができるため、主に実態把握調査や仮説の検証のために行われることが多く、「何が?」「どれが?」「なぜ?」といったリサーチ項目を、数的データとして統計的に分析し、定量的に物事を判断する場面で利用されます。
調査目的としては、以下のようなものがあります。

ニーズ・ターゲットの把握

新規事業企画時や商品開発・改善時に、顧客となるユーザーのニーズ把握は欠かせません。
新しいものが受け入れられるのか、ユーザーがどのようなベネフィットを得ることができるのかなど、仮説やアイディアの発見を目的としたリサーチや、ある程度仮説が定まっている場合は、因果関係をはっきりさせる仮説検証目的のリサーチも可能です。

コンセプト受容性調査価格受容性調査などと呼ばれる調査が行われており、利用意向・魅力点・疑問点・新奇性・購買意向などを聴取します。
市場に投入する前に調査を行うことにより、製品化できるか判断をすることが主な目的になり、1回目の調査で基準を満たさなかったコンセプト案については、リサーチ結果から改善点を洗い出し、ブラッシュアップしたものを再度調査にかけることで、受け入れられる商品に近づけることが出来ます。

ブランドの浸透度を把握

自社ブランド(商品・サービス)が市場でどの程度浸透しているかを把握します。
どんなに良いものを提供していても、認知されていなければ購入や利用にいたりません。
業界内における自社の認知度や、競合と比較した場合のポジションなどを聴取し、ブランドに対する自社と市場のギャップや、強み・弱みを明らかにして適切な施策を策定しましょう。
顧客満足度や社会貢献度がロイヤリティに影響を与え、自社ブランドの世界観がターゲットに伝わっているときに、ブランドとしての価値が生まれるのではないでしょうか。

生活者の意識や行動を知る

世の中の関心事や生活者の課題や動向を把握することで、新しい商品・サービスを生み出すきっかけとなったり、生活者が抱える課題に対する解決策として自社商品・サービスのPRをするなど、生活者の声を反映したデータはビジネスにおける様々なシーンで活用できます。生活者の声を元にした発信は情報に説得力が増し、一次情報としてメディアに取り上げられるなど、リサーチ結果に注目が集まると認知度向上にも繫がります。
最近はマスク着用が個人の判断になるなどコロナ禍におけるライフスタイルに変化も出てきているでしょう。生活者の動向を追うために定点的なリサーチが必要になってきています。

顧客の満足度を調べる

ネットリサーチで、自社商品やサービスの顧客満足度を調べることもできます。
顧客や利用者を対象に、商品やサービスを利用した感想や得られたベネフィット、不満点などを聞くことで、商品の改善や新商品開発時のヒントとなります。また商品・サービスの継続意向や他人への推奨意向などを確認することで、顧客ロイヤルティを測ることもできるでしょう。

従業員への調査

従業員向けの調査もオンラインで行うと、効率よくスピーディに実施できます。従業員の労働実態や経営層に対する期待、不満などを把握することで、健全な企業経営に活かせます。従業員にとっても自分たちの意見が改善に反映されれば、モチベーション向上につながるでしょう。実施時には匿名性を保つようにしましょう。

ネットリサーチのメリット

低コスト・短時間でデータが取得できる

ネットリサーチは、アンケート実施からデータ取得までの時間やコストを抑えることができる点が強みです。
アンケート用紙を使った従来の調査は、用紙の印刷・配布・回収など人の手を介する作業が発生しますが、このような手間を省くことできるため、スピーディーに調査を進めることができます。
また、ネットリサーチを運営する会社は、調査専用パネルを持っていることも多いため、自分で回答者を集める手間も削ることができます。回答者も場所を選ばず自身の隙間時間でアンケートに答えることができるので、回答ハードルも低いです。

大量のデータを得ることができる

上述したように、現在のインターネット利用率(個人)は82.9%となっており、百人、千人、一万人規模のデータを簡単に集めることができます。市場調査を実施する場合は、それなりに多くのデータが必要になりますので、数が取れるネットリサーチは相性が良いです。セルフ型アンケートツールの「Surveroid(サーベロイド)」はアンケート作成、配信、集計のシステム兼ね備えており、400万人近くの調査専用パネルに対して安価にリサーチが出来ますので、リサーチを検討している方はお気軽にお問い合わせください。

統計的な分析ができる

アンケート用紙で回収したデータを集計・分析する場合、データ化の作業が発生しますが、ネット上で取れたデータはそのまま集計・分析に回すことができます。
また、ネットリサーチの場合自由記述より、選択肢形式で聴取するのが一般的ですので、明確な数値を得ることができ、傾向を瞬時に読み解くことができます。

ネットリサーチのデメリット

ニッチな対象者ほど集まりにくい

多くのデータを集めることが強みのネットリサーチですが、対象者によっては希望通り回収できないこともあります。ネットリサーチの場合、シニア層や地方エリアの回収が進まないなど、回答者の偏りが出る場合があります。また、法人格にアンケートを取りたい場合も、職種・役職・業務内容などを絞り込むほど対象者を見つけ出すのが難しくなるため、対象者によっては調査手法を変えることも視野に入れておきましょう。

回答の信頼性への不安

ネット上で回答を集めるという特性上、一定数の虚偽回答や適当に回答する方がいるのも事実です。回答の質を保つために、回答者の信頼性を見極める質問をしたり、スクリーニング調査で対象者を絞り込んだりするなどの対策を行うことが良いでしょう。

調査専用パネルを保持している「Surveroid(サーベロイド)」では、不適当な回答を繰り返ししたモニターにはアンケートの配信をストップするなどして品質担保における取組を行っています。
ネットリサーチの注意点

ネットリサーチの注意点

回答端末による回答の見た目

回答端末として、パソコン・スマートフォン・タブレットなどがありますが、2021年の各端末の保有率はスマートフォンが88.6%、パソコンは69.8%、タブレットは39.4%と総務省から発表されています。アンケートの回答端末もスマートフォンが7割近くと最も大く、スマートフォンでの回答しやすさを考慮しアンケートを作成する必要があります。
スマートフォンはPCと比べて1画面上に表示できる情報量が少ないため、何度もスクロールが発生したり、巨大なマトリクス形式の質問は回答負荷が高まります。
アンケートの作成はパソコンですることがほとんどなので、スマートフォンで回答する場合の確認を忘れがちですが、アンケートの質にも関わるところとなりますので、設計時には注意が必要です。

スマートフォンからの回答で考えられるリスク

アンケートをスマートフォンから回答してもらう場合に考えられるリスクとして、離脱率(途中で回答をやめてしまう)が高まる可能性があります。要因としては小さな画面で回答をするため、回答をする上でのストレスがパソコンと比べると高まるためです。また、スマートフォンで回答をする場合、誤タップ(押すつもりはなかった選択肢を誤って押す)をしてしまうことや、スクロールをしないと見えない選択肢に気づかずに回答を進めてしまうこともあるでしょう。自由記述形式で回答をするような設問形式の場合は、文字入力に時間がかかるなどデータ品質に関わるリスクも考えられます。ネットリサーチを行う上で、スマートフォンの特性を理解したアンケート作りはデータ品質を上げるためにも重要な観点となります。

ネットリサーチの構造とは


ネットリサーチの構造とは

ネットリサーチは、リサーチプラットフォームを使ってアンケートを作成し、モニターに回答を依頼することでデータが取得できる構造になっています。
リサーチプラットフォームを通して日々アンケートは配信されており、回答に協力したモニターは対価としてポイントなどを受け取っています。
ネットリサーチを実施する場合、調査会社に調査を依頼する場合と、簡易的にリサーチが出来る「セルフ型ネットリサーチツール」を使って、自分でリサーチをする場合の主に2パターンがあります。
どちらもリサーチプラットフォームを使うことに変わりはありませんが、調査目的や要望に応じて使い分けをする企業が増えています。

ネットリサーチの流れ

ネットリサーチの流れ

マーケティング課題の洗い出し

何のために、何を知りたくて、ネットリサーチを行うのか目的を明確にすることが重要です。
目的がぶれてしまうと聞きたい内容が次々と盛り込まれ、結局知りたいことは何だったのかが分からなくなるというケースがあります。仮説検証をしたい、仮説探索をしたい、実態把握がしたいなどなど、調査結果からどんな意思決定をするのか具体的な目的を設定しましょう。

調査設計・調査票作成

調査目的が決まったら、具体的な調査対象者や調査項目を考えます。
設問を作る際も目的を見失わずに、質問文や回答型式(単一回答複数回答など)、選択肢を作成します。
選択肢については「アンケートの選択肢の重要性・作成時の注意点・種類について解説」の記事で注意点などを解説しておりますので参考になれば幸いです。
また、何人にアンケートを取るべきか迷うことがあると思いますが、「アンケートのサンプルサイズの設定ってどうしたらいい?」の記事で解説しておりますので併せてご覧ください。
■ポイント■
ネットリサーチでは、設計したもの(調査票)をアンケートシステムに反映する作業があるので、調査票はExcelで作成しておくと、セルをコピーして、アンケート編集画面で貼り付けができるので効率的に作業が進みます。

アンケート画面作成・配信

調査票の作成が完了したら、アンケートツールに反映していきます。
アンケート画面ができあがったら、実際のアンケート遷移を確認しましょう。ある回答をした人にしか表示しない質問がある場合や、選択肢に対する制御をしている場合など意図した動作をしているかが有効なデータを集めるカギとなります。また、配信とは対象者にアンケートを回答してもらうためにメールや通知を送ることを言います。配信後は回答が集まるまで2日間ほど見ておくと良いでしょう。

データ集計・分析

データ回収後、集計や分析を行います。単純集計(=GT集計)やクロス集計などの数表から、結果の傾向や差分を読み解きます。
集計については「クロス集計とは? 単純集計との違いや注意点について分かりやすく解説。」の記事で詳しく解説しておりますので、併せてご覧ください。

レポーティング

集計・分析が終わったら、結果をわかりやすくレポートとしてまとめます。
集計段階では数字だけが出ているので、グラフ化して数字を視覚的にわかりやすくしたものを共有します。調査目的に立ち返り、結果はどうだったのかを立てた仮説に対して一つ一つ確認して意思決定をします。
報告書のまとめ方は「アンケート調査報告書はどうまとめる?まとめ方のポイントを解説」、Excelを使ったグラフ化手順は「アンケート結果の集計方法からExcelでのグラフの作り方まで解説」の記事で解説しておりますので併せてご覧ください。
利用検討・お見積り相談受付中!

ネットリサーチなら「Surveroid(サーベロイド)」

ご自身でネットリサーチが出来るセルフ型アンケートツール「Surveroid(サーベロイド)」は、500万人を超える回答モニターを保有しており、低予算かつスピーディーにネットリサーチが出来ることが特徴のサービスです。

Surveroid(サーベロイド)とは

Surveroid(サーベロイド)とは、株式会社マーケティングアプリケーションズが運営しているネットリサーチが出来るセルフ型のアンケートツールです。近年、ビジネスのPDCAサイクルが迅速化する中で、Surveroidは登録からすぐにアンケートを作成し、配信することができます。最短で翌日にデータの回収が完了する点はユーザーから高い評価を受けています。

Surveroid(サーベロイド)のネットリサーチ おすすめポイント

①直感的操作でスピーディなネットリサーチを実現
Surveroidは初めてネットリサーチツールを利用する方でも直感的な操作で簡単にアンケートを作成することが出来、ネットリサーチ初心者の方にも多く利用いただいております。最短1日でアンケート結果が確定するため、明日の会議やプレゼンテーションに活用できます。

②充実の機能を搭載
Surveroidはネットリサーチツールを専門に提供している企業がサービスを運営しており、アンケートに必要な基本機能の搭載はもちろん、実際に大手の市場調査会社も使用する500万人以上の消費者パネルへ配信することが可能です。年齢や性別、都道府県、子供の有無や職種など多彩な項目から絞り込んで配信ができるため、自社のターゲット層に対して効率的にマーケティングを行うことができます。さらに、セグメントごとに比較が可能なように性別・年代別で回収数を指定することも可能です。

③アンケート結果の集計も手軽
Surveroidはアンケートの作成から集計までが手軽にできるネットリサーチツールです。集計ツールが付属しているため、一連のネットリサーチプロセスをSurveroidひとつで完結させることが出来ます。単純集計表・クロス集計表・FA表などの集計表がマウスのクリック操作のみで作成でき、グラフやレポートの出力も可能です。

④低価格での利用が可能
Surveroidは初期費用、固定費用は一切発生せず、利用した分だけ費用が発生する完全な従量課金制となっております。最低価格1万円(税別)から実施が出来る手頃な価格帯で、調査会社などに外注した場合と比較すると低予算でデータを取得できます。

Surveroid(サーベロイド)のネットリサーチ 利用時の流れ

Surveroid(サーベロイド)のネットリサーチ 利用時の流れ
Surveroidは会員登録したその日から利用可能です。(ただし、会員登録時とアンケート配信時に運営企業の承認が必要です。平日の10時から19時の間であれば、通常1〜2時間で対応します)。
各ステップごとにやるべきことが分かれており、順番に操作するだけで簡単に消費者パネル向けのネットリサーチを実施できます。外部に消費者調査を委託する場合と比較して、調査結果を得るスピードが格段に早くなります。

ネットリサーチの成功事例

ある企業のマーケティング担当者は、新商品を市場に投入するにあたってプロモーション戦略や販売促進の方向性を決定するため、ネットリサーチを活用して様々なデータを収集・分析しました。
まず、オンライン広告やソーシャルメディアから、デモグラフィック情報や関心事を把握するためにログデータの確認と簡単なアンケートを実施しました。次に、収集したデータを分析し、人口統計学的特徴や行動パターンを把握し顧客セグメントを定義しました。ターゲット像の大枠を把握したところで、ニーズや好みに関する意見を定量的に把握するため、モニター調査を実施し、集めたデータを基にターゲティング広告やパーソナライズされたキャンペーンを展開しました。ターゲットが関心を持ちそうなコンテンツや特典を事前にリサーチしていたことで、ターゲット層からの反応が良く、キャンペーンのクリック率やコンバージョン率向上にも貢献しました。さらに、顧客から共感を得ることで、ブランドの認知度やロイヤルティの向上にも寄与したと考えられます。
このように、ネットリサーチを活用することで、より効果的なマーケティング戦略を立案し、ターゲット層に訴求することが出来ます。

まとめ

市場調査において「ネットリサーチ」は今や主要な調査手法です。企画を立てる、戦略を練る、施策を打つ際にデータはあなたの決定を後押しします。調査手段の一つとして効率的にデータを集めることができるネットリサーチは、セルフ型のサービスも普及しており、自分でリサーチを回すこともできるようになりました。マーケティング課題や目的に応じて効果的に活用しましょう。はじめてマーケティングリサーチを行う方向けに、押さえておくべきポイントを解説したお役立ち資料を配布しております。是非ダウンロードしてご活用ください。

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