2023年3月10日 更新

アンケート調査を外注するメリットとは?調査会社への依頼とセルフの選び方も解説!

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メーカーに勤務されるマーケタ―の方、または広告代理店やデジタルエージェンシーなどにお勤めの方であれば日頃、定量調査や定性調査を行う機会があるかと思います。
その中でもアンケート調査には、調査会社に外注する方法と自社内でセルフ型のツールを用いて行う方法の2通りがあります。ここではそれぞれのメリット、デメリットを比較し、どちらがより適した方法なのかということを見ていきましょう。

アンケート実施時の流れ

具体的な比較を行う前に、まずアンケート業務の流れについて整理してみましょう。
アンケート業務の流れ

アンケート業務の流れ

調査設計をする

まずアンケートを通じて何を明らかにしたいか、どんな課題を解決したいかを明らかにします。
その上で限られた予算の中から誰を対象としてどのような順番で設問を配置するか、また何サンプル回収するかということを基に調査票を作成していきます。(調査票は作成せずにいきなりアンケート画面を作成される場合もあるでしょう。)

アンケート画面に落とし込む

調査票が完成した後は実務的な作業です。アンケートシステムを用いてアンケート画面を作成していきます。(今回はアンケートをWeb上で行うことを前提としております)
聴取内容に応じた選択肢タイプ(単一回答タイプや自由回答タイプなど)を選び、質問文や選択肢などを反映させます。

アンケートを実施する

アンケートに回答して欲しい対象者に向けてアンケートを実施します。
アンケート調査専用パネルを保有しているツールを使う場合は、様々な条件の下で対象者を絞り込み配信するなど、一般生活者からの意見を集めることも可能です。

アンケート結果を集計する

アンケートを実施後、実際にどのような回答が集まったのか集計作業を行います。
数値を確認する際は、どのような傾向にあったのかをグラフなどに可視化するとわかりやすく理解できます。

調査会社に外注するときの特徴

ここからはアンケートを調査会社に外注する場合の特徴をご紹介します。

リサーチコストが比較的高い

まず、料金はやはりセルフ型ツール使用時に比べ高くなる傾向があります。
各種調査会社で料金テーブルも異なっているため、一概に言えるものではありませんが全く同じ調査を行う場合、セルフ型ツール使用時に比べて3倍ほどの料金となることが多いようです。

回答結果を得るまでに時間がかかる

そしてタイムスケジュール感としてもセルフ型ツール使用時に比べると時間がかかってしまう傾向があります。
もしあなたに仲の良い調査会社の担当者がいて、多少の無理を聞いてくれるならその限りでもありませんが、初めて調査会社に依頼してから調査結果が納品されるまでは凡そ1~2週間ほどかかってしまうことが多いようです。もし、明後日のプレゼンまでにデータが欲しいという状況であればまず間に合うことはないでしょう。

リサーチャーによるサポートがある

一方で調査会社に依頼した際のメリットとしては工数の少なさ、リサーチャーのサポートがあります。
アンケートの画面作成や配信設定はなんだかんだ時間のかかる作業です。それらを代わりに行ってくれるだけでもかなり手が空くでしょう。また調査会社のリサーチャーは調査のプロフェッショナルです。設問順序や回収サンプル数などの悩みごとにも力を貸してもらえるでしょうし、回答結果のデータは厳正な基準をもってデータクリーニング(不正回答の削除など)を行ってくれるため、重要な意思決定要素としてアンケートを行う場合、特にチームに詳しい方がいない場合は調査会社にアンケートを依頼されることをお勧めいたします。

セルフで調査をするときの特徴

リサーチコストが比較的安い

料金については上で触れた通りです。ケースバイケースではあるものの、外注時に比して凡そ1/3程の料金でアンケートを行うことが可能です。

回答結果を得れるまでが早い

またセルフ型ツールではスピードも強みと言えます。アンケートを配信しようと思ったその日に即日で設定を完了してしまえば僅か2,3日程で回答が集まることも多いです。
それこそ明後日のプレゼンまでにデータが欲しい、明後日の打ち合わせに向けて提案資料に記載するデータが欲しい、そんなときでも使用できるのが強みしょう。
特にメーカー勤務の方であれば商品企画の段階でちょっと消費者の声を聞いてみたいという瞬間が多いのではないかと思います。そんな時でもパッとアンケートを行えるのはセルフ型ツールの強みです。

全て自身でするため手間がかかる

一方で、そのデメリットとしては2つ考えられます。
まず、調査会社のリサーチャーが噛むわけではないのでアンケートを初めて行う人にとっては調査設計が難しいと感じる場合があります。特にアンケートはその設問順序が大きな意味をもちます。バイアスを与えるような設問順序にしてしまえば、回答結果に影響が生じます。設問数の多いアンケート(目安として20問以上)を行う場合はセルフ型ツールではなく調査会社への依頼を検討してみても良いかもしれません。もちろん、予算との相談にはなりますが。

また、画面作成や配信設定を自身で行う必要があるというのは意外と手間になってしまいます。
他の業務との兼ね合いを考えつつ、オーバーワークとならないよう注意しましょう。
アンケートを自分でやってみる!


調査会社とセルフ型ツールを効果的に使い分ける

さて、ここまで調査会社への依頼とセルフ型ツールの使用を比較してきました。
ここで気になるのは結局どちらがいいのかということです。

結論から言うと、結局のところケースバイケースとしか言いようがありません。

とはいいつつも現在の潮流としてマーケティング活動はますます内製化が進んでいます。
欧米ではセルフ型アンケートツールを使用したリサーチの内製化を指す呼称としてDIYリサーチという言葉が登場するくらいです。
そこで私は
・~20問くらいまでのライトなアンケートはなるべくセルフ型アンケートツールを使用してコストを削減
・20問~となるとリサーチャーの知見が必要となってくるため、外注を検討

という運用をご提案いたします。
またセルフ型ツールを使用される際は、下記の記事でツール比較を行っているので、よろしければご参考にお読み下さい!
セルフ型アンケートツールの徹底比較【料金、操作感、サポート】
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