目次
アンケート集計の基本
まずは以下の種類があることを押さえておきましょう。目的に合わない集計方法を選んでしまうと、後から集計表を作り直すことになりかねません。
1. 単純集計(GT)|全体の傾向を素早く掴む
例えば、「あなたは週に1回以上スーパーに行きますか」という問に対して、選択肢「行く」「行かない」という設問があったとします。このときに、「行く」「行かない」と回答した人がそれぞれ何人いたかを数えるのが単純集計です。
まずは単純集計で全体像を掴むことが、より深い分析への第一歩となります。
GT表(単純集計表)イメージ
| 選択肢 | 回答数 | 構成比 |
|---|---|---|
| ほぼ毎日 | 26 | 5.2% |
| 週に5~6日 | 73 | 14.6% |
| 週に3~4日 | 103 | 20.6% |
| 週に1~2日 | 195 | 39.0% |
| 月に2~3日 | 76 | 15.2% |
| 月に1日 | 16 | 3.2% |
| それ以下の頻度 | 11 | 2.2% |
| 合計 | 500 | 100.0% |
2. クロス集計|回答者の属性別で深掘りする
主に「性別」「年代」「居住地」などの属性情報が分析軸となり、特定の層にどんな傾向があるのかを深掘りできます。
例えばある調査で、「スーパーに週1回以上行く」と答えた人が300人いることがわかりました。しかし、300人中どの年代の利用頻度が高いかまでは、単純集計表だけではわかりません。このような時に、分析軸を年代としたクロス集計を用いて利用頻度の詳細を確認します。
表側を年代とすることで、年代ごとの内訳を確認することができ、見たい分析軸(今回は年代)で掘り下げてデータを確認することができます。
クロス表(クロス集計表)イメージ
| 年代 | 全体 | ほぼ毎日 | 週に5~6日 | 週に3~4日 | 週に1~2日 | 月に2~3日 | 月に1日 | それ以下の頻度 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 全体 | 500 | 26 | 73 | 103 | 195 | 76 | 16 | 11 |
| 20代 | 100 | 4 | 12 | 26 | 30 | 19 | 5 | 4 |
| 30代 | 100 | 3 | 14 | 23 | 38 | 15 | 4 | 3 |
| 40代 | 100 | 4 | 15 | 22 | 42 | 14 | 2 | 1 |
| 50代 | 100 | 8 | 15 | 18 | 39 | 16 | 2 | 2 |
| 60代 | 100 | 7 | 17 | 14 | 46 | 12 | 3 | 1 |
自由記述(FA)の集計・分析
1. 数値の自由記述|「平均値」のワナに注意
数値の自由記述で確認したい5つの値
| 指標 | 説明 |
|---|---|
| 平均値 | 全ての数値を合計し、回答数で割った値。 |
| 中央値 | 数値を小さい順に並べたとき、ちょうど中央にくる値。 |
| 標準偏差 | データのばらつき度合いを示す値。 |
| 最大値・最小値 | 回答の中で最も大きい値と小さい値。 |
2. テキスト(文章)の自由記述│2つの代表的な分析手法
①アフターコーディング
アフターコーディングの手順
-
1
すべての自由記述回答に目を通す
-
2
回答内容から共通するキーワードやテーマを見つけ、分類カテゴリーを作成する
例:「価格」「デザイン」「サポート」など。少数派の回答内容やカテゴリ分類が難しいものは、「その他」などに集約。
-
3
各回答を、作成したカテゴリーに振り分ける
-
4
カテゴリーごとに件数を集計し、定量データ化する
ポイント
カテゴリー分類する際に「1」とフラグを立てていくと、数値での集計が可能になり、定性的なデータを定量的なデータに変換することができます。
アフターコーディングのイメージ
| Q. 日常生活の中でどんな時に幸せを感じますか? (自由記述回答) |
カテゴリーに分類 | |||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 平穏な日常 | 睡眠 | 食事 | 家族 | 友人や周囲の幸せ | 健康 | 仕事 | なし | |
| 全体集計 | 5 | 4 | 4 | 6 | 1 | 2 | 1 | 5 |
| 寝てる時 | 1 | |||||||
| 感じない | 1 | |||||||
| 問題なく1日が過ぎてベッドに入る時 | 1 | |||||||
| 睡眠時間が多く取れる時 | 1 | |||||||
| 普通の生活ができたとき | 1 | |||||||
| 美味しいものを食べる時 | 1 | |||||||
| とくにない | 1 | |||||||
| 寝ているとき | 1 | |||||||
| 家族揃って談笑している時 | 1 | |||||||
| 家族が笑っていること | 1 | |||||||
| 家族と飼い猫と遊んでるとき | 1 | |||||||
| 何でもないようなことが幸せ | 1 | |||||||
| 眠たいときに寝れるとき | 1 | |||||||
| 関係する人が健康でいきいきと暮らしているのを見た時 | 1 | |||||||
| 感じない | 1 | |||||||
| 家族とのんびり過ごしているとき | 1 | |||||||
| 健康で働けてる時です。 | 1 | 1 | ||||||
| ない | 1 | |||||||
| 美味しいものを食べた時 | 1 | |||||||
| ご飯がおいしく感じられるとき | 1 | |||||||
| 健康で自然を感じられる | 1 | |||||||
| 子供がサッカーで頑張っているとき | 1 | |||||||
| 1日を平穏に終えられたとき | 1 | |||||||
| 特にない | 1 | |||||||
| 美味しいご飯を夫と美味しいねって言いながら食べる時 | 1 | 1 | ||||||
| 不快なことがない時 | 1 | |||||||
②テキストマイニング
SNSの口コミやお問い合わせ内容など、大量のテキストデータを効率的に分析し、潜在的なニーズや評判の傾向を発見するのに役立ちます。
主なテキストマイニングの手法
| 手法 | 内容 |
|---|---|
| 形態素解析 | 文章を単語や意味を持つ最小単位に分解する処理です。これにより、単語の出現頻度や関連性を分析することができます。 |
| 共起分析 | 特定の単語と同時に出現する単語を分析し、単語間の関連性を把握する手法です。例えば、「美味しい」という単語と共起する単語を分析することで、顧客が「美味しい」と感じる要素を把握できます。 |
| センチメント分析 | テキストデータから感情(肯定的、否定的、中立的など)を分析する手法です。SNSの投稿や顧客レビューの分析に活用され、商品やサービスに対する顧客の意見を把握できます。 |
| 対応分析(コレスポンデンス分析) | 複数のカテゴリーデータの関係性を分析する手法です。クロス集計表を用いて、データ間のパターンを可視化し、傾向を把握できます。 |
| 主成分分析 | 多数の変数から、主要な変数(主成分)を抽出する手法です。これにより、複雑なデータを分かりやすく要約し、分析を効率化できます。 |
Excelを使ったアンケートの集計方法(単純集計表)
ここからは、実際にExcelを使って単純集計表を作る手順を解説していきます。

STEP1:アンケートを用意する
Q1:あなたが最も好きな飲料を1つのみお選びください。(SA)
選択肢リスト
| 1 | 商品A |
| 2 | 商品B |
| 3 | 商品C |
| 4 | 商品D |
| 5 | 商品E |
| 6 | あてはまるものはない |
Q2:Q1で選んだ最も好きな飲料をどこで購入していますか。あてはまるものすべてをお選びください。(MA)
選択肢リスト
| 1 | スーパー・ドラッグストア・コンビニエンスストア・ホームセンター |
| 2 | ディスカウントストア・100円均一ショップ・酒屋やリカーショップ |
| 3 | 駅売店・自動販売機 |
| 4 | その他のリアル店舗 |
| 5 | インターネットショップ |
| 6 | 通信販売・カタログ販売 |
| 7 | その他 |
| 8 | 自分では買わない |
STEP2:ローデータを作る
選択肢を数字に置き換えて、横一行に一人一人の回答データを表にします。

F列は設問Q1の回答で、単一回答であるため選択肢番号(1~6)をそのまま入力します。G列~N列はQ2の回答を入力しますが複数回答であるため、Q2_1が選ばれていれば1を入力し、選ばれていなければ0を入力します。
STEP3:単純集計表を用意する
ローデータの表頭に入力した性別、年齢、未既婚、子供有無、Q1、Q2_1~Q2_8それぞれの実数と構成比を入力する表を作成します。回答者は300人なので、実数の全体は300となります。

STEP4:「性別」の実数をCOUNTIF関数で集計する


STEP5:年齢をCOUNTIFS関数で年代にグループ化する
この場合はCOUNTIFS関数を使って、「単純集計表」の「20代」のセルに、「=COUNTIFS(ローデータ!C2:C23,">=20",ローデータ!C2:C23,"<30")」で計算した数値を入れます。
同様に30代は、「=COUNTIFS(ローデータ!C2:C23,">=30",ローデータ!C2:C23,"<40")」、40代は「=COUNTIFS(ローデータ!C2:C23,">=40",ローデータ!C2:C23,"<50")」で計算して表を完成させましょう。

STEP6:ほかの属性もCOUNTIF関数で集計する


STEP7:単一回答データの単純集計表を作成する
回答は、1.「商品A」~6.「あてはまるものはない」までなので、集計表にはCOUNTIF関数を用いて1~6までの数値をカウントすることで完成します。

STEP8:複数回答データの単純集計表を作成する
Q2の選択肢は、Q2_1~Q2_8までそれぞれ「選んだ場合」に1をコード化しているため、1の個数を加算することで実数を計算できます。

STEP9:単純集計を完成させる

Excelを使ったアンケートの集計方法(クロス集計表)
クロス集計表は、2つ以上の設問や属性を掛け合わせて集計できるため、単純集計では見えにくい傾向や特徴を把握するのに役立ちます。ここからは、Excelでクロス集計表を作る手順を具体的に解説していきます。
STEP1:アンケートを用意する

STEP2:ローデータを加工する


STEP3:単一回答データのクロス集計表を作成する

STEP4:複数回答データのクロス集計表を作成する

STEP5:クロス集計表を完成する

STEP6:単一回答のクロス集計をグラフにする
ここでは性年代別のグラフを作成します。グラフに加工しやすいように、%を数字に変えて、0.0%を省いた以下の表を用意しておきましょう。


2.「挿入」タブからグラフ→2D横棒を選択する。デフォルトで帯グラフが作成される
3.グラフエリアの塗りつぶしと枠線を消す
4. 「グラフ タイトル」に上書きしてタイトルを入力する
5. 「全体」が最上部、「女性60代」が最下部になるように、「軸の書式設定」で「軸を反転」させる
6.凡例の表示位置を最下部から最上部にする
7.グラフの色を淡色系に変える
8.データ系列の書式設定で要素の間隔を20%にする
9.データラベルの書式設定で数値を入れる
STEP7:複数回答のクロス集計をグラフにする
ここでもグラフに加工しやすいように%を数字に変えて、0.0%を省いた以下の表を用意しておきましょう。

グラフは、表などでは把握しづらいデータを可視化してわかりやすくする手段なので、データや目的に合わせて適切なものを選びましょう。

アンケート結果をExcelでグラフにする方法
ここでは、Excelを使ってグラフを作成する一連の流れを解説します。
具体例として円グラフを作成し、初期設定から完成形までの手順を確認していきます。さらに、提出資料として見栄えの良いデザインに仕上げるポイントについても紹介しますので、実務にそのまま活用してみてください。
グラフ作成手順
②Excelのメニュー内の「挿入」を選択
③任意のグラフを選択
アンケート結果をグラフ化する際の注意点
【注意点1】Excelのデータは事前に並び替えておく
グラフは、数値データを視覚的にわかりやすくするという目的で作成するので、データの並び順は気をつけましょう。
【注意点2】グラフの種類を適切に選ぶ
よくある不適切なグラフ例として、縦軸・横軸の目盛り幅が異なるグラフを並べて比較することです。
目盛り幅が細かいほどグラフの変化が顕著に見られるため、実際よりも差が大きくあるように錯覚してしまいます。
アンケート結果を分かりやすく見せる主要グラフ
ここでは、Excelでよく使われる主要なグラフを取り上げ、それぞれの用途と具体的な使用例を紹介します。
実際にExcelで作成したときの初期設定と、見やすく調整した修正版の例もあわせて提示します。どのようにデザインを工夫すれば、報告資料やプレゼンで効果的に活用できるかが分かる内容になっています。
| グラフの種類 | 主な目的 | 具体例 |
|---|---|---|
| 円グラフ・帯グラフ | 全体に対する構成比を示したい | 年代別構成比、商品Aの売上内訳 |
| 棒グラフ | 量や数の大小を比較したい | 各店舗の売上比較、満足度の回答数比較 |
| 折れ線グラフ | 時間経過に伴う変化や推移を示したい | 月別の売上推移、Webサイトのアクセス変化 |
| 散布図 | 2つのデータ項目間の相関関係を見たい | 広告費と売上の関係、気温とアイスの販売数 |
| レーダーチャート | 複数項目のバランスを比較したい | 商品の項目別評価(価格、機能、デザイン等) |
・棒グラフ+折れ線グラフ
主に、クロス集計表など単純集計以外のいくつかの分析軸で結果を見たい時に使います。
・色使い変更
・データ順
・折れ線の実線/点線変更
・単位(%)追加
組み合わせグラフは「棒グラフ」と「折れ線グラフ」によって構成されています。
分析軸が複数あるため、どのグラフ型にするかは自分で指定することができます。
・散布図
『相関関係の有無』を一目で確認できるため、分析する際のベーシックな方法ともいえます。
単位の追加
最大値・最小値の変更
凡例追加
色味変更
散布図を作成するときは、データ量に注意をしましょう。データの数が少なければ相関関係を見出せない場合があります。
相関関係があるのかデータを簡単に確認する場合はそこまで重要視する必要はありませんが、相関関係を証明する目的で散布図を作成するときは、あらかじめ多くのデータを準備することをお勧めします。
・レーダーチャート
バランスが良いデータは正多角形になり、面積が広くなります。
レーダーチャートは塗りつぶしや、軸の目盛間隔、グラフの重なる順番などを変更することができます。
初期設定は「マーカー付きレーダー」、修正案は「塗りつぶしレーダー」を使用しています。塗りつぶした箇所を透過することで、それぞれの商品の面積が分かりやすくなり、全体的なバランスが見やすくなったのではないでしょうか。
アンケート分析の効果的な進め方
全体から捉えて細部を確認
仮説に基づく深掘り分析
例えば「20代と60代で評価が大きく異なる理由は何か」という仮説を立て、関連する質問の回答パターンを調べることで、年代別の嗜好や行動の違いが明らかになります。そして、「Aを選んだ人はBでも高い評価をしているのか」といった、設問同士のつながりにも踏み込みます。例えば「サービス満足度」と「利用回数」に強い相関が出たとしても、満足だから頻繁に使うのか、頻繁に使うから満足度が高まるのかなどの視点で考えます。
データの有意性が高いか確認
分析から結論・施策への展開
高度な分析手法
・決定木分析:回答者の特徴を階層的に理解する
・クラスター分析:類似した回答者をグループ化する
・時系列分析:アンケート結果の経時変化を追う
アンケートの作成や集計に使うツールの選び方
1. 継続的に実施できるか
2. 回答の進み具合を表示できるか
3. セキュリティ対策が万全なもの
よくある質問
可能です。COUNTIF・COUNTIFS関数やピボットテーブルを使えば、単純集計からクロス集計まで対応できます。ただし回答数が数千件を超える、設問数が多い、複数人での同時編集が必要といった場合は、専用の集計・分析ツールの方が効率的です。
まず単純集計で全体の傾向をつかみ、その後クロス集計で年代・性別などの属性別に深掘りする、という順番が基本です。
件数を数えるCOUNTIF・COUNTIFS、条件付きで合計するSUMIF・SUMIFS、平均を出すAVERAGEIFが基本です。クロス集計まで行うならピボットテーブルの活用がおすすめです。
「該当件数 ÷ 全体件数 × 100」で求められます。Excelでは実数のセルを全体件数のセルで割り、表示形式を%にするだけで自動計算できます。
回答を読み込んでキーワード・テーマ別にカテゴリー分けし(アフターコーディング)、カテゴリーごとに件数を集計して定量データ化します。テキストマイニングツールを使う方法もあります。
構成比なら円グラフ・帯グラフ、量の比較なら棒グラフ、時系列の変化なら折れ線グラフ、相関を見たいなら散布図、複数項目のバランスを見たいならレーダーチャートが適しています。
極端な値(外れ値)があると平均値が実態からずれることがあるためです。中央値や標準偏差も併せて確認することで、より正確にデータを解釈できます。
回答数が非常に多い、リアルタイムで集計結果を共有したい、複雑な分岐設問がある場合などは、Excelでの手作業集計だと限界があるため、専用のアンケート集計・分析ツールの利用を検討するとよいでしょう。
まとめ │ アンケート集計は「準備」と「手順」が重要
ご紹介したようにExcelで集計やグラフ作成ができますが、データを可視化するまでに時間や労力がかかります。
マーケティングリサーチジャーナルを運営している当社は、セルフ型リサーチツールのSurveroid(サーベロイド)をご提供しています。少ない手順で集計表やグラフ付のデータがダウンロードできる集計ツールも無料で付属しているので、可視化するまでの工数を大幅に削減できます。興味のある方はぜひサービスサイトをご覧ください。
アンケート調査、
まずは相談
セルフ型アンケートツール「Surveroid」
設問づくりや調査方法のお悩みを、お気軽にご相談ください
- かんたん作成直感的な操作で迷わずアンケート作成
- 豊富な設問タイプ自由記述・選択式など、多彩な形式に対応
- 集計・分析もラクラクリアルタイム集計で結果もわかりやすく可視化
Q1. 弊社サービスをどのように知りましたか?必須
Q2. サービスの満足度を教えてください必須
Q3. ご意見・ご感想をご自由にお書きください
集計結果
- WEB検索 42%
- SNS 30%
- その他 28%




