商品の売上を最大化!成功に導く効果的な「商品調査(モニター調査)」のすべて

01 2025.08

アンケート調査手法

商品開発、プロモーション、改善…あらゆるビジネスフェーズにおいて、顧客の「本音」を掴むことは成功への鍵を握ります。漠然とした施策では、時間とコストだけが無駄になってしまうことも少なくありません。そこで重要になるのが「商品に関する調査」、いわゆる商品調査(モニター調査)です。

本記事では、商品の企画段階から販売後の改善まで、あらゆるフェーズで役立つ商品調査の重要性、具体的な手法、成功のポイント、そして効率的な実施方法まで、網羅的に解説します。
マトリックス表の種類

なぜ今、商品調査が重要なのか?

市場が成熟し、多様な商品やサービスが溢れる現代において、ただ良いものを作れば売れるという時代は終わりました。顧客のニーズは複雑化し、購買行動も多様化しています。このような状況で商品が成功するためには、以下の点が不可欠です。

・顧客ニーズの正確な把握:
顧客が本当に求めているものは何か?どんな課題を解決したいのか?を深く理解することが、商品開発において最重要です。

・競合との差別化:
類似商品が多数存在する中で、自社商品が選ばれる理由を明確にするには、競合商品の強み・弱みを把握して、自社の優位性を見出す必要があります。

・市場の変化への対応:
トレンドや社会情勢、技術革新など、市場は常に変化しているので、いち早く察知し、商品に反映させることで、常に新鮮な価値を提供できます。

これらの要素を客観的かつ定量的に把握するために、商品調査(モニター調査)は不可欠なプロセスとなります。勘や経験だけに頼るのではなく、データに基づいた意思決定こそが、ビジネスを成功へと導くのです。

商品調査(モニター調査)とは?

商品調査(モニター調査)は、自社の商品や製品に対するユーザーからの評価を知るためのアンケートになります。モニター調査の目的は後ほど詳しく記載しますが、ユーザーからの声を集めるという他にも、競合となる会社や商品と比較して、改善点やストロングポイントを炙り出すという目的もあります。詳細なフィードバックを得ることでターゲット市場を理解でき戦略的な製品展開ができるほか、市場導入後の失敗のリスクを防ぐことにも繋がります。

いくら便利な機能を兼ね備えていたとしても、その商品を発売する市場のニーズを満たしていないと人気を獲得することは難しいのが現状です。自社が思う“良いモノ”を作ればよいというプロダクトアウトの時代は終わりを迎えつつある中で、現在は商品開発自体にもマーケティングの発想が求められてきているといえるのではないでしょうか。

商品に関するアンケートの実施により、消費者の声からその商品の市場に見合った商品を開発することが求められています。

商品調査(モニター調査)の目的やメリットは?

大きな失敗をあらかじめ防ぐ

実際に商品を使用している消費者や、調査対象となる商品のターゲット層へ向けてアンケートを実施することにより、消費者の意見を商品の中に取り入れることができ、販売時に「市場のニーズを満たしていないので、結果的に売れなかった。」といった大きな失敗を事前に防ぐことが出来ます。  

企業と顧客を繋ぐ軸になる

商品開発をしている中で、商品の消費者や商品のターゲット層を身近に感じる機会は多くありません。そのため、アンケートは企業と顧客を繋ぐ重要なコミュニケーションの軸として活用することが出来ます。

戦略的な製品展開ができる

商品調査(モニター調査)は、市場投入前だけでなく市場投入後にも実施することがあります。商品を使用した消費者に向けたアンケートを実施することにより、良い意見からは調査対象である製品の良い点(=強み)を見つけることができ、反対に悪い意見からは改善点を見つけることができます。市場投入後のアンケートの実施によって競合製品との棲み分けを図ることで、戦略的な製品展開を図ることが出来ます。

商品調査(モニター調査)の手段

モニター調査は一般生活者や顧客の声を集める調査なので、定量だけではなく定性調査も多用されます。ここでは、モニター調査に適した代表的な手段を解説します。

Webアンケート

Webアンケートはインターネット上で行うアンケートで、調査対象者はオンラインで質問に回答します。
広範囲に渡る多数の回答者から迅速にデータを収集でき、回答の集計も自動化されているため効率的で、コストを抑えることも可能です。時間や場所の制約がないため、参加者の負担が少なく回答率が高まるのが特徴です。

ホームユーステスト(HUT)

ホームユーステストはモニタに製品のサンプルを提供し、自宅など普段の生活環境で一定期間使用してもらった後にアンケートを実施する方法です。
実際の使用感や体験を基にした詳細なフィードバックを得ることができ、製品・サービスの改良点や消費者の満足度を具体的に把握できます。リアルな使用状況での評価が得られるため、実際の市場での反応を予測しやすいのもメリットです。

会場調査

会場調査とは、特定の会場に参加者を集めて実施するアンケートで、製品・サービスの試用やデモンストレーションを行う方法です。
参加者のリアクションを直接観察でき、即時にフィードバックを収集できます。また同時に多くの参加者からデータを得られるため、短期間で大量の情報を収集できるのも魅力といえるでしょう。

グループインタビュー

グループインタビューは、複数の参加者を集めてディスカッション形式で意見を収集する方法です。
参加者同士の意見交換や相互作用を通じて、深い洞察や多様な視点を得ることができます。特定のテーマについての詳細なフィードバックや新しいアイデアの発掘に役立ちます。

個別インタビュー

個別インタビューは、1対1で行うインタビュー形式の調査で、詳細な質問を行い深いフィードバックを得られるのが特徴です。
個別の意見や感情を深く掘り下げることができ、詳細で質の高いデータを収集できます。参加者が他者の影響を受けないため、率直なフィードバックを得ることが可能です。

【すぐに使える】商品調査(モニター調査)の質問例

ここでは、様々な場面で活用できる商品モニター調査の質問例を、フェーズごとに分けて紹介します。これらのテンプレートを参考に、ご自身の調査目的に合わせてカスタマイズしてください。

回答者の属性に関する質問

調査の冒頭で、回答者の基本的な情報を尋ねます。この情報は、後のクロス集計分析で非常に重要になります。
・性別
・年齢
・職業
・居住地(都道府県)
・家族構成
※お使いのツールやシステムによってはデータ取得が必要ない可能性もございます。

商品の認知・購入前に関する質問

回答者が商品をどのように知ったか、また購入前にどのような情報に関心を持っていたかを探る質問です。
・この商品をどこで知りましたか?(複数回答可)
・この商品に興味を持った理由は何ですか?
・普段、このカテゴリの商品をどのくらいの頻度で購入しますか?

商品の第一印象や使用感に関する質問

パッケージデザインや、実際に商品を使ってみた感想を具体的に聞くことで、商品の強みや弱みを把握します。
・商品のパッケージデザインについて、どう感じましたか?
・商品を実際に使ってみて、使いやすいと感じた点はどこですか?
・商品の香りやテクスチャーについて、率直なご意見をお聞かせください。

商品の満足度に関する質問

商品全体に対する満足度や、特定の機能・要素に対する評価を数値で尋ねる質問です。
・この商品の総合的な満足度を5段階で評価してください。(5:非常に満足~1:非常に不満)
・商品の価格について、どのように感じますか?(高い・妥当・安い)
・この商品を友人に勧めたいと思いますか?(10段階評価)

改善点や今後の要望に関する質問

今後の商品開発に直接つながる、具体的な改善提案や要望を収集するための質問です。
・この商品について「もっとこうだったら良いのに」と思う点はありますか?
・どのような機能やサービスが追加されると、さらに魅力的になると思いますか?
・今後、弊社の商品に期待することがあれば自由にお書きください。

自由記述・その他の質問

数値化しにくい感情や、予期せぬ意見を拾い上げるために、自由に記述できる欄を設けることは非常に有効です。
・その他、商品に関して何かお気づきの点があれば、ご自由にご記入ください。

商品調査(モニター調査)の注意点

目的を明確にする

商品調査(モニター調査)を実施する際には、市場投入前・後に関わらず、調査を行う前に“これは何のための調査なのか?”という目的をはっきりさせておくことが大切です。目的をはっきりと設定しないまま調査を実施してしまうと、適切な設問を作成できなかったり、調査手法を間違えてしまい、適当な調査結果を得られなくなってしまうといったことが起きかねません。その製品が開発段階なのか、市場投入前なのか、市場投入後なのかといったステータスでも適切な調査設計は異なるため、アンケートを実施する際には調査の目的を設定することを忘れないよう、十分に注意しましょう。

また、調査項目では、その使用感や第一印象といったモノにフォーカスした項目も重要になりますが、認知経路であったり、マイナーチェンジ以前の製品との印象の差異や購買に向けての態度変容・競合製品との差異など、製品だけではなく、マーケティング要素の項目を追加して調査を行うのが良いでしょう。

回答しやすい質問形式を心がける

回答者の負担を減らすことが、質の高い回答を得るための鍵です。専門用語や曖昧な表現は避け、誰が読んでも同じように理解できる平易な言葉で質問を作成しましょう。また、「はい/いいえ」で答えられる質問や選択式の質問を中心に構成し、自由記述は最後に少数設けるなど、回答の流れを意識して設計することが大切です。

アンケートの目的を明確に伝える

アンケートの冒頭で、「このアンケートが、今後の商品開発にどのように役立てられるのか」を具体的に伝えることで、モニターの協力意欲を高めることができます。自分の回答が商品改善に繋がるという実感は、より真摯な回答を引き出す動機付けになります。

回答結果を商品改善に活かす

アンケートを実施して終わりにするのではなく、集まった意見を真摯に受け止め、実際に商品やサービスの改善に活かす姿勢が重要です。可能であれば、アンケート結果を基にどのように改善を行ったかをモニターにフィードバックすると、企業への信頼感が高まり、次回の調査にも協力してもらいやすくなります。
モニターアンケート(商品アンケート)の注意点

商品調査(モニター調査)でよくある失敗と対策

良かれと思って設計したアンケートが、かえって回答の質を下げてしまうことがあります。ここでは、初心者が陥りがちな失敗例とその対策について解説します。

質問数が多すぎて回答率が低い

多くの情報を得たいあまりに質問数が多くなりすぎると、回答者は途中で離脱してしまいます。アンケートの目的を絞り、本当に必要な質問だけを厳選しましょう。一般的に、回答時間は5分〜10分程度に収めるのが理想的です。どうしても長くなる場合は、アンケートを複数回に分けるなどの工夫も有効です。

質問が分かりにくく、意図した回答が得られない

作成者側の視点だけで質問を作ってしまうと、回答者にとっては意味が分かりにくい、あるいは答えにくい質問になっていることがあります。例えば、「〇〇の機能は良かったですか?」というような聞き方では、何をもって「良い」とするかが曖昧です。アンケートを本番で実施する前に、必ず社内の第三者などにテスト回答をしてもらい、質問が分かりやすいか、誤解を招く表現がないかを確認しましょう。

まとめ

今回は「商品調査(モニター調査)」をテーマに、目的や注意点などをご紹介しました。商品の開発や改善に役立つほか、消費者とのコミュニケーションでもあります。企画・開発から販売後の改善まで、あらゆるフェーズで顧客の「本音」に耳を傾け、データに基づいた意思決定を行うことができます。ぜひ本記事を参考に、調査を実施してみてください!

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