目次
本記事では、インタビュー調査の効果的な活用方法やグループインタビュー・デプスインタビューのメリット・デメリット、インタビュー調査を実施する手順などを解説します。

インタビュー調査とは?
インタビュー調査には、4~6名程度のグループを対象に行う「グループインタビュー」と、1対1でヒアリングを行う「デプスインタビュー」があります。従来は対面で行われていましたが、近年はそれぞれオンラインで実施されることも一般的です。
ユーザーの深層心理を理解する定性調査
例えば、「なぜこの製品を選んだのか」「どのような点に不満を感じているのか」といった問いに対して、深く掘り下げて質問することで、本人も意識していなかったような潜在的なニーズや課題を発見できる可能性があります。このようにして得られた情報は、新しい商品開発のアイデアや、既存サービスの改善点を具体的に見つけ出す上で役立ちます。
アンケート調査との違い
| 項目 | インタビュー調査(定性調査) | アンケート調査(定量調査) |
|---|---|---|
| 目的 | 深層心理の理解、仮説発見 | 実態把握、仮説検証 |
| 対象者数 | 数名~数十名 | 数百名~数千名 |
| 収集データ | 発言、行動、文脈 | 数値、選択肢 |
| 分析方法 | 発言の解釈、構造化 | 統計解析 |
| メリット | 予期せぬ発見がある、深い情報が得られる | 結果を一般化しやすい、傾向が見やすい、コストが安い |
| デメリット | 結果の一般化が難しい、コストが高い | 浅い情報しか得られない、質問設計が難しい |
インタビュー調査が適しているケース
①実態把握やターゲットインサイトの発掘
単純に回答を集めるだけではなく、発言で気になった内容を深掘りできるほか、具体的なエピソードなど派生した質問も可能です。そのため商品の購入検討プロセスや意思決定の過程などを順を追って理解したい場合や、商品利用にまつわるエピソード、使う場面ごとの感情の把握などに役立つでしょう。これらのデータを得ることで、最適なカスタマージャーニーの作成や顧客が望むCX提供が可能となります。
また対象者の声や表情、身振りといった非言語情報も観察でき、より深い行動心理や対象者自身も気づいていないインサイトを汲み取ることもできます。
②商品開発や試作品に対する反応の確認
③仮説の構築
定量調査と定性調査の違いは、以下の記事でも詳しく解説していますので参考にしてください。
【関連記事】定量調査とは?定性調査との違いからやり方まで紹介
インタビュー調査のメリット
数値では見えない生の声が聞ける
予期せぬ発見やアイデアが得られる
顧客との関係性を構築できる
インタビュー調査のデメリット
調査コストが高くなりやすい
対象者の選定が難しい
結果の一般化が困難
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インタビュー後の検証までスムーズにできるインタビュー調査で深掘りする方法を見る

インタビュー調査の種類【メリット・デメリット・活用例】
①グループインタビュー
また事前に参加する対象者にアンケート調査を行い、その内容に沿ってグループインタビューで深掘りして聞くと効率よく進められます。
1つのグループは属性や価値観が近い人、商品の使用状況が同程度の人同士などで構成すると、意見交換が活発になる傾向があります。調査テーマに応じて、以下のような要素で分類するとよいでしょう。
- 性別、年齢、未既婚、子どもの有無
- 専業主婦、パート、フルタイム職
- 商品やサービスの利用頻度、満足度 など
- 商品・サービスの評価、改善要望
- 商品コンセプトやパッケージデザイン、広告の評価
- 競合商品ユーザーの利用実態把握
- 属性別の消費傾向、価値観把握 など
グループインタビューの主なメリット・デメリットは以下となります。
効率的に複数の情報を収集できる
グループで会話をするため、他の参加者の発言刺激を受けて新たなアイデアや多様な意見がうまれる「グループダイナミクス」を期待できる
デプスインタビューに比べ比較的短期間・安価で実施できる
多くの意見を聞ける一方で、1つの意見を掘り下げることが難しくなる
他の参加者の影響を受けてバイアスがかかる場合がある
1人だけ違う意見を発言しにくくなる
他の参加者が気になり本音を話しにくい可能性がある
②デプスインタビュー
1対1の対談なので、グループインタビューでは話しづらいデリケートなテーマを対象にでき、他人の意見に左右されない本音を引き出すことができます。個人の意志決定プロセスや感情の動きをていねいに知りたい場合や、パーソナルなことを深く掘り下げたいシーンに適しています。
- 購買プロセスやカスタマージャーニーの把握
- 新商品やサービスの仮説構築、コンセプトのブラッシュアップ
- ターゲットの深層心理やインサイトの把握
- デリケートなテーマの調査 など
以下にデプスインタビューのメリット・デメリットをまとめたので参考にしてください。
デリケートなテーマの話もできる
1つのことに対して深く掘り下げて聞くことができる
他者の発言に影響を受けないので本音を引き出せる
個人を深掘りする調査なので、市場全体を反映した意見ではない
1対1なので対象者が緊張してしまいがち
1人ずつ聞くため、グループインタビューに比べ時間とコストがかかる
モデレーターのスキルによって結果が左右されやすい
③オンラインインタビュー
- 遠隔地に住むターゲットのインサイトの収集
- 広告メッセージ評価の地域による比較
- リモートワークの従業員満足度調査
- 社会的なテーマや問題について広範な地域から意見を求める社会調査、教育研究 など
以下にオンラインインタビューのメリット・デメリットをまとめたので参考にしてください。
地理的な制約がない
世界中のどこからでも参加者を集めることができるため、様々な視点や意見を収集できる
コストの削減
交通費や宿泊費、会場費などの経費がかからないため、コストを大幅に削減できる
時間の柔軟性
参加者とインタビュアーのスケジュールを調整しやすく、柔軟な時間帯でインタビューを実施できる
迅速な実施
短期間で多くのインタビューを実施できるため、迅速にデータを収集できる
記録の容易さ
ビデオ通話やチャットの内容を簡単に録画・保存でき、後で見直すことができる
技術的な問題
インターネット接続の不安定さや、機器のトラブルが発生する可能性がある
非対面コミュニケーションの制約
対面インタビューに比べて、表情やボディランゲージのような非言語的な情報を読み取るのが難しい
参加者の集中力の低下
オンライン環境では、参加者の集中力が低下しやすく、インタビューの効果が低下する可能性がある
プライバシーの懸念
オンラインでのデータの取り扱いに対するプライバシーの問題が生じるため、適切なセキュリティ対策が必要
参加者の技術リテラシー
参加者がオンラインツールの使い方に慣れていない場合、インタビューの進行がスムーズにいかないことがある
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インタビュー調査の事例を紹介
事例1: 新商品開発のための消費者インサイト収集
ある飲料メーカーが新商品を開発する際、消費者のニーズや嗜好を深く理解するためにインタビュー調査を実施しました。ターゲットとなる消費者を年齢、性別、ライフスタイルでセグメント分けし、それぞれのグループから代表者を選んで対面インタビューを行いました。調査の焦点は、日常生活での飲料の選び方、好みのフレーバー、新しい飲料に求める機能など、消費者の潜在的なニーズを探ることでした。
効果:
インタビュー調査を通じて、従来の市場調査では得られなかった消費者の生の声や感情が浮き彫りになりました。これにより、メーカーは消費者が求める具体的なフレーバーやパッケージデザインを明確に把握でき、商品コンセプトの設計に役立てることができました。結果として、新商品はターゲット消費者に高く評価され、発売後すぐに売上が好調に推移しました。
事例2: 新しいモバイルアプリのユーザビリティテスト
あるスタートアップ企業が新しいモバイルアプリの開発を進めており、正式リリース前にユーザビリティテストを行うことにしました。ターゲットユーザー層の意見を直接聞くために、オンラインインタビューを実施することが決定されました。テストには、事前にリクルートしたターゲットユーザー(10代から30代の若者)をリモートで参加させ、画面共有を通じてアプリの使用状況を観察しながら質問を行いました。インタビューはビデオ通話を利用して行い、参加者の表情やリアクションもリアルタイムで確認できるようにしました。
効果:
オンラインインタビューを通じて、ユーザーがアプリを操作する際のリアルな体験や問題点が明らかになりました。特に、特定の機能が使いにくいと感じる部分や、ナビゲーションのわかりにくさが指摘されました。また、ユーザーが実際にどういう場面でアプリを使おうとしているのかといった、実利用シーンについての具体的なフィードバックも得られました。これらのフィードバックをもとに、開発チームはアプリのUI/UXを改善し、リリース後のユーザー満足度の向上に成功しました。
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インタビュー調査の実施手順
手順1.調査の目的を明確にする
「調査により何を明らかにするのか」「調査結果をどう活用するか」といった目的をはっきりさせることで、調査設計をブレることなく進められます。得られた結果も有効活用できるでしょう。
また目的や用途を明文化して関係者間で共有しておくと、調査進行や意思決定をスムーズに進められます。
手順2.調査の概要を策定する
- 調査の目的、用途
- 調査の種類(グループインタビューorデプスインタビュー)
- 実施形態(オフライン・オンライン)
- 対象者人数
- 実査日時、スケジュール(準備~実施~分析・レポート作成)
- 実査場所(オフラインの場合)
- 必要備品(撮影・記録機材、謝礼、茶菓など)
- 予算
- 管理者、実査機関 など
グループインタビューの場合は1グループの人数や何グループにするのか、またデプスインタビューの場合は何人に聞くのかといった対象者人数も決めておきましょう。
続いて調査日時や1回あたりの所要時間、準備期間や調査後の分析・レポート作成まで、どのくらいの期間で行うかをスケジューリングします。調査結果を基に意思決定をする日程に間に合うように、スケジュールを組みましょう。
一連の業務を予算内に収めることも重要です。また調査の管理者や実査機関も決めておくことで、役割と責任体制が明確になります。
手順3.調査を具体的に設計する
対象者条件を決める
インタビュー調査は発言者の言葉や態度、深層心理などを確認するため、対象者選びが重要です。属性や生活環境、価値観、対象となる商品・サービスの利用実態など、調査目的やその後の用途に適した対象条件を選択しましょう。
グループインタビューでは属性や価値観が近い人を1つのグループにまとめ、意見が異なることが想定される対象者は別グループに分けておきましょう。
聴取内容を決める
また事前に立てた仮説を検証できる内容か、対象者の思考や感情をしっかりと引き出せる内容になっているかなどに留意して、質問項目を作るとよいでしょう。
手順4.インタビューフローを作成する
- モデレーター開始挨拶(調査の目的、インタビューにあたってのお願いなど)
- 対象者自己紹介
- インタビュー調査開始
- 質問の優先順位を決め順番を決めておく
- 各質問にかける時間を決めておく
- アイスブレイク的な質問から始めるとよい
- モデレーター終了挨拶(インタビューのお礼、言い足りないことの確認、謝礼がある場合はその案内など)
手順5.対象者をリクルートする
リクルートの方法は、自社のモニターや知り合いの中から探すほか、幅広い調査モニターを有する調査会社の活用も効果的です。数多くのモニターから選出できるため効率的なリクルート業務となり、調査結果のクオリティアップも期待できます。
また絞り込んだ対象者には、録音や記録をすることの許可、個人情報活用に関する承諾などを事前に取る必要があります。忘れずに対処しましょう。
手順6.インタビューを実施する
インタビュー調査では、最初の段階における話しやすい雰囲気づくりが重要です。モデレーターの最初の挨拶でジョークを交えたりアイスブレイクを入れたりなどで、対象者の緊張感をほぐしましょう。また回答には正解や不正解、良い・悪いがないことを伝え、対象者が自由に発言できるようにすることもポイントです。
モデレーターは常にフラットな立場で、対象者の回答を誘導しないように注意します。回答者が話しやすくするには回答に相づちを打つ、共感するなどもテクニックの1つです。
またインタビューは流れやリズムが重要で、特にグループインタビューでは1人の意見に集中するのではなく、全員がまんべんなく回答できるようにしましょう。
流れをスムーズにするには対象者の回答に応じた柔軟な対応が必要で、時間内で予定の質問を聞かねばならないため、モデレーターには高いスキルが求められます。必要であれば専門家に依頼することも検討しましょう。
手順7.分析、レポートを作成する
インタビュー調査のレポートでは、調査で明確にしたいテーマや目的に沿って発言や情報を抽出してカテゴライズを行い、結論をまとめあげていきます。インタビューだからこそ聞き出せた意識や感情、購買の背景などをロジカルに構造化することを心がけましょう。
また調査結果をどのように活用するか、調査結果から優先的に何に取り組むべきかの提案などを含めると、良いレポートになるでしょう。
インタビュー調査の分析方法は?分析の流れや成功のポイントも紹介
定量調査・定性調査にはセルフ型アンケートツールもおすすめ
セルフ型アンケートツールを使うと、アンケート画面作成~配信~集計まで全ての業務をWeb上で完結できるため、御社の目的に合った調査をスピーディに実現できます。プロクォリティの調査を容易に実施できるため、調査実施を考えているならセルフ型アンケートツールの活用を検討しましょう。

インタビュー調査のポイント
「行動」「態度」「意識」に関するインタビューを上手に進めるコツを、以下で詳しく解説します。
行動に関するインタビュー調査
消費行動の背景に気を配る
購買決定の経緯を考える
態度に関するインタビュー調査
自社製品への評価を聞く
満足度を聞く際に、「購入してよかったと思いますか?」「満足したところ、不満に思ったことは何ですか?」と質問すると、全体的な評価を確認できます。また「点数を付けるなら何点ですか?」と尋ねると、高評価でも満点に至らなかったネガティブポイントを引き出すことができます。
競合製品への評価を聞く
他社製品と比較した良い点・悪い点、他社製品と比較して購入を迷ったポイント、最終的にその製品に決定したポイントなど、本音を引き出す工夫が必要となります。
スイッチングの可能性を探る
次回も同じ製品を購入するか、現在関心がある他社製品があるかなどと尋ねることで、継続利用の決め手や他社製品への興味を把握できるでしょう。
意識に関するインタビュー調査
参加者の考えを引き出す
「手に入ると自慢したくなるということか・・・」「朝は時間がないので使わない、なるほど!」など参加者のコメントを繰り返すことで、相手は続きを話したくなります。こうしたテクニックも使いながらインタビューを進めれば、本音や価値観を引き出せ、新たなインサイトの発掘につながるでしょう。
インタビュー調査の費用相場
調査会社に依頼する場合の費用内訳
| 項目 | 費用相場の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 調査設計費 | 10万円~30万円 | 調査票やインタビューフローの作成など |
| リクルーティング費 | 1人あたり1万円~3万円 | 対象者の募集・スクリーニング費用 |
| 対象者謝礼 | 1人あたり3千円~2万円 | 拘束時間や条件によって変動 |
| 会場費 | 1時間あたり1万円~3万円 | インタビュー会場のレンタル費用 |
| インタビュアー費 | 5万円~15万円 | 専門のモデレーターに依頼する場合の費用 |
| 分析・レポート費 | 20万円~50万円 | 発言録作成、分析、報告書作成など |
自社で実施する場合の費用
よくある質問
グループインタビューとデプスインタビュー、どちらを選べばよいですか?
多角的な意見や属性別の傾向を知りたい場合はグループインタビュー、個人の意思決定プロセスやデリケートなテーマを深く掘り下げたい場合はデプスインタビューが適しています。目的に応じて使い分けるか、両方を組み合わせるのも効果的です。
インタビュー調査は何人くらいの対象者に実施すればよいですか?
グループインタビューは1グループ4〜6名を複数グループ、デプスインタビューは5〜10名程度が目安です。多数に共通する実態より、意見の多様性や深さを重視するため、定量調査ほど大きな人数は必要ありません。
インタビュー調査の費用はどれくらいかかりますか?
調査会社に企画から分析まで一括依頼する場合、調査設計費・リクルーティング費・謝礼・会場費・分析費などを合わせて数十万円〜が目安です。自社で実施する場合は、対象者のリクルーティング費用と謝礼が主な費用となり、大幅にコストを抑えられます。
オンラインインタビューとオフラインインタビューはどちらが良いですか?
地理的制約なく対象者を集めたい、コストや時間を抑えたい場合はオンラインが適しています。一方、表情や場の空気など非言語情報を重視したい場合や、複数人での込み入ったグループダイナミクスを見たい場合はオフラインが向いています。
インタビュー調査だけでなく、アンケート調査(定量調査)も必要ですか?
目的によります。インタビューで見つかった仮説を市場全体に当てはまるか検証したい場合は、アンケート調査(定量調査)と組み合わせることをおすすめします。逆にアンケートで見えた数値の「なぜ」を深掘りしたい場合も、インタビューとの組み合わせが有効です。
インタビュー調査の対象者はどうやって集めればよいですか?
自社の既存顧客やモニターから探すほか、幅広いモニターを保有する調査会社やセルフ型アンケートツールを活用する方法があります。条件に合致するだけでなく、調査テーマへの関心が高い対象者を選ぶと、より活発で有益な意見を引き出しやすくなります。
まとめ
インタビュー調査を実施するには調査設計から対象者のリクルーティング、インタビューフローの作成、結果分析・レポート作成など、専門的なノウハウやモデレーターのスキルが必要となります。自社で対応できない場合は調査会社に依頼するかセルフ型アンケートツールを活用する方が、質の高い結果を得られるでしょう。



