「マーケットリサーチ」と「マーケティングリサーチ」の違い

30 2024.01

マーケティングリサーチ用語集

「マーケットリサーチ」と「マーケティングリサーチ」の違い

「マーケットリサーチ」と「マーケティングリサーチ」について

「マーケットリサーチ」と「マーケティングリサーチ」という言葉がありまして、この2つの違いについては、たくさんの議論があります。どちらも、日本語に訳してしまえば市場調査で、それは嫌だと感じる人は後者を訳さないか「マーケティング調査」と言っていると思います。

試しに、「マーケットリサーチ マーケティングリサーチ 違い」とか「Marketing Research Difference」とかでググってみてみると、微妙に、あるいは大きく違う説がたくさん検索されて出てきます。

で、実際のところどうなのか。拍子抜けな答えで恐縮ですが、間違いないところを言うと、その意味の違いというのは「言葉が使われる文脈や使う人による」ということです。

「マーケットリサーチ」と「マーケティングリサーチ」について、特に違いのない同一のこととして使う人もいます(私はこのタイプです)。

少し知っている人は、販売個数、普及率、シェアなどを調べるのが「マーケットリサーチ」、新商品案のテストやフォーカス・グループ・インタビュー等が「マーケティング・リサーチ」だというようなイメージを持つのではないかと思います。

検索すると出てくるたくさんの説はたいていこのイメージの方向性に沿っているものが多く、理屈の付け方によってバリエーションがある、という感じです。これらの説の中には、「マーケットリサーチ」は「マーケティングリサーチ」に含まれる一部だ、と考えるものもあります。

ところが、ESOMAR(European Society for Opinion and Marketing Research、ヨーロッパ世論・市場調査協会)という世界最大のリサーチ業界団体の、Market Researchの定義は以下の通りです。

「マーケットリサーチは、社会調査や世論調査も含め、インサイトを得たり意思決定をするために、社会科学の統計手法や分析方法を使用して、個人または組織に関する情報を体系的に収集し解釈することです。」

これだと「マーケットリサーチ」はいわゆる「マーケティングリサーチ」を含むとても広い概念といえますね。また、特に方法論もなくお店に行ってどんな商品が今売ってるのかな~などと観察する程度だと、「マーケットリサーチ」とは言いにくいのかもしれません。

現在の日本語だと、「リサーチ」という言葉が近いイメージだと思いますが、英語でresearchだとあまりに意味が広すぎるという感じかもしれません。上記のESOMARの定義の意味で「マーケットリサーチ」というとき、「MR」ということもあるようです(業界お得意のAbbreviation /Acronymです)。

結局のところ、実務上「マーケットリサーチ/市場調査」と「マーケティングリサーチ」を使い分けている人と対話するときは、文脈からその人の言葉の使い方を判断する、ということになります。ちょっと面倒ですが、こういうことは日常の生活や仕事の上では仕方ないことです。

例えば、「ライフステージ」というリサーチ結果の分析用変数としてよく使う言葉があり、簡単に言えば「ある程度共通した人生上の段階による、人の分類」という意味になります。

この「ライフステージ」という言葉がリサーチの現場で出てきたとき、具体的には、単に「性・年代」のことを言っているのか、「婚姻状況と末子の成長段階」のことを言っているのか、これらに加えて「就業状況や離別、親元への依存状況、親の介護なども組み合わせた変数」のことを言っているのか、あるいは特に具体的に指示することはなく漠然と言っているだけか、ということを文脈から判断する必要があるわけです。

ここでの文脈とは、その人が言っていることだけではなく、手元にあるデータや調査票の内容、取り扱っているテーマがライフステージ/ライフコースの現代における多様性にどの程度関係するか、というような調査目的に関する知識も関わってきます。


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