目次
アンケート調査とは
アンケート調査票の作成方法
STEP1:目的を明確にする
STEP2:調査の手法と回答者を明確にする
STEP3:質問項目と回答形式を決める
『最近人気の化粧品ブランドAの成功要因は、現代の若者にマッチした訴求力があるからではないか』
Q.あなたがこのブランドを知ったきっかけを教えて下さい。
□テレビCM、□店頭、□SNS、□Youtube、□口コミサイト、□知人からの紹介、□その他、□覚えていない、□このブランドを知らない
Q.このブランドの好きなところを全てお選び下さい。
□コンセプト、□ネーミング、□イメージ、□知名度、□信頼できる、□価格帯、□効果、□品質、□話題になっている、□好きな・信頼できる人が使っている、□その他
Q.あなたがブランドに求めるものとして当てはまるものを全てお選び下さい。
※化粧品ブランドAに関わらず、化粧品ブランドを購入するとき全体でお考え下さい
□コンセプト、□ネーミング、□イメージ、□知名度、□信頼できる、□価格帯、□効果、□品質、□話題になっている、□好きな・信頼できる人が使っている、□その他
設問例②
『酒類業界において○○のマイナス成長要因は、昨今の健康ブームの影響があるからではないか』
Q.あなたが普段飲む飲料を教えて下さい。
□水、□お茶、□清涼飲料水(ジュース等)、□乳製品飲料、□アルコール飲料、□その他
Q.あなたが普段飲む飲料の飲用頻度を教えて下さい。
□ほぼ毎日、□週3~5日、□週1~2日、□月2~3日、□月1日、□それ以下の頻度、□ほとんど飲まない
Q.健康上で気にしていることを教えて下さい。
□肩こり・腰痛、□胃腸、□便秘、□太りすぎ、□体脂肪率が高い、□むくみ、□中性脂質値が高い、□コレステロール値が高い、□血糖値が高い、□高血圧、□疲労・疲れやすい、□肌荒れ、□その他
Q.あなたが○○を飲用している理由を教えて下さい。
□おいしい、□本格的な味、□ほかの商品より健康的である、□家族が好むから、□価格が手頃、□お店でよく見かけるから、□その他
Q.昨年(○年)と比べて○○を飲む回数が減ったと感じますか。
□増えた、□変わらない、□減った
Q.○○を飲む回数が減った理由は何ですか。
□他の商品を飲むようになった、□健康の為○○自体を控えるようになった、□その他
設問例③
『新商品Aの売れ行きが怪しいのはパッケージのインパクトがないからではないか』
Q.(Aを提示)この商品について、購入度合いを教えて下さい。
□とても購入したい、□まあ購入したい、□あまり購入したくない、□まったく購入したくない、□どちらでもない
Q.(Bを提示)この商品について、購入度合いを教えて下さい。
□とても購入したい、□まあ購入したい、□あまり購入したくない、□まったく購入したくない、□どちらでもない
Q.(AとBを提示)2つの商品が並んでいるときどちらを購入したいと思いますか。
□商品A、□商品B
Q.Aを購入したくない理由をお書きください。
「自由回答欄」
・単一回答(シングルアンサー、SA)
1つしか選択できない形式
・複数回答(マルチアンサー、MA)
複数選択できる形式
・自由回答(フリーアンサー、FA)
回答者に記入してもらう形式
・マトリクス型回答
複数の聴取項目に対して同じ選択肢が設けられている形式
また、選択肢を準備するときは選択肢中に選ぶものがないという事態を避けましょう。ここで選択肢に関するポイントもいくつか紹介します。
【選択肢準備】
・代表的な選択肢は必ず用意する
・全員が回答できるようにする(「その他」や「あてはまるものはない」等の選択肢を用意する)
・人によって解釈に差が出る表現をしない
・選択肢が多くなりすぎるのを避ける
選択肢を用意するときも、設問文と同じく回答負担がないように作ることが大切です。できるだけシンプルに、わかりやすく作ることを心がけましょう。
STEP4:設問の言葉遣いを決める
主語がない、ある業界でしか使われていない単語を使う、過度な敬語表現をする等は気を付けないと作成している本人は気づかないことも多いです。誰が読んでも同じ理解になるように意識しながら作成しましょう。
STEP5:設問の順番を決める
【基本的な設問順序】
・過去→現在→未来
・簡単な質問→複雑な質問
・純粋想起→助成想起
「純粋想起」、「助成想起」というあまり聞きなれない言葉を使いましたので補足をすると、「純粋想起」とは、選択肢やロゴ等のヒントなしで、記入欄のみを設置し何も情報を与えていない状態で回答者の声を聴く形式です。「助成想起」とは選択肢やロゴ等のヒントを提示して選択してもらうような何か手がかりがある中で回答する形式の設問です。この設問順を逆にすると、既に見た選択肢の中から記入欄に回答されることが多くなることが予想され、純粋に思いついた回答を聴取することができなくなります。このように質問の順序が結果に影響を与えることがあるため、配慮が必要です。
STEP6:テストを実施
設問作成時の良い例・悪い例
これから設問作成時の注意点として、設問文の良い例と悪い例をそれぞれ比較しながら解説します。
誤解のないように質問する
→対象者は誰なのかを明確にしましょう。
(✕)○○をどのくらいの頻度で購入していますか。
↓
(〇)あなたは○○をどのくらいの頻度で購入していますか。
(〇)あなたの家庭では○○をどのくらいの頻度で購入していますか。
前提を揃える
→作成者と回答者の前提は異なります。曖昧は表現は避け、明確に記載しましょう。
(✕)あなたは最近○○を購入しましたか。
↓
(〇)あなたはこの半年間で○○を購入しましたか。
大事な部分は太字、色文字、下線等の文字装飾で強調する
→単調に書くと大事な箇所が読み飛ばされる可能性もあります。特に見て欲しいところは強調しましょう。
(✕)あなたのお子様は何歳ですか。複数いる場合は末子の年齢をお答えください。
↓
(〇)あなたのお子様は何歳ですか。複数いる場合は末子の年齢をお答えください。
回答者にわかりやすく質問する
→一般の生活者にわかる表現が大前提ですが、言い換えが難しい場合は注釈を添えましょう。
(✕)新サービス○○がローンチされることに対して期待することを教えて下さい。
↓
(〇)新サービス○○が開始されることに対して期待することを教えて下さい。
過度な敬語を使用しない
→設問文自体が長くなり、くどい印象を受けてしまいます。
(✕)~回答いただけますと幸いです。
↓
(〇)~回答してください。
その他の注意点
→回答内容が偏る可能性が高くなります。
(✕)自分の健康やスキルアップのために幅広い世代で注目を集めている「朝活」についてあなたはどのようなイメージがありますか。
↓
(〇)「朝活」についてあなたはどのようなイメージがありますか。
1つの設問に2つの質問内容をいれない
→Aについては□□だが、Bは△△と回答したい場合、聴取内容に対する本当の結果は得られません。
(✕)あなたが利用している○○についての価格や使いやすさについてどの程度満足していますか。
↓
(〇)あなたが利用している○○の価格についてどの程度満足していますか。
(〇)あなたが利用している○○の使いやすさについてどの程度満足していますか。
アンケート調査票の例(テンプレート)5選
顧客満足度のアンケート
【聴取項目】
・商品やサービスの認知経路
・商品やサービスの満足度
・満足度の理由
・今後の利用意向
・回答者の属性情報(性別・年齢・職業等)
属性情報については、ニーズ把握やターゲッティングに利用できますので、聴取しておきましょう。また、他にも分析したい軸があれば設問内に盛り込むことをお勧めします。
以下リンク先にて、テンプレート例も掲載しながら詳しく解説しております。
イベント来場者のアンケート
【聴取項目】
・イベントの認知経路
・イベントの満足度
・満足度の理由
・イベントに対する不満点
・今後の参加意向
・その他意見・要望
・参加者の属性情報(性別・年齢・職業等)
理由や不満点は自由記述式にして、詳細まで聴取をするようにしましょう。また、属性情報をとることで、今後の集客層やイベント内容に活用することができます。運営側では気づかない参加者の生の声を聴くチャンスなので、次回開催時の参考になるアンケートを取りましょう。
以下リンク先にて、テンプレート例も掲載しながら詳しく解説しております。
従業員満足度のアンケート
【聴取項目】
・仕事内容について(やりがい・成長性・目標)
・職場の処遇(待遇・評価制度・福利厚生)
・職場の組織風土(風通し・コミュニケーション・自主性尊重)
・上司について(正当な評価・教育)
・その他意見・要望
人事施策の際の有益な材料にもなり得るため、従業員の本音を聞き出せるようにアンケートを作成することも重要です。個人が特定されない形(部署や役職までで留める)で実施することをお勧めします。
以下リンク先にて、テンプレート例も掲載しながら詳しく解説しております。
コンセプト受容性のアンケート
【聴取事項】
・コンセプトAに対する評価
・コンセプトBに対する評価
・コンセプトAとBの比較
・回答者の属性情報(性別・年齢・職業等)
調査をする場合は事前にいくつかのコンセプトを用意し、アンケート内に提示し評価をしてもらいます。注意点はバイアス(先入観)を与えないように回答してもらうことです。コンセプトを複数見せると、最初に見せたコンセプトが良い評価を得る傾向があります。そのため、コンセプトAを初めに見せるグループとコンセプトBを初めに見せるグループに分けてアンケートを取るようにしましょう。
以下リンク先にて、テンプレート例も掲載しながら詳しく解説しております。
ブランド認知度のアンケート
【聴取事項】
・○○カテゴリ内での認知商品(記述式)
・○○カテゴリ内での認知商品(選択肢式)
・知ったきっかけ
・購入経験
・直近1年以内購入経験
・今後の購入意向
・回答者の属性情報(性別・年齢・職業等)
また市場の動向は日々変化するので、認知度調査は一度だけで終わらせずに、定期的に実施することで推移を確認しましょう。その都度状況に合わせた戦略をとることができれば成果が得られるはずです。
以下リンク先にて、テンプレート例も掲載しながら詳しく解説しております。
まとめ
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