デプスインタビューの費用は?料金相場と内訳、コストを抑える方法や調査会社選びのポイントを解説

01 2025.10

インタビュー調査

デプスインタビューは、顧客の隠れたニーズや本音を探る上で非常に有効な調査手法です。しかし、実施を検討する際に「一体いくらかかるのだろう?」と費用面で不安を感じる方も多いのではないでしょうか。この記事では、デプスインタビューの費用相場やその内訳、そして費用を抑えるための具体的な方法について詳しく解説します。予算の確保や調査会社の選定に、ぜひお役立てください。
デプスインタビューの費用は?料金相場と内訳、コストを抑える方法や調査会社選びのポイントを解説

デプスインタビューとは?

デプスインタビューは、マーケティングリサーチにおける定性調査の手法の一つです。まずは、その基本的な概要と、よく比較されるグループインタビューとの違いについて解説します。

1対1で深層心理を探る定性調査

デプスインタビュー(DI:Depth Interview)は、調査者と対象者が1対1の形式で対話し、特定のテーマについて深く掘り下げていく調査手法です。「デプス(depth)」が「深さ」を意味する通り、アンケートなどの定量調査では把握しきれない、個人の価値観、行動の背景、潜在的なニーズといった深層心理を探ることを目的として、一人の対象者に対して60分から90分程度の時間をかけ、じっくりと話を聞くのが特徴です。
主に新規事業や新商品のアイデア探索や、既存商品やサービスの改善、行動や意思決定プロセスの解明、さらにはセンシティブなテーマのヒアリングなどに適しています。

グループインタビューとの違い

グループインタビューは、複数の対象者(4~8名程度)を集めて座談会形式で行う調査手法です。他の参加者の意見に触発されて議論が活性化するメリットがある一方で、他人の意見に同調してしまったり、デリケートな話題については本音を話しにくかったりする側面があります。対してデプスインタビューは1対1で行うため、周囲の目を気にすることなく、プライベートな内容や複雑な意思決定プロセスについても率直な意見を引き出しやすいという利点があります。

デプスインタビュー グループインタビュー
形式 1対1の対面形式 複数人での座談会形式
時間 1人あたり60分~90分 1グループあたり90分~120分
対象人数 多い(数十人~数千人規模) 少ない(数人~十数人規模)
メリット 深層心理、本音、デリケートな話題を引き出しやすい アイデアの広がり、多様な意見の収集
デメリット 多くの意見を収集するには時間とコストがかかる 個々の意見を深く掘り下げにくい

調査会社に依頼した場合のデプスインタビューの費用相場

デプスインタビューを外部の調査会社に依頼する場合、費用はどのくらいかかるのでしょうか。ここでは、総額の目安と、実施形態による費用の違いについて説明します。

費用総額の目安は30万円~100万円以上

デプスインタビューの費用相場は、対象者の人数や条件、依頼する業務範囲によって大きく変動しますが、一般的には30万円~100万円以上が目安です。例えば、対象者6名のリクルーティングからインタビュー実施、簡易的な報告までを依頼する場合、数十万円程度から可能ですが、希少な条件の対象者を探したり、詳細な分析レポートまで求めたりすると、費用は100万円を超えることもあります。

デプスインタビュー費用の内訳

デプスインタビューの費用は、様々な項目から構成されています。ここでは、主な費用の内訳についてそれぞれ解説します。

費目 内容 費用相場
企画・設計費 調査全体の計画やインタビューフローの作成など。 5万円~15万円
リクルーティング費 条件に合う対象者の募集・選定。対象者の条件が複雑であったり希少性が高いと、リクルーティングの難易度が上がり、費用も高くなる傾向あり。 1人あたり1万円~1万5千円
会場費 インタビュールームの利用料(オフラインの場合)。調査会社が保有するインタビュールームを利用することもあり、マジックミラー付きの部屋など、別室でインタビューの様子をモニタリングできるようになっている。 1時間あたり2万円~4万円
実査費(人件費) 司会進行役や当日の運営スタッフの人件費。 5万円~
謝礼 対象者への報酬。拘束時間や話す内容の専門性に応じて金額が決まる。 1人あたり8千円~1万円
分析・レポーティング費 発言内容の文字起こし、データ分析、報告書の作成など。納品物のレベルによって費用は大きく変動する。 5万円~20万円以上
デプスインタビューの費用は?料金相場と内訳、コストを抑える方法や調査会社選びのポイントを解説

デプスインタビューの費用が変動する3つの要因

デプスインタビューの費用は、いくつかの要因によって大きく変動します。ここでは、特に影響の大きい3つの要因について解説します。

対象者の条件とリクルート難易度

費用に最も大きく影響するのが、対象者のリクルート難易度です。例えば、「特定のサービスを週に3回以上利用している20代女性」といった一般的な条件よりも、「年収2,000万円以上で、過去1年以内に特定の高級車を購入した経営者」のようなニッチで希少な条件の場合、対象者を見つけるのが難しくなるためリクルーティング費用は高騰します。

インタビュー対象の人数

当然ながら、インタビューを行う人数が増えれば、その分リクルーティング費用や謝礼などの費用も増加します。デプスインタビューは1人から深い情報を得られるのが特徴ですが、ある程度の客観性や普遍性を担保するためには、複数人へのインタビューが必要です。一般的には、5~10名程度の規模で実施されることが多いです。

調査会社に依頼する業務範囲

調査会社にどこまでの業務を依頼するかによっても、費用は大きく変わります。例えば、対象者のリクルーティングだけを依頼し、インタビューの実施や分析は自社で行う場合、費用を大幅に抑えることができます。逆に、調査企画から分析・レポーティングまで全ての工程を依頼すれば、その分費用は高くなります。

デプスインタビューの費用を抑える方法

質の高い調査を実施したい一方で、コストはできるだけ抑えたいと考えるのは当然です。ここでは、デプスインタビューの費用を効果的に抑えるための3つの方法を紹介します。

オンラインインタビューを選択する

近年、Web会議システムを利用したオンラインでのデプスインタビューが増えています。オンラインの場合、調査会社や対象者が移動する必要がなく、会場を手配する費用もかからないため、オフライン(対面)での実施に比べて費用を抑えられます。コスト削減だけでなく、地方在住者など、地理的な制約なく幅広い対象者にアプローチできる点もオンラインのメリットです。

依頼する業務範囲を限定する

自社のリソースで対応可能な業務は内製化することで、費用を削減できます。例えば、インタビューの文字起こしや簡単な集計・分析を自社で行い、調査会社にはリクルーティングと実査のみを依頼するといった形です。ただし、分析には専門的な知見が必要な場合も多いため、どこまでを自社で行うかは慎重に判断する必要があります。

複数の調査会社から見積もりを取る

調査会社によって料金体系や得意分野は異なります。1社だけでなく複数の会社から見積もりを取り、サービス内容と費用を比較検討しましょう。その際、単純な金額だけでなく、担当者の対応や提案内容の質なども含めて総合的に判断することで、自社のニーズに最も合ったコストパフォーマンスの高い会社を選べます。

調査会社を選ぶ際のポイント

費用だけでなく、調査の品質も重要な選定基準です。ここでは、信頼できる調査会社を選ぶために確認すべき3つのポイントを解説します。

ポイント1:調査目的と得意分野が一致しているか

調査会社には、それぞれ得意とする業界や調査手法があります。例えば、BtoB領域に強い会社、特定の消費者層(例:若者、シニア)のリサーチに長けた会社など様々です。自社の調査目的や対象者の特性と、調査会社の得意分野が一致しているかを確認しましょう。会社のウェブサイトで過去の調査実績を確認するのが有効です。

ポイント2:実績や専門性は十分か

調査の品質は、モデレーターのスキルや分析担当者の知見に大きく左右されます。これまでの調査実績が豊富か、専門性の高いスタッフが在籍しているかを確認しましょう。特に、インタビューを担当するモデレーターがどのような経験を持っているかは、可能であれば事前に確認しておくと安心です。

ポイント3:サポート体制は充実しているか

調査の企画段階からレポーティングまで、どこまで手厚くサポートしてくれるかも重要なポイントです。初めてデプスインタビューを実施する場合など、不安な点が多い場合は、企画段階から親身に相談に乗ってくれるような、サポート体制の充実した会社を選ぶと良いでしょう。問い合わせ時の対応の速さや丁寧さも、判断材料の一つになります。

まとめ

本記事では、デプスインタビューの費用相場と料金の内訳、コストを抑える方法について解説しました。費用は対象者の条件や依頼範囲によって30万円から100万円以上と幅がありますが、内訳を理解し、オンラインインタビューの活用や依頼範囲の調整といった工夫をすることで、コストを最適化することが可能です。
この記事で紹介したポイントを参考に、自社の目的と予算に合った最適なプランを選択しましょう。

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