顧客満足度調査とは?調査方法や質問項目の作り方を紹介!

19 2024.02

アンケート活用事例

顧客満足度調査(CS調査)とは

顧客満足度調査(Customer Satisfaction:CS)とは、自社のビジネスやサービス、プロダクトにおいて顧客がどれだけ満足しているかを把握するために行う調査のことを指します。
顧客満足度調査をすることで、満足度だけではなく自社と競合を比較した際の強みや弱点なども設計次第では把握することが出来ます。調査結果は既存顧客の離反防止や、新規顧客獲得のためにアクションを起こす際の意思決定に役立ちますので、有効的に活用しましょう。
顧客満足度調査とは?調査方法や質問項目の作り方を紹介!

顧客満足度調査のメリット・デメリットとは?

商品やサービスを購入した顧客の満足度や期待度を調査する時に顧客満足度調査は有効な手法です。ただし、顧客満足度調査にもメリット・デメリットがあり、一概に良い面ばかりではありません。そのため、効果に対するコストやリスクも合わせて考える必要があります。
こちらでは顧客満足度調査のメリット・デメリットについて詳しくご紹介します。

顧客満足度調査のメリットは情報収集により効率が上がる

顧客満足度調査のメリットは情報収集により業務効率が上がることです。顧客満足度調査は一般的にアンケート・インタビュー・ヒアリングなど、さまざまな方法で実施されます。この時、目的を持って意図的に情報を集めることを意識しましょう。
顧客満足度調査のメリットが情報収集をすることで業務効率が上がる理由は次の3点です。
①顧客の満足している点や不満点を収集することができる
➁顧客の現状を把握することができる
➂顧客が自社の商品やサービスに対して期待していることを把握することができる


これら3点を実現できることから、顧客満足度調査を行うことで企業に顧客に関する重要な情報を集め、既存の商品・サービスの改善に素早く活かすことが可能です。もし情報収集のスケール・ボリューム・実施回数が低いと、自社の商品やサービスに関する評価がわからず、企業は顧客への正確な向き合い方がわからなくなります。企業にとって最適な意思決定をするために情報収集は重要な要素といえます。

顧客満足度調査のデメリットは工数や時間がかかること

顧客満足度調査のデメリットは工数や時間がかかることです。顧客満足度調査を行うには、多くの人の手間がかかります。とくに企業が初めて行う場合や慣れていない人が行うと余計に工数や時間がさらにかかります。
更に顧客満足度調査には、いくつも工程があり最初から最後まで一気通貫で行うのは簡単ではありません。顧客満足度調査を行う前には費用対効果を十分に考えてから行うことをおすすめします。

顧客満足度調査の流れ

顧客満足度調査は一般的に次のような流れで行われます。
①調査目的を決める
➁調査対象者を決める
➂調査方法を決める
④調査項目を決める
⑤調査を実施する
⑥調査結果を収集する
⑦調査結果を分析する


上記の一連の流れで得た結果から顧客満足度を上げる施策を考え実施します。調査結果から次のアクションが取れるように、調査の精度や回答率がアップするように設計することを意識しましょう。

顧客満足度調査の質問項目

顧客満足度調査はマーケティング上の課題を解決するために実施しますが、何を明らかにすれば次のアクションを決められるのかという視点を持って質問項目を考えます。
調査結果がアクションを起こす際の判断材料になるようなアウトプットになるように意識をしましょう。
下記では、顧客満足度調査において最低でも聞いておきたい質問項目2つをご紹介致します。

比較対象を用意する

自社の満足度だけを聞いた場合、結果的に数値の良し悪しの判断ができないことがあります。良し悪しがわからないと次のアクションに繋げることが難しくなるため、競合などの比較対象となるものを設問内に含めましょう。自社以外の満足度を同時に聞いておくことで相対的な評価をすることができますので、比較する会社を入れることが可能な場合は聴取しましょう。
ただし、会社ごとに満足度●%以上などの基準値を設けている場合もありますので、比較対象を用意するのは必須条件ではありません。

満足度の要因を探る質問を入れる

満足度について「あなたは○○にどのくらい満足していますか。」という単純な質問だけでは次のアクションに繋げることが難しくなるため、もう少し深堀をする必要があります。
満足度は、総合満足度と要素別満足度に分解して考えましょう。要素別満足度とは、食品を例に挙げると「味・使い勝手・価格」などのことを指します。満足度には総合的な評価を構成する要素があるはずなので、要素別にも満足度を詳しく聞いておくと、改善点や今度の課題が明確になります。また、要素内で分散の大きさを確認し、分散が大きい(=回答にばらつきがある)箇所を見つけることができれば、その点を改善するといった意思決定に繋がることもあります。

顧客満足度調査の調査設計のコツ

対象と分析軸を決める

顧客満足度調査において多くの場合、「ビールを飲む人」や、「料理をする人」など、自社の顧客となり得る「カテゴリーユーザー」に調査対象者絞り込みます。
また、対象者を決める際に併せて分析軸も決めておくことをお勧めいたします。競合間の比較ができない場合でも、分析軸があることで満足度の評価をすることができるようになります。
ヘビーユーザーやライトユーザー別に満足度を比較したい場合は、利用頻度を設問内に含め、週1以上利用者はヘビーユーザーなど定義付けまでしておきましょう。

【分析軸例】
①性年代:20代男性、30代男性…60代男性、60代女性
②ユーザーレベル:ヘビーユーザー、ライトユーザーなどのカテゴリーに対する関与度
③時系列:昨年と今年、前回と今回
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顧客満足度の基準を把握する

顧客満足度調査を行う時に重要なポイントになるのが「顧客満足度の基準を把握する」ことです。顧客満足度の基準とは「顧客の期待値と現実とのギャップ」です。
一般的に顧客は商品やサービスを購入する直前に期待値がマックスにまで上がります。その後、実際に商品やサービスを使ってみることで顧客の気持ちは一気に現実に引き戻されるため実際に使ってみた後が重要です。
顧客の期待値をわずかでも超えていれば顧客満足度は高くなります。ところが逆にわずかでも低ければ顧客満足度は低くなります。「顧客の期待値と現実とのギャップ」という基準を把握して、コントロールできるようになることが顧客満足度調査を続ける意味です。

実態把握やカテゴリー重視点の設問を入れる

認知、利用経験などのマーケット浸透や、デモグラフィックなどの設問以外に、どのように使っているのか、どこで買っているのかなどの実態把握系の質問や、同じカテゴリーユーザーの中でも消費者によって重視している点は異なることから、カテゴリー重視点についても聞くことが多いです。入れるか迷った場合は入れておくと無難です。
また、NPS(推奨度)という顧客ロイヤリティに関わる指標についても設問に含めることが多くなっています。過去記事の「NPS®調査とは?業績に直結する注目の調査方法を分かりやすく解説!」にて詳細に解説しておりますので併せてご覧ください。
アンケート作成のポイントがわかる!

顧客満足度調査のテンプレート紹介

SCR.あなたの性別を教えて下さい。

□男性 □女性


SCR.あなたの年齢を教えて下さい。

□20代 □30代 □40代 □50代 □60代


SCR.あなたの居住地を教えて下さい。

□北海道~□沖縄県


SCR.あなたがビールを飲酒する頻度を教えて下さい。

□毎日 □週5~6日 □週3~4日 □週1~2日 □月に2,3日程度 □月に1日程度 □半年に1日程度 □年に1日程度 □それ以下


SCR.あなたがビールを選ぶときに重視している点を教えて下さい。

□価格 □のどごし □キレ味 □こく □香り □アルコール度数 □苦味 □銘柄 □その他


SCR.下記に提示するビールブランドについて知っているものを教えて下さい。

□ブランドA □ブランドB □ブランドC □ブランドD… □知っているブランドはない


SCR.下記に提示するビールブランドについて今までに購入したことがあるものを教えて下さい。

□ブランドA □ブランドB □ブランドC □ブランドD… □購入したことのあるブランドはない


SCR.下記に提示するビールブランドについて1年以内に購入したことがあるものを教えて下さい。

□ブランドA □ブランドB □ブランドC □ブランドD… □1年以内に購入したことのあるブランドはない


Q.下記に提示するビールブランドの総合的な満足度を教えて下さい。

□満足 □やや満足 □どちらでもない □やや不満 □不満


Q.下記に提示するビールブランドについて項目ごとの満足度を教えて下さい。

項目:□味 □香り □値段 □のどごし
選択肢:満足 □やや満足 □どちらでもない □やや不満 □不満


Q.あなたはビールブランドを友人や家族に薦めたいと思いますか。

□0点 □1点 □2点 □3点 □4点 □5点 □6点 □7点 □8点 □9点 □10点


Q.あなたは下記に提示するビールブランドを今後も購入しますか。

項目:□ブランドA □ブランドB □ブランドC
選択肢:満足 □やや満足 □どちらでもない □やや不満 □不満

顧客満足度調査の集計・分析方法

設計時に分析軸を決めておくと良いと前述しましたが、「どのような属性の顧客がどういった評価をしているのか」を知りたい場合は、クロス集計で確認することが出来ます。
また、総合満足度と要素別満足度の関係を重回帰分析でモデル化したり、カテゴリー重視点において人を分類するためにクラスター分析をするなどが考えられます。
分析手法によって、調査票作成時にどんな聞き方(5段階評価にするのか7段階評価にするのかなど)をするのかが変わるため事前に決めておきましょう。
顧客満足度調査の活用方法

顧客満足度調査の活用方法

市場における自社と競合のポジションを比較

自社のプロダクトやサービスの満足度を調査し、競合の評価と掛け合わせることで、自社が市場の中でどのようなポジションに位置し、どのような評価を受けているかなどを把握することができます。
集計時にはそれぞれの項目を競合と比較することによって、今後伸ばすべきところや、改善するべきところなどを客観的に把握し、改善点の優先順位を付けるなどして有効に活用しましょう。

満足度を高めるための要因を明らかにする

自社のプロダクトやサービスの特徴を細分化させた項目に分けてヒアリングすることで、全体的な満足度に貢献する項目はどのような項目になっているのかを特定することが出来るようになります。
このようにして見えてきた満足度を高めることに貢献する項目に注力してマイナーチェンジを行うことにより、より顧客から愛されるプロダクトやサービスを創出することも期待できるでしょう。

満足しているユーザの特徴を明らかにする

満足度調査を行う際に調査対象となった顧客のデモグラフィックを収集しておくことで、プロダクトやサービスのファンとなっている層はどのあたりになるのかといったことが判明するようになります。よりファン層に刺さるサービスや特長は何なのかを特定し、顧客が離反しづらいビジネスを展開する際のヒントを得ることが出来るでしょう。
また、プロダクトやサービスの特長となる項目を細分化して調査することで、ファンとなる層は何を評価し、どこで満足度が高いのか詳細についても特定出来ます。デモグラフィックと要素間満足度などを掛け合わせることでさらに深堀した分析も可能になりますので、自社プロダクトについて深く知りましょう。

定期的に調査を行う

顧客満足度調査は以下の5つの観点から定期的に調査を行うことをおすすめします。
①顧客満足度の推移を把握する
➁顧客ニーズの変動を把握する
➂商品やサービスの問題点・改善点を把握する
④商品やサービスに対する社員の向き合い方が真剣になる
⑤顧客ロイヤリティが高まり企業への信頼感・愛着に寄与する


顧客満足度調査は一度きりやたまにやっても効果はありません。定期的に行い、顧客満足度の推移を観測し続けることが重要です。

まとめ

自社の商材を成長させるためには、マーケティング上の課題に向き合い常にアップデートをしていくことが必要になります。顧客満足度はマーケティング上重要な指標になりますので、定期的に調査をすることで自社のポジションやターゲット、ニーズなどの実態についても把握しておきましょう。
また、リサーチが初めての場合でも、調査を重ねるごとに新しい発見や課題が出てくるでしょう。
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