目次
加重平均とは、重要度や影響度などデータによって値の重みが異なる場合に適した平均値です。単純にデータの総和をデータ数で割る算術平均と共にビジネスや暮らしの中で多く使われており、これらは目的によって使い分けられています。
本記事では、加重平均や算術平均の用語解説や計算方法、活用シーンなどを解説します。
本記事では、加重平均や算術平均の用語解説や計算方法、活用シーンなどを解説します。
加重平均とは?
「加重平均」とは、値の重み(ウエイト)を加味して算出する平均値のことです。平均値とは分布するデータの中間に位置する数値のことで、加重平均のほか算術平均や幾何平均(相乗平均)、二重平均などの種類があります。
一般的に平均値を求める場合は、「算術平均」が用いられます。算術平均とは単純に全てのデータを加算してデータ数で割って算出する平均値のことで、たとえばテストの平均点や1日あたりの平均売上などを知る際に多用されています。
ただし、算術平均では正確な平均値を求められないこともあります。たとえば単価が異なる商品の1日あたりの売上から平均単価を求める場合などは、データによって重みが異なるため、算術平均では全体の特徴を正しく把握できません。
このようなシーンに適しているのが加重平均で、データによって異なる重要度がある場合や数量が混在しているときに活用すると、より正確な平均値を求められます。
一般的に平均値を求める場合は、「算術平均」が用いられます。算術平均とは単純に全てのデータを加算してデータ数で割って算出する平均値のことで、たとえばテストの平均点や1日あたりの平均売上などを知る際に多用されています。
ただし、算術平均では正確な平均値を求められないこともあります。たとえば単価が異なる商品の1日あたりの売上から平均単価を求める場合などは、データによって重みが異なるため、算術平均では全体の特徴を正しく把握できません。
このようなシーンに適しているのが加重平均で、データによって異なる重要度がある場合や数量が混在しているときに活用すると、より正確な平均値を求められます。
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算術平均との違いと計算方法
ここからは、加重平均と算術平均の求め方をそれぞれ例を用いて解説します。
算術平均の計算方法
算術平均はデータの重みを考慮せずに、データの総和をデータ数で割って算出します。
算術平均の計算方法
データの総和÷データ数
データの総和÷データ数
たとえば以下のようなC組のテストの平均点を出したいとします。
【C組のテスト平均点】
生徒NO. | 点数 |
---|---|
1 | 58 |
2 | 72 |
3 | 83 |
4 | 65 |
5 | 42 |
6 | 81 |
7 | 90 |
この場合の計算式は
58点+72点+83点+65点+42点+81点+90点=491点
491点÷7人=70.1点
となり、平均点が70.1点であることがわかりました。
このようにテストの平均点などは算術平均を利用できますが、データによって重みが異なる場合は加重平均を利用しなければなりません。加重平均の計算方法は、次に具体例をあげて解説します。
加重平均の計算方法を具体例で解説
加重平均は、データの重みを考慮して算出します。例として、寿司屋A店の1日の平均単価と、アンケート調査などで活用できる加重平均の計算方法を紹介します。
寿司屋A店の1日の平均単価
寿司屋A店のある日の売上で加重平均を計算してみましょう。
【寿司屋A店の1日の売上】
商品名 | 価格 | 1日の販売数 |
---|---|---|
松寿司 | 2,000円 | 10食 |
竹寿司 | 1,800円 | 15食 |
梅寿司 | 1,500円 | 30食 |
商品の単価が異なる松・竹・梅の1日あたりの平均単価は、もし販売数量が全て同じならば算術平均で計算できますが、それぞれ売れた数が違うため重みが異なります。この場合正確な値を得るには加重平均の方が適しており、以下の計算式で算出します。
加重平均の計算方法
①データの各数値×それぞれに対応する重みを計算して合計する
②上記の総和÷全ての重みの和
①データの各数値×それぞれに対応する重みを計算して合計する
②上記の総和÷全ての重みの和
この方法で計算すると
①(2,000円×10食)+(1,800円×15食)+(1,500円×30食)=92,000円
②92,000円÷(10食+15食+30食)=1,672.7円
となり、この日の平均単価は1,672.7円となります。
①(2,000円×10食)+(1,800円×15食)+(1,500円×30食)=92,000円
②92,000円÷(10食+15食+30食)=1,672.7円
となり、この日の平均単価は1,672.7円となります。
アンケート調査で活用できる加重平均
加重平均は、たとえば商品Bの満足度を問うようなアンケートでも活用できます。この場合は満足度に応じて重みを数値化する必要があるため、先に点数(スコア)で振り分けます。
【商品Bの満足度】
回答 | 回答数 | 1重みスコア |
---|---|---|
満足している | 20 | 2点 |
まあ満足している | 30 | 1点 |
どちらともいえない | 50 | 0点 |
あまり満足していない | 10 | -1点 |
不満である | 5 | -2点 |
寿司店と同様に計算式にあてはめると
①(20×2点)+(30×1点)+(50×0点)+(10×-1点)+(5×-2点)=50
②50÷(20+30+50+10+5)=0.43点
となり、商品Bの満足度スコアは0.43となります。
加重平均は、ExcelのSUMPRODUCT関数を使っても簡単に求められます。データが多く集計が煩雑になる場合は、ぜひ活用してみましょう。
①(20×2点)+(30×1点)+(50×0点)+(10×-1点)+(5×-2点)=50
②50÷(20+30+50+10+5)=0.43点
となり、商品Bの満足度スコアは0.43となります。
加重平均は、ExcelのSUMPRODUCT関数を使っても簡単に求められます。データが多く集計が煩雑になる場合は、ぜひ活用してみましょう。
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加重平均・算術平均の使い分け
単純にデータを加算して総和をデータ数で割る算術平均と、重みの異なるデータがある場合に活用する加重平均の使い分けは、以下のようにまとめられます。それぞれの特徴を理解して、適切なシーンで使いましょう。
【算術平均と加重平均の使い分け】
平均値の種類 | 活用するシーン | 活用例 |
---|---|---|
算術平均 | データを単純に足し合わせることで、基準となる値が算出される場合 | ・クラスの5科目テストの平均点 ・チェーン各店における商品Aの1日あたり平均売上額 |
加重平均 | データに別の値を乗じてから足し合わせることで、基準となる値が算出される場合。データによって異なる重要度がある場合や数量が混在しているとき | ・5科目ごとに単位が異なる場合の5科目平均点 ・チェーン店各店における商品Aの販売個数を加味した1日あたりの平均単価 |
加重平均をエクセルで算出する方法
加重平均は、エクセルを利用して計算することができます。先ほどの寿司屋A店の1日の売上を元に、計算方法を紹介します。
【寿司屋A店の1日の売上】
商品名 | 価格 | 1日の販売数 |
---|---|---|
松寿司 | 2,000円 | 10食 |
竹寿司 | 1,800円 | 15食 |
梅寿司 | 1,500円 | 30食 |
STEP1:SUMPRODACT関数を使う
加重平均を計算するには、まず3種類の商品価格と販売数をエクセルの「SUMPRODACT関数」を使って計算します。
SUMPRODUCT関数による計算
=SUMPRODUCT(価格(円)の列,販売数(食)の列)
=SUMPRODUCT(価格(円)の列,販売数(食)の列)
これにより、重みを加味した合計値92,000円が算出されました。
STEP2:データ数で割る
次にSUMPRODACT関数で計算した値を、販売数(食)の合計で割ります。
販売数の合計で割る
=SUMPRODUCT関数の計算結果のセル/(松寿司の販売数+竹寿司の販売数+梅寿司の販売数)
=SUMPRODUCT関数の計算結果のセル/(松寿司の販売数+竹寿司の販売数+梅寿司の販売数)
計算の結果、加重平均で計算した平均単価である1672.7円が算出されました。
まとめ
加重平均は、データに重みがある場合や数量が混在しているときに活用する平均値です。算術平均では把握しきれない重みの違いによる値を、正確に得られることが特徴です。算出方法も難しくなく、Excelや加重平均の自動計算ツールなどを活用すれば簡単に求めることができます。
加重平均と算術平均はそれぞれの特徴に合った活用方法があり、平均値を求める際はどちらが妥当かを吟味して適切に活用しましょう。
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