2022年6月30日 更新

アンケート結果のまとめ方とは?流れや集計方法をわかりやすく解説

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アンケート結果のまとめ方

アンケート結果はまとめ方によって効果的に活用できるかどうかが変わってきますので、集計・分析の際に気を付けることを解説していきます。アンケート結果のまとめ方は、アンケートの種類を問わず基本的な流れは変わらないのでこれから挙げる5つのポイントを押さえてスムーズに進めましょう。

回答の集計

アンケートデータが回収できたら、結果が見易くなるように集計をします。集計方法は主に2種類あり、質問ごとにどれくらいの人が回答したのか単純に件数だけを数える単純集計がベーシックなものとなり、全体的な回答傾向を確認できます。単純集計だけでも調査結果の把握はできますが、回答者の属性(性別・年齢・居住地等)ごとの詳細データを確認したいときは、クロス集計を活用します。2つの集計結果からデータを把握しましょう。

全体像の把握

回答結果の集計が終わったら、早速集計データを確認していきます。データの確認手順としては、まず初めに単純集計データから見る​ことがポイントとなります。
最初から細かい部分を見てしまうと、誤ったデータの解釈をしてしまう可能性があるからです。
また、全体の回答傾向を把握した後に詳細の傾向を確認することで、違和感のある数値(全体から離れた異常値)が目につきやすくなります。このような数値は次につながるアクションに繋がる可能性がありますので、まずは全体像の把握からしましょう。

細部の確認

単純集計結果から全体像の把握をしたら、クロス集計をして詳細データの確認をしましょう。深掘りしたデータを見ることで、より回答者の実態を把握することができます。
例えば自社製品の満足度調査をしたときに、全体の満足度が60%だったとします。もう少し満足度を上げたいところです。そこで満足していると回答した人を性別ごとに確認すると、女性80%、男性20%だったことがわかりました。このことから、男性の満足度を上げることで全体の満足度の底上げができると判断することができます。
このように性別ごとの回答結果を見た時に男女差が出れば男性にフォーカスした施策を実施するなど、その後のマーケティング活動に影響を与えるでしょう。

信憑性の確認

アンケートで収集したデータは憑性がある(有意である)ことが前提です。
信憑性がないデータとは、回答数が少ない、回答者の代表性に欠ける(何らかのバイアスがかかっている)などが挙げられ、偏りが大きなものを指します。そのためこのようなデータは、参考値として扱う程度にとどめておいた方が良いです。
例えば男女比が6:4の大学(母集団2000人)があり、2000人全てにアンケートをとることが難しいためランダムで学生400人にアンケートを取ったときに、データの回収結果が3:7の男女比になっていると、本来の構成比からずれているため、代表性に欠けるということになります。

結論を導き出す

有意なデータを用いて分析まで終わったら、アンケートを実施した目的に立ち返り結論を導き出します。
結論を出す際に注意したいことは、因果関係」と「相関関係」を取り違えてしまわないことです。
どちらも調査をしていると聞いたことがある単語だと思いますが、似たようなイメージがあり混合しやすいと思います。

因果関係…原因とそれによって生ずる結果との関係(Aを原因としてBが変動すること)
相関関係…一方が他方との関係を離れては意味をなさないようなものの間の関係(Aが変化するとBも変化する)

例を用いて2つの違いについて解説します。
Aさんがある地域の自動販売機の数と犯罪件数を調べたところ、2つのデータに正の相関関係があることがわかりました。つまり、自動販売機が多い地域ほど犯罪件数が多いということです。
しかしこのデータから「犯罪を減らすために自動販売機の数も減らそう!」と提案すると、まったがかかります。
確かに相関関係はあるとは言えますが、自動販売機と犯罪の間には直接的な因果関係はありません。すなわち、相関関係があるからといって、因果関係もあると主張することは簡単ではないのです。別問題ということを念頭に置いておきましょう。

代表的な集計方法

集計は大きく分けて、「単純集計」と「クロス集計」の2種類があります。
目的に応じて使い分ける必要がありますが、どちらもデータを見る上で大切なものです。
ここでは2つの集計方法の特徴について解説します。

単純集計

マーケティング分析において、最も基本的な集計が「単純集計(Grand Total:GT)」です。
調査票の全質問について、回答選択肢ごとの回答件数(度数)やその比率を集計し全体の回答傾向を把握することができます。

クロス集計

全体の回答数や傾向だけでなく、その中の異なるグループごとに調査結果にどのような違いがあるのかを確認することができます。属性や他設問との掛け合わせでより深堀した傾向まで把握できると次の課題が見えやすくなります。
単純集計とクロス集計の違いや見方についての詳細は過去の記事から確認できます。
クロス集計とは? 単純集計との違いや注意点について分かりやすく解説。
ネットリサーチツールへのリンク

代表的な分析方法

代表的な分析方法について4つご紹介します。それぞれ調査の目的に応じてアプローチする分析手法が変わってきますので、どんな調査によく使われるのか特徴も交えながら解説します。
意思決定に関わる大事なフェーズなだけにどのような手法でどんな結果を得たいかは慎重に判断しましょう。

クラスター分析

異なる性質のものが混ざり合ったデータの中から、互いに似たものを集めて集団(クラスター)を作り、対象を分類する方法です。対象は人だけでなく商品や企業等にも及びますが、分類することによってブランドのポジショニング確認や、生活者のセグメンテーション等を知ることができます。
クラスター分析の詳細はこちら

アソシエーション分析

ある商品と同時に購入されている商品の傾向を見つけ出す分析手法です。実店舗とネットショップでの買い物の仕方の違いや最適な商品配置を導き出すこともできます。
「○○を買うと△△も一緒に買う」というパターンや関連性を数字で知ることができるので、セールスにおける戦略を考える時に有効な分析手法です。購買データの分析結果から思わぬところに関連性が見つかると、新たなアプローチを見つけることができるでしょう。

主成分分析

たくさんある変数を少数の変数に集約する分析手法です。情報を集約することでデータ全体が可視化され解釈しやすくなります。
元データの情報をなるべく失わずにいくつかの変数に集約することがポイントとなり、主成分が元のデータの何割を説明できているのかは寄与率を算出することで確認することができます。寄与率は80%程の主成分軸(変数)で設定すると良いと言われています。
主成分分析の詳細はこちら

決定木分析

決定木分析とは、樹木状にデータを分類していく手法で、目的変数に最も影響する説明変数を導き出します。予測モデルの分析や現状のデータ構造を把握に使われ、比較的に使い勝手が良い手法と言われています。
目的変数に一番効いている説明変数を見つけるときに、決定木分析を用いると1つ1つクロス集計で確認することなく、簡単に可視化することができます。
決定木分析の詳細はこちら
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集計・分析で使われる用語

ここでは集計や分析時に使われる用語をご紹介します。専門用語を知っておくことでよりスムーズに結果をまとめることができますので、よく使われる用語を中心に説明をします。

平均値と中央値

平均値:あるデータを合計し、それをデータの個数で割った値のこと。
中央値:データを小さい方から順に並べてちょうど真ん中にくる値のこと。
平均値は極端に小さな値や大きな値(外れ値)の影響を受けやすいため、そのような場合は中央値を用いた方が適切です。年収を例に挙げると、平均値はお金持ち(外れ値)に水準を引き上げられてしまうため、中央値で見た方が実態に近いと言えます。

標準偏差

標準偏差とはデータのばらつき度合いを示す指標です。
計算して出てきた値が大きいほどばらつき度合いも大きいということになります。
偏差の二乗の合計をデータ数で割ったもの(分散)の平方根を出すことで標準偏差を算出することができます。(Excel関数は『=STDEV.P(』を用いる)
(偏差:各データが平均からどれくらい離れているかを表す数値)
具体的な例を挙げると、1週間の売り個数平均が60個のパンがあったとします。1週間の標準偏差を算出すると、「15.024867」と出たとします。この場合、よく売れる日は75個、反対にあまり売れない日は55個(±15個の中で売り個数がある)ということになります。

最頻値

最頻値とは全データの中で最大の度数を持つ(1番数が多い)値のことを指します。
例えば、100円~1000円のキーホルダーが売られているとして、最も売れているキーホルダーが480円のものであれば、480円が最頻値となります。

最大値・最小値

全データの中で、最も値が大きいもを最大値、小さいもののことを最小値と言います。
最大値と最小値は外れ値になっている可能性があるので、データを見る際は注意が必要です。

アフターコーディング

自由記述で得た回答データを選択肢に変換することをアフターコーディングと言います。
自由記述(テキストデータ)のうち内容が類似している回答をカテゴリーに分類し、選択肢化していくことで定性的なデータを定量的なデータに変換します。自由記述を一つ一つ確認する必要があるため大変な作業になりますが、データがより見やすくなることに加え、一度カテゴリー分けしておくと2回目以降の調査時に選択肢として活用することもできます。

テキストマイニング

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自由記述の回答内容を単語や文節ごとに区切り、各単語の出現頻度や傾向、相関関係などを分析する手法のことです。定量的なデータのみでは把握することができなかった商品に対してどんな意見が多いのか、潜在的なニーズは何かなどの有用な情報を視覚的にわかりやすく取り出すことができます。
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