顧客満足度調査(CS調査)とは
顧客満足度調査をすることで、満足度だけではなく自社と競合を比較した際の強みや弱点なども設計次第では把握することが出来ます。調査結果は既存顧客の離反防止や、新規顧客獲得のためにアクションを起こす際の意思決定に役立ちますので、有効的に活用しましょう。
【満足度調査】のコツが知れる動画~えばしん流~
顧客満足度調査の調査方法
初めて実施する場合や、自社のオリジナルな設計が欲しいなどの希望がある場合は調査会社に依頼して調査票を作成してもらうと良いでしょう。
ただし、インターネットで検索すると顧客満足度を実施する際に必要な調査項目などが参考になるサイトも多くあります。調査会社に依頼するとコストがかかるので、基本的な項目でまずはやってみる、今まで実施したことがあり調査内容はほぼ変わらないなどの場合は自社で実施してみても良いでしょう。
定量調査
定性調査
実際に自社の商品・サービスを使っている顧客にコンタクトを取り、満足度に対する理由やきっかけ、課題などを深堀しながら聴取することが可能です。
顧客満足度調査の質問項目
調査結果がアクションを起こす際の判断材料になるようなアウトプットになるように意識をしましょう。
下記では、顧客満足度調査において最低でも聞いておきたい質問項目2つをご紹介致します。
比較対象を用意する
ただし、会社ごとに満足度●%以上などの基準値を設けている場合もありますので、比較対象を用意するのは必須条件ではありません。
満足度の要因を探る質問を入れる
満足度は、総合満足度と要素別満足度に分解して考えましょう。要素別満足度とは、食品を例に挙げると「味・使い勝手・価格」などのことを指します。満足度には総合的な評価を構成する要素があるはずなので、要素別にも満足度を詳しく聞いておくと、改善点や今度の課題が明確になります。また、要素内で分散の大きさを確認し、分散が大きい(=回答にばらつきがある)箇所を見つけることができれば、その点を改善するといった意思決定に繋がることもあります。
顧客満足度調査の調査設計のコツ

対象と分析軸を決める
また、対象者を決める際に併せて分析軸も決めておくことをお勧めいたします。競合間の比較ができない場合でも、分析軸があることで満足度の評価をすることができるようになります。
ヘビーユーザーやライトユーザー別に満足度を比較したい場合は、利用頻度を設問内に含め、週1以上利用者はヘビーユーザーなど定義付けまでしておきましょう。
【分析軸例】
①性年代:20代男性、30代男性…60代男性、60代女性
②ユーザーレベル:ヘビーユーザー、ライトユーザーなどのカテゴリーに対する関与度
③時系列:昨年と今年、前回と今回
実態把握やカテゴリー重視点の設問を入れる
また、NPS(推奨度)という顧客ロイヤリティに関わる指標についても設問に含めることが多くなっています。過去記事の「NPS®調査とは?業績に直結する注目の調査方法を分かりやすく解説!」にて詳細に解説しておりますので併せてご覧ください。
顧客満足度調査のテンプレート紹介
SCR.あなたの性別を教えて下さい。
□男性 □女性
SCR.あなたの年齢を教えて下さい。
□20代 □30代 □40代 □50代 □60代
SCR.あなたの居住地を教えて下さい。
□北海道~□沖縄県
SCR.あなたがビールを飲酒する頻度を教えて下さい。
□毎日 □週5~6日 □週3~4日 □週1~2日 □月に2,3日程度 □月に1日程度 □半年に1日程度 □年に1日程度 □それ以下
SCR.あなたがビールを選ぶときに重視している点を教えて下さい。
□価格 □のどごし □キレ味 □こく □香り □アルコール度数 □苦味 □銘柄 □その他
SCR.下記に提示するビールブランドについて知っているものを教えて下さい。
□ブランドA □ブランドB □ブランドC □ブランドD… □知っているブランドはない
SCR.下記に提示するビールブランドについて今までに購入したことがあるものを教えて下さい。
□ブランドA □ブランドB □ブランドC □ブランドD… □購入したことのあるブランドはない
SCR.下記に提示するビールブランドについて1年以内に購入したことがあるものを教えて下さい。
□ブランドA □ブランドB □ブランドC □ブランドD… □1年以内に購入したことのあるブランドはない
Q.下記に提示するビールブランドの総合的な満足度を教えて下さい。
□満足 □やや満足 □どちらでもない □やや不満 □不満
Q.下記に提示するビールブランドについて項目ごとの満足度を教えて下さい。
項目:□味 □香り □値段 □のどごし
選択肢:満足 □やや満足 □どちらでもない □やや不満 □不満
Q.あなたはビールブランドを友人や家族に薦めたいと思いますか。
□0点 □1点 □2点 □3点 □4点 □5点 □6点 □7点 □8点 □9点 □10点
Q.あなたは下記に提示するビールブランドを今後も購入しますか。
項目:□ブランドA □ブランドB □ブランドC
選択肢:満足 □やや満足 □どちらでもない □やや不満 □不満
顧客満足度調査の集計・分析方法
顧客満足度調査の活用方法
市場における自社と競合のポジションを比較
集計時にはそれぞれの項目を競合と比較することによって、今後伸ばすべきところや、改善するべきところなどを客観的に把握し、改善点の優先順位を付けるなどして有効に活用しましょう。
満足度を高めるための要因を明らかにする
このようにして見えてきた満足度を高めることに貢献する項目に注力してマイナーチェンジを行うことにより、より顧客から愛されるプロダクトやサービスを創出することも期待できるでしょう。
満足しているユーザの特徴を明らかにする
また、プロダクトやサービスの特長となる項目を細分化して調査することで、ファンとなる層は何を評価し、どこで満足度が高いのか詳細についても特定出来ます。デモグラフィックと要素間満足度などを掛け合わせることでさらに深堀した分析も可能になりますので、自社プロダクトについて深く知りましょう。
まとめ
課題に対して施策を打つ際に、定量的なデータは次のアクションへ繋げるための判断材料になります。
顧客満足度はマーケティング上重要な指標になりますので、定期的に調査をすることで自社のポジションやターゲット、ニーズなどの実態についても把握しておきましょう。
また、リサーチが初めての場合でも、調査を重ねるごとに新しい発見や課題が出てくるでしょう。
手軽に顧客満足度調査を実施できるセルフ型アンケートツールを使ってまずは小さくリサーチを回していくことからはじめてみませんか?