目次
インタビュー調査は、調査対象者の行動の理由や考え、インサイトなどを深く知るための調査です。インタビュー調査の分析は数字で表せない心理をまとめるため、わかりやすくまとめるにはポイントとなる発言や情報をカテゴライズ化して関係性を整理する必要があります。
本記事では、インタビュー調査の分析手法や分析の流れ、インタビュー調査を成功させるコツを解説します。
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インタビュー調査における4つの分析方法
インタビュー調査の分析は、調査対象者の発言からポイントとなる言葉や情報を抽出してカテゴライズする必要があり、その手法としてコーディングやKJ法などが挙げられます。これらの手法を用いることで個々の発言に関係性を見い出すことができ、調査結果の分析や解釈がスムーズに行えるようになります。
主な分析手法を以下で詳しく解説します。
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テキストのコーディング
コーディングとは、調査対象者の発言を抽象化する短いフレーズや記号に置き換えて、データを体系的に整理・分類することです。これにより対象者がバラバラに発言している膨大な情報の中から、なんらかのパターンやテーマ、概念を見い出すことができます。
たとえば、「自分が自慢できること」をインタビューした結果を、その内容に応じて「仕事」「家族」「趣味」などでコーディングしたのが以下となります。
たとえば、「自分が自慢できること」をインタビューした結果を、その内容に応じて「仕事」「家族」「趣味」などでコーディングしたのが以下となります。
コーディングをする際にはコードNO.を付けたり、色分けしたりするとわかりやすいでしょう。
KJ法
定性情報を効率よく整理する手法として、「KJ法」もよく使われます。KJ法では、発言などの情報を1つずつ付箋などに書き込み、付箋を並べ替えたり類似したものをグループ化したりすることで情報を整理していきます。
前述のコーディングと組み合わせると効率的に情報整理ができ、発言の関係性や構造をわかりやすく可視化できるでしょう。また複数人で付箋を見ながら分析することで多様な意見が集まり、偏った解釈を避けることができます。
前述のコーディングと組み合わせると効率的に情報整理ができ、発言の関係性や構造をわかりやすく可視化できるでしょう。また複数人で付箋を見ながら分析することで多様な意見が集まり、偏った解釈を避けることができます。
インサイトを読み取る
インタビュー調査の目的は、調査対象者の考えや深層心理を汲み取ることです。発言をそのままうのみにするのではなく、その言葉がうまれた背景や行動の理由なども意識することが重要です。
たとえば、「商品Aが使いづらかったので他人に譲った」は、言葉通りだと「商品Aが気に入らなくて他人にあげた」 ですが、このままだとなぜ使いづらいと感じたか、なぜ他人に譲ったのかがわかりません。
使いづらいと感じたのは、以前に使っていた同様の商品との比較したのかもしれません。また他人に譲るという選択肢となったのは、欲しいと思っている人がいたからかもしれません。これらの背景がわかれば、分析結果も深みのある内容となるでしょう。
分析者の主観による偏った判断を避けるためにも、言葉の影に隠れた調査対象者のインサイトを洞察する分析を心がけましょう。
たとえば、「商品Aが使いづらかったので他人に譲った」は、言葉通りだと「商品Aが気に入らなくて他人にあげた」 ですが、このままだとなぜ使いづらいと感じたか、なぜ他人に譲ったのかがわかりません。
使いづらいと感じたのは、以前に使っていた同様の商品との比較したのかもしれません。また他人に譲るという選択肢となったのは、欲しいと思っている人がいたからかもしれません。これらの背景がわかれば、分析結果も深みのある内容となるでしょう。
分析者の主観による偏った判断を避けるためにも、言葉の影に隠れた調査対象者のインサイトを洞察する分析を心がけましょう。
話し言葉を論理的な言葉に変更する
インタビュー調査での発言はいわゆる話し言葉で、回答者が見たり考えたりしたことをその人自身の言葉で話した内容です。このままだと筋道が立っていないわかりづらい文章となるため、内容を整理して論理的な文章に変換する必要があります。
話し言葉を論理的にまとめればメッセージや主張がはっきりとわかりやすく、一貫性のある文章となるでしょう。
話し言葉を論理的にまとめればメッセージや主張がはっきりとわかりやすく、一貫性のある文章となるでしょう。
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インタビュー調査後に実施する分析の流れ
続いて、インタビュー調査後に行う分析の流れをステップに分けて解説します。大きく「逐語録作成」「情報整理と分析」「レポート作成」に分かれます。
STEP1.逐語録を作成する
最初に逐語録を作成します。逐語録は会話内容をそのまま文字に起こして記録するもので、対象者の言葉の一つひとつを詳細に記録します。定性調査ではちょっとした言葉にインサイトが隠れている可能性があるため、冗長的な表現以外は一語たらずとも取りこぼさないよう心がけましょう。
また誰が何を発言したかがわかるように、Excelなどで表形式にまとめるとよいでしょう。逐語録はインタビュー中の考えや感情を忘れないうちにできるだけ早めに作成をして、必ずバックアップを取っておくことをおすすめします。
また誰が何を発言したかがわかるように、Excelなどで表形式にまとめるとよいでしょう。逐語録はインタビュー中の考えや感情を忘れないうちにできるだけ早めに作成をして、必ずバックアップを取っておくことをおすすめします。
STEP2.情報を整理して分析する
続いてまとめた逐語録をもとに、コーディングやKJ法により情報を整理・分類していきます。整理した情報間の関係性などから得られる気づきや示唆を元に、分析を進めていきましょう。
分析は原則として、調査の目的や仮説に沿って行います。目的や仮説に対する結果の確認や検証を行いつつ、目的・仮説とは直接関連はないものの新たな発見もあれば、しっかりと検証・考察をしておきましょう。
分析は原則として、調査の目的や仮説に沿って行います。目的や仮説に対する結果の確認や検証を行いつつ、目的・仮説とは直接関連はないものの新たな発見もあれば、しっかりと検証・考察をしておきましょう。
STEP3.レポートを作成する
最後に分析した結果をレポートにまとめます。レポートは調査目的や仮説、調査方法、得られた気づきや結果などで構成するとよいでしょう。またグループインタビューならグループごとの特徴や発言の傾向、グループ間の違いを、デプスインタビューなら調査対象者のペルソナやインサイトが把握できるようにまとめましょう。
レポートは、グラフや図表、チャート、イラストなどを多用してビジュアル化すると、メッセージ性が高まります。
本質的なメッセージを直感的にわかりやすく伝えられるでしょう。
レポートは、グラフや図表、チャート、イラストなどを多用してビジュアル化すると、メッセージ性が高まります。
本質的なメッセージを直感的にわかりやすく伝えられるでしょう。
インタビュー調査を成功させるためのポイント
インタビュー調査を実際に行うには、以下の点に注意するとよいでしょう。
話しやすい雰囲気を作る
インタビュー調査で重要なことの一つに、相手との信頼関係を結ぶことが挙げられます。これを心理学用語で「ラポール(Rapport)」を形成するといいます。
インタビュー調査ではモデレーターと調査対象者は初対面であることが多く、対象者が緊張している状態では有益な発言を引き出すことが難しくなります。そのため最初にラポールを形成して、話しやすい雰囲気を作ることが重要です。
たとえば、調査とは関係のない話から始める、適度に相槌や共感を示すなど、回答者の心理的な壁を取り除き気持ちよく話せるように促す行動を意識するとよいでしょう。
インタビュー調査ではモデレーターと調査対象者は初対面であることが多く、対象者が緊張している状態では有益な発言を引き出すことが難しくなります。そのため最初にラポールを形成して、話しやすい雰囲気を作ることが重要です。
たとえば、調査とは関係のない話から始める、適度に相槌や共感を示すなど、回答者の心理的な壁を取り除き気持ちよく話せるように促す行動を意識するとよいでしょう。
インサイトを引き出す
インタビュー調査の最大の目的は、定量調査では得ることが難しい回答者の考えや行動の裏にある深層心理を探ることです。そのためには回答者の発言や反応を見ながら、深掘りして聞いていくことが重要です。インタビュー中で気になる発言があったら、臨機応変に対応しましょう。
表情や感情を汲み取る
インタビュー調査では対象者との対話形式であるため、表情や感情を確認しながら進められます。対象者の言葉だけではなく表情や場の空気感、グループインタビューなら他者との関係性なども、考えや感情を理解するヒントとして活用できます。
インタビューでは相手の状況や反応を汲み取りながら、話しやすいタイミングや誘導方法を意識して、対話を進めるようにしましょう。
インタビューでは相手の状況や反応を汲み取りながら、話しやすいタイミングや誘導方法を意識して、対話を進めるようにしましょう。
インタビュー調査を上手くまとめるためのポイント
最後に、インタビュー調査の結果をわかりやすく上手にまとめるコツを解説します。
目的や仮説に沿ってまとめる
インタビュー調査の結果を分析してレポートにまとめる際は、調査の目的や仮説に沿って整理しましょう。
インタビューで得られる発言には本来の目的と関係のない情報も多く、重要度が低い回答も含めてまとめると、論点がずれてしまう可能性があります。あくまでも目的や仮説に対する結果や、そこから得られた示唆・知見を整理することが重要です。
インタビューで得られる発言には本来の目的と関係のない情報も多く、重要度が低い回答も含めてまとめると、論点がずれてしまう可能性があります。あくまでも目的や仮説に対する結果や、そこから得られた示唆・知見を整理することが重要です。
デブリーフィングの内容を活かす
デブリーフィングとは、インタビュー終了後にモデレーターやリサーチャー、モニタールームに控えていた関係者などが集まり、結果を振り返るミーティングのことです。全員でインタビュー内容を振り返りながら、発言の意味や背景の考察、仮説の検証などについて意見交換を行い、要点や気づきなどを共有します。
調査結果の解釈を深めるデブリーフィングはインタビュー後に必ず行うようにして、分析結果をまとめる際にも議論した内容を活かすとよいでしょう。
調査結果の解釈を深めるデブリーフィングはインタビュー後に必ず行うようにして、分析結果をまとめる際にも議論した内容を活かすとよいでしょう。
分析結果を検証する
調査の分析結果は担当者によって変わることがあるため、ほかのメンバーの意見や指摘も集めて検証する必要があります。結果を導き出すプロセスに主観は入っていないか、全体が論理的にまとめられているか、主張を裏付ける根拠はあるかなどといった観点でチェックするとよいでしょう。
レポートの妥当性や信頼性を担保するためにも、結果検証は必ず行いましょう。
レポートの妥当性や信頼性を担保するためにも、結果検証は必ず行いましょう。
ビジュアル化でわかりやすくする
分析結果を多くの人にわかりやすく伝えるには、図やイラスト、表、グラフなどを用いてビジュアル化することが有効です。文章だけでなく視覚的にわかりやすいレポートにまとめることで、調査結果を直感的に理解しやすくなります。
ただしビジュアル要素の使い過ぎや色の多用は逆効果となるため、シンプルでわかりやすい仕様を心がけましょう。
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インタビュー調査などの定性調査は、数字では表せない考えや心理など「質」を知るための調査で、数字で表せる「量」を知ることができる定量調査と組み合わせれば、さまざまなマーケティング活動に活用できます。
たとえば、定量調査でおおよその傾向を把握して定性調査で結果を深掘りすると、より深い分析や洞察が可能です。また定性調査で仮説を構築して、定量調査で仮説を検証することもできます。
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定量・定性調査を組み合わせてより深い分析を検討しているなら、Surveroidの導入をぜひご検討ください。
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まとめ
インタビュー調査は、調査対象者の考えや心理など数字で表せないことを知る調査であるため、その分析は、ポイントとなる発言や情報をグループ化して関係性を整理しながら気づきや示唆を探していきます。また定量調査と組み合わせればより深い分析が可能となり、自社のさまざまなマーケティング活動に活用できるでしょう。
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