目次

セルフリサーチの定着が一段と進んだ2025年。サービス数・プレイヤー数の拡大に加え、活用シーンがこれまで以上に実践へと近づきました。
目まぐるしい業界の変化を捉えるべく、プロダクトフォースとマーケティングアプリケーションズは2024年より共同で情報発信を続けてきました。2025年8月に公開した「セルフリサーチサービスカオスマップ 2025年版」では、掲載サービスが2024年版から37から45へ増加。特にAIを軸とした新カテゴリの誕生は、市場の進化を象徴する出来事となりました。
本記事では、セルフリサーチの潮流を支える両社の代表が、2025年の市場をどう読み解き、どんな未来を見据えているのか。AI 時代のセルフリサーチのあり方と、2026年に向けた展望を、対談形式でお伝えします。
※本体談は2025年12月8日に実施されました
目まぐるしい業界の変化を捉えるべく、プロダクトフォースとマーケティングアプリケーションズは2024年より共同で情報発信を続けてきました。2025年8月に公開した「セルフリサーチサービスカオスマップ 2025年版」では、掲載サービスが2024年版から37から45へ増加。特にAIを軸とした新カテゴリの誕生は、市場の進化を象徴する出来事となりました。
本記事では、セルフリサーチの潮流を支える両社の代表が、2025年の市場をどう読み解き、どんな未来を見据えているのか。AI 時代のセルフリサーチのあり方と、2026年に向けた展望を、対談形式でお伝えします。
※本体談は2025年12月8日に実施されました
株式会社プロダクトフォース 代表取締役 浜岡 宏樹
新卒で株式会社LIFULLに勤務。法人営業に従事し年間トップセールスを受賞後、 社長補佐として複数のプロジェクトマネジメントを経験。
社内新規事業としてインタビュープラットフォーム「ユニーリサーチ」を起案した後、 2023年に創業した株式会社プロダクトフォースに同事業をスピンアウト。 代表取締役に就任。
株式会社マーケティングアプリケーションズ 代表取締役 竹中 司
2019年にマーケティングアプリケーションズに入社。
主力製品であるリサーチプラットフォーム事業の「forSurvey」、「Surveroid」において セールス、マーケティング、カスタマーサクセス等のマネジメントを歴任。
カーブアウトにより事業が会社として独立した2022年に取締役に就任、 2023年3月より代表取締役に。
2025年のセルフリサーチ市場を振り返る

-浜岡
さっそくですが、2025年のセルフリサーチ市場全体を振り返ってみたいと思います。
日本マーケティング・リサーチ協会の統計を見ると、前年比110%(※1)と今年も堅調に成長していますね。昨年の125%と比べると成長率は落ち着いたものの、市場が“定着フェーズ”へ移った印象です。
※1【セルフリサーチサービスの成長率】:日本マーケティング・リサーチ協会 第50回経営業務実態調査、セルフサービスプラットフォームの売上高を参考
また、私たちが共同で作成した「セルフリサーチサービスカオスマップ」でも、2024年版の37サービスから、2025年版では45サービスまで増えました。
さっそくですが、2025年のセルフリサーチ市場全体を振り返ってみたいと思います。
日本マーケティング・リサーチ協会の統計を見ると、前年比110%(※1)と今年も堅調に成長していますね。昨年の125%と比べると成長率は落ち着いたものの、市場が“定着フェーズ”へ移った印象です。
※1【セルフリサーチサービスの成長率】:日本マーケティング・リサーチ協会 第50回経営業務実態調査、セルフサービスプラットフォームの売上高を参考
また、私たちが共同で作成した「セルフリサーチサービスカオスマップ」でも、2024年版の37サービスから、2025年版では45サービスまで増えました。

-竹中
プレイヤーが本当に増えましたよね。浜岡さんは、特にどこに注目していますか?
-浜岡
やはり「インタビュー型」プレイヤーの増加ですね。
大企業の新規参入も話題になりました。大企業の参入は、市場が発展してきたサインでもあると思っています。私たちはいわゆる市場創出側の立場でしたが、ここ1〜2年で「投資すべき市場だ」と判断されたのは大きいですよね。
-竹中
ユーザー側にとって、選択肢が増えるのは間違いなくポジティブです。「もっと早く安くやりたい時はここ」「データ量が必要ならここ」といった使い分けができるようになったのは、よい流れだと思います。
-浜岡
「Surveroid」でも、2025年からオンラインインタビューサービスを始められましたよね。開発にはどんな背景があったのでしょうか?
プレイヤーが本当に増えましたよね。浜岡さんは、特にどこに注目していますか?
-浜岡
やはり「インタビュー型」プレイヤーの増加ですね。
大企業の新規参入も話題になりました。大企業の参入は、市場が発展してきたサインでもあると思っています。私たちはいわゆる市場創出側の立場でしたが、ここ1〜2年で「投資すべき市場だ」と判断されたのは大きいですよね。
-竹中
ユーザー側にとって、選択肢が増えるのは間違いなくポジティブです。「もっと早く安くやりたい時はここ」「データ量が必要ならここ」といった使い分けができるようになったのは、よい流れだと思います。
-浜岡
「Surveroid」でも、2025年からオンラインインタビューサービスを始められましたよね。開発にはどんな背景があったのでしょうか?

-竹中
「Surveroid」では、以前から機能拡張を検討していたのですが、当初は“定性調査をセルフで実施する”というイメージがなかなか持てませんでした。多くのお客様にとって定性はプロの領域という意識が根強く、臨機応変な対応や会話の深掘りには専門スキルが必要だと考えられていました。
しかし、コロナ禍を機にオンラインインタビューが一般化し、ユニーリサーチのような「安く・早く」実施できるツールが登場したことで、状況が一気に変わりました。「簡単なインタビューなら自分たちでもできる」という新しい常識が生まれ、市場が大きく動いた瞬間でしたね。
N1分析の重要性が高まっていることも背景にあります。“一人ひとりの生活者にしっかり耳を傾ける”という姿勢が求められ、自分たち自身で聞くことの価値は、改めて注目されていると感じます。
-浜岡
ありがとうございます。2025年のカオスマップを振り返って、竹中さんが注目しているポイントは他にありますか?
-竹中
「〇〇×リサーチ」という掛け算型のサービスが増えましたね。視線計測を組み合わせた「エモミルリサーチ」など、シンプルにインタビューの回答を得るだけではない、新しい手法は今後もっと増えるのではないかと思っています。
-浜岡
AIチャット型のサービスの登場も目立ちます。ただ、普及しているかというと、「今後に期待」の段階でしょうか。
-竹中
AIが“聞き手”になるのか、“回答者”になるのかでも状況は変わってきますよね。
–浜岡
そうですね。AIが人に代わって質問することで、聞き手側のリテラシーに左右されず情報を取れる点は大きな魅力です。
しかし現状では、回答者の体験が変わることで「これまで取得できなかった情報が取れる」というフェーズには、まだもう一歩だと思います。
本当にインパクトが大きくなるのは、回答者側の体験が変わった時。モニター離れなど業界が直面する課題にも向き合いながら、AIによって回答体験そのものをどう進化させるかが、今後の大きなテーマだと考えています。
「Surveroid」では、以前から機能拡張を検討していたのですが、当初は“定性調査をセルフで実施する”というイメージがなかなか持てませんでした。多くのお客様にとって定性はプロの領域という意識が根強く、臨機応変な対応や会話の深掘りには専門スキルが必要だと考えられていました。
しかし、コロナ禍を機にオンラインインタビューが一般化し、ユニーリサーチのような「安く・早く」実施できるツールが登場したことで、状況が一気に変わりました。「簡単なインタビューなら自分たちでもできる」という新しい常識が生まれ、市場が大きく動いた瞬間でしたね。
N1分析の重要性が高まっていることも背景にあります。“一人ひとりの生活者にしっかり耳を傾ける”という姿勢が求められ、自分たち自身で聞くことの価値は、改めて注目されていると感じます。
-浜岡
ありがとうございます。2025年のカオスマップを振り返って、竹中さんが注目しているポイントは他にありますか?
-竹中
「〇〇×リサーチ」という掛け算型のサービスが増えましたね。視線計測を組み合わせた「エモミルリサーチ」など、シンプルにインタビューの回答を得るだけではない、新しい手法は今後もっと増えるのではないかと思っています。
-浜岡
AIチャット型のサービスの登場も目立ちます。ただ、普及しているかというと、「今後に期待」の段階でしょうか。
-竹中
AIが“聞き手”になるのか、“回答者”になるのかでも状況は変わってきますよね。
–浜岡
そうですね。AIが人に代わって質問することで、聞き手側のリテラシーに左右されず情報を取れる点は大きな魅力です。
しかし現状では、回答者の体験が変わることで「これまで取得できなかった情報が取れる」というフェーズには、まだもう一歩だと思います。
本当にインパクトが大きくなるのは、回答者側の体験が変わった時。モニター離れなど業界が直面する課題にも向き合いながら、AIによって回答体験そのものをどう進化させるかが、今後の大きなテーマだと考えています。
プロダクトフォース&マーケティングアプリケーションズ、2025年の取組み
-竹中
ここからは、両社の2025年の取り組みについて伺っていきたいと思います。まず、プロダクトフォースさんは今年どんな点に注力されてきましたか?
-浜岡
当社では、大企業様にご利用いただく機会が増えたことで、それに対応できる「信頼性の担保」に注力してきました。
-竹中
具体的には、どんな取り組みでしょう?
-浜岡
最近の取り組みとしては、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)の認証取得や「MFA認証(多要素認証)」があります。また、自社独自のビデオ通話サービスとして「ユニービデオ通話」を新たに開発しました。
「ユニービデオ通話」では、録画データを当社サーバーで安全に保持します。大企業のお客様は個人情報の扱いに非常に慎重で、「録画データを自社環境に保持したくない」というニーズが多くあります。そこで、お客様側にはデータを残さず、「ユニーリサーチ」上でストリーミング閲覧ができる仕組みを構築しました。
-竹中
なるほど。セキュリティと信頼性がより重要になってきているわけですね。
-浜岡
はい。そして、回答品質の担保も重要なテーマでした。アンケートのフリーアンサーについては、納品に適さない不適切回答をAIで自動クリーニングしています。97.2%の不適切回答の除外に成功するなど、大きな成果が出ています。「セルフだから品質が低い」では許されません。市場の成熟とともに、お客様の期待値も確実に上がっていますね。
-竹中
ご利用のお客様の業種や、扱われるテーマにも変化はありますか?
-浜岡
当初は大企業の新規事業開発部やスタートアップの企業様やUXリサーチでのご利用が多かったのですが、メーカーや広告代理店のお客様など、マーケティングリサーチ領域でご利用いただける機会が増えました。
本格的に定量調査にも進出したことも大きいのですが、アンケートの操作性、割付設定、回答分岐など、ニーズにキャッチアップして機能を拡張したことで、お客様層もさらに広がってきていると思います。
マーケティングアプリケーションズさんの2025年の取り組みについても、ぜひ教えてください。
-竹中
今年は、新規事業としてラウンダー調査(店頭の棚割りの可視化)やミステリーショッパーなどの店舗訪問型の調査に取り組み始めました。
-浜岡
詳しく聞かせてください。
-竹中
メーカー企業にとって、店頭の展開状況は売上に直結する非常に重要な要素です。ただ、アンケートやインタビューだけでは実態がつかみにくく、どうしても“ブラックボックス化”しがちでした。
そこで、売り場の様子をより正確に把握するため、日本全国10万人のアプリ会員の方々に、“スキマバイト感覚”で棚の状態や実際に購入した商品の画像を送っていただける仕組みを作りました。
-浜岡
会員の方にとっては、日常のお買い物の“ついで”に対応できるわけですね。
-竹中
そうですね。1枚20〜50円で投稿してもらえる仕組みなので、タイパがいい。アプリ会員には報酬が入り、メーカー企業には必要なデータが届くという、両方にメリットのある構造です。GPS情報を紐づけ、店舗に近づかないと投稿できない仕組みにしているので、データの信頼性も高いです。
-浜岡
鮮度のあるデータが取れますね。
-竹中
そうですね。メーカーにとって店舗の陳列状況は本当に重要ですが、現場では同じブランドでも店舗によって陳列が大きく異なります。自社商品が実際にどう並べられているのかを把握できるメーカーは多くなく、長く“情報の非対称性”が生まれていました。
小売店の現場で何が起きているのか、営業の働きかけの効果やクリエイティブの効果などがデータで見えるようになれば、店舗陳列をより科学的に捉え、マーケティングや営業活動を一段前へ進められると感じています。
ここからは、両社の2025年の取り組みについて伺っていきたいと思います。まず、プロダクトフォースさんは今年どんな点に注力されてきましたか?
-浜岡
当社では、大企業様にご利用いただく機会が増えたことで、それに対応できる「信頼性の担保」に注力してきました。
-竹中
具体的には、どんな取り組みでしょう?
-浜岡
最近の取り組みとしては、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)の認証取得や「MFA認証(多要素認証)」があります。また、自社独自のビデオ通話サービスとして「ユニービデオ通話」を新たに開発しました。
「ユニービデオ通話」では、録画データを当社サーバーで安全に保持します。大企業のお客様は個人情報の扱いに非常に慎重で、「録画データを自社環境に保持したくない」というニーズが多くあります。そこで、お客様側にはデータを残さず、「ユニーリサーチ」上でストリーミング閲覧ができる仕組みを構築しました。
-竹中
なるほど。セキュリティと信頼性がより重要になってきているわけですね。
-浜岡
はい。そして、回答品質の担保も重要なテーマでした。アンケートのフリーアンサーについては、納品に適さない不適切回答をAIで自動クリーニングしています。97.2%の不適切回答の除外に成功するなど、大きな成果が出ています。「セルフだから品質が低い」では許されません。市場の成熟とともに、お客様の期待値も確実に上がっていますね。
-竹中
ご利用のお客様の業種や、扱われるテーマにも変化はありますか?
-浜岡
当初は大企業の新規事業開発部やスタートアップの企業様やUXリサーチでのご利用が多かったのですが、メーカーや広告代理店のお客様など、マーケティングリサーチ領域でご利用いただける機会が増えました。
本格的に定量調査にも進出したことも大きいのですが、アンケートの操作性、割付設定、回答分岐など、ニーズにキャッチアップして機能を拡張したことで、お客様層もさらに広がってきていると思います。
マーケティングアプリケーションズさんの2025年の取り組みについても、ぜひ教えてください。
-竹中
今年は、新規事業としてラウンダー調査(店頭の棚割りの可視化)やミステリーショッパーなどの店舗訪問型の調査に取り組み始めました。
-浜岡
詳しく聞かせてください。
-竹中
メーカー企業にとって、店頭の展開状況は売上に直結する非常に重要な要素です。ただ、アンケートやインタビューだけでは実態がつかみにくく、どうしても“ブラックボックス化”しがちでした。
そこで、売り場の様子をより正確に把握するため、日本全国10万人のアプリ会員の方々に、“スキマバイト感覚”で棚の状態や実際に購入した商品の画像を送っていただける仕組みを作りました。
-浜岡
会員の方にとっては、日常のお買い物の“ついで”に対応できるわけですね。
-竹中
そうですね。1枚20〜50円で投稿してもらえる仕組みなので、タイパがいい。アプリ会員には報酬が入り、メーカー企業には必要なデータが届くという、両方にメリットのある構造です。GPS情報を紐づけ、店舗に近づかないと投稿できない仕組みにしているので、データの信頼性も高いです。
-浜岡
鮮度のあるデータが取れますね。
-竹中
そうですね。メーカーにとって店舗の陳列状況は本当に重要ですが、現場では同じブランドでも店舗によって陳列が大きく異なります。自社商品が実際にどう並べられているのかを把握できるメーカーは多くなく、長く“情報の非対称性”が生まれていました。
小売店の現場で何が起きているのか、営業の働きかけの効果やクリエイティブの効果などがデータで見えるようになれば、店舗陳列をより科学的に捉え、マーケティングや営業活動を一段前へ進められると感じています。
2026年、AIで変わるリサーチ

-浜岡
それでは、2026年のセルフリサーチ業界について、今後の展望を話していきたいと思います。竹中さんはグローバルの動きにもお詳しいですが、注目キーワードはありますか?
・-竹中
海外では今、「Qual at Scale(定性のスケール化)」の概念が盛り上がっています。AIを活用して、定性調査を効率的かつ大規模に実施する新しい手法ですね。ただ、これは多様性を前提にした環境だからこそ成立する側面もあり、日本にそのまま適用できるかは慎重に見ています。
むしろ2026年の日本では、マーケターやリサーチャーが“本来集中すべきコア業務”にどれだけ集中できるかが鍵になると感じています。課題設定や仮説構築などの判断がより重要になり、スキルの差が大きく現れてくるはずです。
浜岡さんが2026年のセルフリサーチ市場に期待するポイントはありますか?
-浜岡
やはり「回答者体験の変化」ですね。インタビューの質問者が人からAIに変わることで、回答者はいつでも気軽にインタビュー回答ができるようになるかもしれません。それにより、これまで埋もれていたデータが引き出される可能性がある。サクセスケースが出始めるのが2026〜2027年ではないかと考えています。
-竹中
AIインタビューのインパクトは大きいですよね。AIに“双方向性”を持たせることで、得られる情報の質は大きく変わると感じています。回答者に寄り添ったインタビューができるようになれば、調査体験そのものが良くなり、持続可能なものになると思います。
一方で「AI回答者」という議論も出ていますが、私はやはり“人に聞く価値”は捨てたくない。
人間の行動には非合理性があって、その予測不可能な揺らぎから新しい商品や企画のヒントが生まれることも多いと思います。たとえば、疲れている深夜、早く寝ればいいのにジャンクフードをつまんでしまうような行動は、人間らしさの象徴ですよね。こうした人間の非合理性は、”お行儀のよいAI”ではまだ再現しきれていないと感じます。
-浜岡
AIを使う側のリテラシーも、これまで以上に求められますよね。
それらしい回答情報が出てきたときに、それを鵜呑みにして活用することにはリスクもあります。その見極めは、以前より確実に難しくなっています。
-竹中
AIには良い面と悪い面、どちらの側面も考慮する必要がありますよね。たとえば「似たり寄ったりになるデメリット」と「手間が減り生産性が上がるメリット」が共存している。
誰にとってもデータアクセスが容易になり、アウトプットのスピードも爆発的に上がる。評価の仕組みも整いつつある。でも、そこにどんなメッセージを乗せ、何を伝えるのかは人間の役目ではないでしょうか。スピードが上がるのは素晴らしいことですが、それですべてが置き換わるわけではないと感じています。
-浜岡
AIによりできることの範囲は確実に増えていきますが、人がやるべき領域は確実にあると思います。
特にデプスインタビューは、“一次情報を体で浴びる”体験そのものが価値だと思います。観覧席でインタビューを眺めるのと、実際に問いかけ、反応を受け止めるのとでは、同じデータでも感じ方が全く違う。
担当者自身が“生の声”をどう受け取り、どれだけ情熱をもって事業に向き合えるか、そこは人間にしか担えない部分だと思います。
それでは、2026年のセルフリサーチ業界について、今後の展望を話していきたいと思います。竹中さんはグローバルの動きにもお詳しいですが、注目キーワードはありますか?
・-竹中
海外では今、「Qual at Scale(定性のスケール化)」の概念が盛り上がっています。AIを活用して、定性調査を効率的かつ大規模に実施する新しい手法ですね。ただ、これは多様性を前提にした環境だからこそ成立する側面もあり、日本にそのまま適用できるかは慎重に見ています。
むしろ2026年の日本では、マーケターやリサーチャーが“本来集中すべきコア業務”にどれだけ集中できるかが鍵になると感じています。課題設定や仮説構築などの判断がより重要になり、スキルの差が大きく現れてくるはずです。
浜岡さんが2026年のセルフリサーチ市場に期待するポイントはありますか?
-浜岡
やはり「回答者体験の変化」ですね。インタビューの質問者が人からAIに変わることで、回答者はいつでも気軽にインタビュー回答ができるようになるかもしれません。それにより、これまで埋もれていたデータが引き出される可能性がある。サクセスケースが出始めるのが2026〜2027年ではないかと考えています。
-竹中
AIインタビューのインパクトは大きいですよね。AIに“双方向性”を持たせることで、得られる情報の質は大きく変わると感じています。回答者に寄り添ったインタビューができるようになれば、調査体験そのものが良くなり、持続可能なものになると思います。
一方で「AI回答者」という議論も出ていますが、私はやはり“人に聞く価値”は捨てたくない。
人間の行動には非合理性があって、その予測不可能な揺らぎから新しい商品や企画のヒントが生まれることも多いと思います。たとえば、疲れている深夜、早く寝ればいいのにジャンクフードをつまんでしまうような行動は、人間らしさの象徴ですよね。こうした人間の非合理性は、”お行儀のよいAI”ではまだ再現しきれていないと感じます。
-浜岡
AIを使う側のリテラシーも、これまで以上に求められますよね。
それらしい回答情報が出てきたときに、それを鵜呑みにして活用することにはリスクもあります。その見極めは、以前より確実に難しくなっています。
-竹中
AIには良い面と悪い面、どちらの側面も考慮する必要がありますよね。たとえば「似たり寄ったりになるデメリット」と「手間が減り生産性が上がるメリット」が共存している。
誰にとってもデータアクセスが容易になり、アウトプットのスピードも爆発的に上がる。評価の仕組みも整いつつある。でも、そこにどんなメッセージを乗せ、何を伝えるのかは人間の役目ではないでしょうか。スピードが上がるのは素晴らしいことですが、それですべてが置き換わるわけではないと感じています。
-浜岡
AIによりできることの範囲は確実に増えていきますが、人がやるべき領域は確実にあると思います。
特にデプスインタビューは、“一次情報を体で浴びる”体験そのものが価値だと思います。観覧席でインタビューを眺めるのと、実際に問いかけ、反応を受け止めるのとでは、同じデータでも感じ方が全く違う。
担当者自身が“生の声”をどう受け取り、どれだけ情熱をもって事業に向き合えるか、そこは人間にしか担えない部分だと思います。
プロダクトフォース&マーケティングアプリケーションズ、2026年の抱負
-浜岡
最後に両社の2026年の抱負について語っていきたいと思います。まずはマーケティングアプリケーションズさんから、お願いします。
-竹中
2026年の抱負は、ひと言でいえば 「センターピンの再設定」 です。
現在当社は「Surveroid」をはじめ、海外やリアル店舗など多様な領域へサービスが広がっています。そのなかで改めて、会社として何を中心に据えるのかを再定義することが重要だと考えています。
手法やサービスカテゴリーでピンを立てることもできますし、「生活者理解」や「マーケターを応援する」というテーマに寄せる方法もあります。ただ、抽象度の高いビジョンのまま薄く広く投資してしまうのはリスクが大きい。どこに集中すべきかを見極め、狭くても確かな“ピン”を立てることが必要です。
AI活用には相応の投資も求められます。「この領域こそが当社の提供価値だ」と明確に言えるセンターピンを定め、そこに集中して検証し、磨き込みたいと考えています。
-浜岡
なるほど。すでに進めている具体的な取り組みがあれば教えてください。
-竹中
ひとつ2025年末にリリースした、「リサーチしたい商品や課題を書くだけで、AIがアンケート画面を自動生成する機能」です。「Surveroid」では、ユーザーの約半数がリサーチ初心者。まずは AIがそのハードルを一気に下げ、気軽に使い始めてもらえるようにしたいと考えています。
一方で、ヘビーユーザーに向けては、高機能や海外パネルなど、より高度な選択肢も必要です。初心者の裾野を広げつつ、ヘビーユーザーの深さも支える。この両輪を磨いていくことが、サービス全体の成長につながると考えています。
-浜岡
ありがとうございます。弊社としては、2026年は大きく2つの軸で進んでいきます。
ひとつは、既存事業である「ユニーリサーチ」のさらなる進化です。多くのお客様にご利用いただいていますが、まだ越えられていない壁もある。そこをAIの力で乗り越え、よりクライアントフレンドリーなプラットフォームへと磨き込み、リサーチ人口を広げることで “リサーチの民主化” を前に進めたいと考えています。
もうひとつは、AI×リサーチを中心としたより実験的で不確実性の高い “新しいリサーチのあり方” への挑戦です。世の中に問いを投げかけながら、自社で仮説検証を進め、新しい方法論を提示していく。このゼロイチの取り組みは、私自身のテーマでもあり、会社のビジョンを体現する大切なチャレンジだと思うので、パッションをもって取り組んでいきたいですね。
-竹中
お互い、挑戦の年になりそうです。
-浜岡
2026年も情報発信を続けていきたいですね。
-竹中
継続的にやることの意味は、2年続けてきて本当に感じました。お客様のサーベイや、毎年更新しているカオスマップもそうですよね。「去年どうだったっけ?」という振り返りの場になるし、続けているからこそ変化が見える。
-浜岡
今後は仲間を増やしたいですね。2社だけで集めた情報では限界がありますし、もう少し広げることで信頼性も高まります。
-竹中
産業振興につながる活動として、2026年も、一緒に盛り上げていきましょう!
最後に両社の2026年の抱負について語っていきたいと思います。まずはマーケティングアプリケーションズさんから、お願いします。
-竹中
2026年の抱負は、ひと言でいえば 「センターピンの再設定」 です。
現在当社は「Surveroid」をはじめ、海外やリアル店舗など多様な領域へサービスが広がっています。そのなかで改めて、会社として何を中心に据えるのかを再定義することが重要だと考えています。
手法やサービスカテゴリーでピンを立てることもできますし、「生活者理解」や「マーケターを応援する」というテーマに寄せる方法もあります。ただ、抽象度の高いビジョンのまま薄く広く投資してしまうのはリスクが大きい。どこに集中すべきかを見極め、狭くても確かな“ピン”を立てることが必要です。
AI活用には相応の投資も求められます。「この領域こそが当社の提供価値だ」と明確に言えるセンターピンを定め、そこに集中して検証し、磨き込みたいと考えています。
-浜岡
なるほど。すでに進めている具体的な取り組みがあれば教えてください。
-竹中
ひとつ2025年末にリリースした、「リサーチしたい商品や課題を書くだけで、AIがアンケート画面を自動生成する機能」です。「Surveroid」では、ユーザーの約半数がリサーチ初心者。まずは AIがそのハードルを一気に下げ、気軽に使い始めてもらえるようにしたいと考えています。
一方で、ヘビーユーザーに向けては、高機能や海外パネルなど、より高度な選択肢も必要です。初心者の裾野を広げつつ、ヘビーユーザーの深さも支える。この両輪を磨いていくことが、サービス全体の成長につながると考えています。
-浜岡
ありがとうございます。弊社としては、2026年は大きく2つの軸で進んでいきます。
ひとつは、既存事業である「ユニーリサーチ」のさらなる進化です。多くのお客様にご利用いただいていますが、まだ越えられていない壁もある。そこをAIの力で乗り越え、よりクライアントフレンドリーなプラットフォームへと磨き込み、リサーチ人口を広げることで “リサーチの民主化” を前に進めたいと考えています。
もうひとつは、AI×リサーチを中心としたより実験的で不確実性の高い “新しいリサーチのあり方” への挑戦です。世の中に問いを投げかけながら、自社で仮説検証を進め、新しい方法論を提示していく。このゼロイチの取り組みは、私自身のテーマでもあり、会社のビジョンを体現する大切なチャレンジだと思うので、パッションをもって取り組んでいきたいですね。
-竹中
お互い、挑戦の年になりそうです。
-浜岡
2026年も情報発信を続けていきたいですね。
-竹中
継続的にやることの意味は、2年続けてきて本当に感じました。お客様のサーベイや、毎年更新しているカオスマップもそうですよね。「去年どうだったっけ?」という振り返りの場になるし、続けているからこそ変化が見える。
-浜岡
今後は仲間を増やしたいですね。2社だけで集めた情報では限界がありますし、もう少し広げることで信頼性も高まります。
-竹中
産業振興につながる活動として、2026年も、一緒に盛り上げていきましょう!
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