目次
リサーチ業界ではデモグラフィックス(Demographics)という言葉をひんぱんに使います。「デモグラフィック属性」とか、「デモグラ」と略されて使われることもあります。
デモグラフィックスの意味
デモグラフィックスとは、年齢、性別、家族構成、所得、職業、学歴、居住地域などの、「人口統計学的属性」のデータのことをいいます。
人口統計学などというと難しそうですが、「デモ」は「アリストクラシー(貴族制)」に対する「デモクラシー(民主制)」の「デモ」なので、「人々」という意味、「グラフィックス」はgraph=描くからきているので、人々を描いたものというような意味合いです。
要は、「人々の基本属性」「人々の基本的な分類」のことをデモグラフィックスといいます。
デモグラフィックス=年齢、性別・・・などの項目のことを、「フェイスシート」ということもあります。
これは、昔、デモグラフィック項目は、アンケートの1ページ目(表紙)に置かれることが多かったので「フェイスシート」と呼ぶようになったものです。
現在は、対象者条件の確認(スクリーニング)に使う以外では、デモグラフィックスはアンケートの最後に置かれることが多いです。というのは、後でもふれますが、デモグラフィックスというのは、回答者にとって答えるのに抵抗感があることが多いからです。
そこで、最初にいきなり年齢とか職業とかを聞いたりして、アンケート全体を拒否されてしまう、ということを避けるために、デモグラフィックスは最後に置かれるようになりました。
たいてい、デモグラフィックスを質問する前に、「最後にあなたご自身のことについてお聞きします。これらは統計的な分析のためにお聞きするもので、あなたご自身を特定したりするためのものではありません」などといったエクスキューズを入れたりします。要は、基本属性別に分けて結果を分析したいためにこの質問が必要なのだ、そこで、失礼ながら回答に協力してください、と言っているわけです。
では、なぜデモグラフィックス=基本属性別に分けて結果を分析したいのか、というと、例えばマーケティングリサーチでは、しばしば次のような問いをたてます。
「この商品・サービスを買ってくれる人/必要な人はどんな人たちか?」
このような問いに、アンケート結果を分析して答えるわけですが、「どんな人たちか」を説明するための要素、その人の特徴を示す、「ものの考え方」とか「どんな生活をしているか」などは、無限に考えられます。
「何時に起きる」だとか、「昼間家にいるか」だとか、「どんな男女観」を持っているだとか、「子供のころどんなテレビを見ていた」だとか・・・。これら全てをアンケートに入れることは不可能ですが、性別や世代、居住地域や職業などを知ることによって、ある程度はイメージできるようになります。
ステレオタイプといえばステレオタイプなのですが、デモグラフィックスには、様々な生活上の態度や行動の傾向が集約されていて、かつそのことが分析者やデータの利用者に共有されている、といえます。
つまり、デモグラフィックスとは、「どんな人たちか」を理解するのに役立つ豊富な情報量を持っている項目だということです。もちろん、デモグラフィックスだけで商品/サービスのターゲットは絞りきれないとなれば、心理的属性や行動上の属性をアンケートに加えていくことになります。
さらに、商品/サービスのターゲットが明らかになれば、その人たちにコンタクトする必要が出てくるわけですが、このときにもデモグラフィックスが重要になります。
どの店に商品を置いたらいいか、どんなメディアに広告を出したら良いか、等を決める時に、その店やメディアの特徴として把握されているのは利用者のデモグラフィックスです。「20代がよく読んでいる雑誌」だとか、「高年収層が利用しているお店」だとか。
したがって、デモグラフィックスはターゲットを規定するだけでなく、そのターゲットにコンタクトするチャネルを決めるためのキーとなる情報として活用する、という重要性を持っています。
「デモグラフィックス」のアンケートにおける重要性、意味については以上ですが、このほか、デモグラフィックス聴取の難しさについて、稿を改めて説明したいと思います。
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人口統計学などというと難しそうですが、「デモ」は「アリストクラシー(貴族制)」に対する「デモクラシー(民主制)」の「デモ」なので、「人々」という意味、「グラフィックス」はgraph=描くからきているので、人々を描いたものというような意味合いです。
要は、「人々の基本属性」「人々の基本的な分類」のことをデモグラフィックスといいます。
デモグラフィックス=年齢、性別・・・などの項目のことを、「フェイスシート」ということもあります。
これは、昔、デモグラフィック項目は、アンケートの1ページ目(表紙)に置かれることが多かったので「フェイスシート」と呼ぶようになったものです。
現在は、対象者条件の確認(スクリーニング)に使う以外では、デモグラフィックスはアンケートの最後に置かれることが多いです。というのは、後でもふれますが、デモグラフィックスというのは、回答者にとって答えるのに抵抗感があることが多いからです。
そこで、最初にいきなり年齢とか職業とかを聞いたりして、アンケート全体を拒否されてしまう、ということを避けるために、デモグラフィックスは最後に置かれるようになりました。
たいてい、デモグラフィックスを質問する前に、「最後にあなたご自身のことについてお聞きします。これらは統計的な分析のためにお聞きするもので、あなたご自身を特定したりするためのものではありません」などといったエクスキューズを入れたりします。要は、基本属性別に分けて結果を分析したいためにこの質問が必要なのだ、そこで、失礼ながら回答に協力してください、と言っているわけです。
では、なぜデモグラフィックス=基本属性別に分けて結果を分析したいのか、というと、例えばマーケティングリサーチでは、しばしば次のような問いをたてます。
「この商品・サービスを買ってくれる人/必要な人はどんな人たちか?」
このような問いに、アンケート結果を分析して答えるわけですが、「どんな人たちか」を説明するための要素、その人の特徴を示す、「ものの考え方」とか「どんな生活をしているか」などは、無限に考えられます。
「何時に起きる」だとか、「昼間家にいるか」だとか、「どんな男女観」を持っているだとか、「子供のころどんなテレビを見ていた」だとか・・・。これら全てをアンケートに入れることは不可能ですが、性別や世代、居住地域や職業などを知ることによって、ある程度はイメージできるようになります。
ステレオタイプといえばステレオタイプなのですが、デモグラフィックスには、様々な生活上の態度や行動の傾向が集約されていて、かつそのことが分析者やデータの利用者に共有されている、といえます。
つまり、デモグラフィックスとは、「どんな人たちか」を理解するのに役立つ豊富な情報量を持っている項目だということです。もちろん、デモグラフィックスだけで商品/サービスのターゲットは絞りきれないとなれば、心理的属性や行動上の属性をアンケートに加えていくことになります。
さらに、商品/サービスのターゲットが明らかになれば、その人たちにコンタクトする必要が出てくるわけですが、このときにもデモグラフィックスが重要になります。
どの店に商品を置いたらいいか、どんなメディアに広告を出したら良いか、等を決める時に、その店やメディアの特徴として把握されているのは利用者のデモグラフィックスです。「20代がよく読んでいる雑誌」だとか、「高年収層が利用しているお店」だとか。
したがって、デモグラフィックスはターゲットを規定するだけでなく、そのターゲットにコンタクトするチャネルを決めるためのキーとなる情報として活用する、という重要性を持っています。
「デモグラフィックス」のアンケートにおける重要性、意味については以上ですが、このほか、デモグラフィックス聴取の難しさについて、稿を改めて説明したいと思います。
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