条件分岐機能でアンケートの回答率を上げる方法とは?

24 2024.05

DIYリサーチ

アンケートでは、全員ではなく特定の回答をした人のみに聞きたいことがあるということも多いです。
そのようなときに回答者を限定することができなければ、対象外の人から回答が集まり集計時に有効なデータとして扱って良いか困ることがあります。
紙媒体ではなく、Webでアンケートをする場合は機械的な制御が可能で、矛盾回答を事前に防ぐことができます。
今回はWebアンケートを実施する際に、押さえておきたい基本機能の「条件分岐」について解説致します。
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Webアンケートで使える「条件分岐」

Webアンケートにおける「条件分岐」とは、回答に応じて次のWebページ(質問内容)に切り替わる機能のことです。    
「はい」か「いいえ」で答えてもらう設問がある場合、答えた内容によってそれぞれ異なるWebページに遷移していきます。ロジックツリー図のように、アンケートが終盤に向かうほど回答が枝分かれしていくようなイメージです。

アンケートで条件分岐を用いるメリットとは?

アンケートで、条件分岐を用いると次の2つのメリットがあります。
①アンケートの回答率の向上
1つ目のメリットはアンケートの回答率が向上することです。
条件分岐を付けない(回答者全員に全アンケート内容が表示される)と、回答者によっては自身と関係のない設問が表示されることがありますが、そうなると回答者は興味がなくなり離脱します。離脱を防ぐために条件分岐を用いると、回答者が興味がある設問が続くように設定することが可能です。そのため最後まで回答意欲が下がらず完答する確率が上がります。
回答率を向上させる5つの方法

➁ユーザーニーズの深い把握が可能になる
2つ目のメリットはユーザーニーズの深い把握が可能になることです。一般的にアンケートは当たり障りがない平均的な設問が続くことが大半です。そうなるとユーザー心理の深い部分にあるニーズはわかりません。ところが条件分岐を用いると、回答者の意識を深堀りできるように設定することができます。
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条件分岐の動作

条件分岐(一部の人だけにする質問)の動作や仕様について、以下に条件分岐を含む設問の例をあげながら説明していきます。

Q1:あなたは、1週間以内にご家庭で料理をしましたか。
1 料理をした
2 料理はしなかった → Q2へ

【Q1で1「料理をした」と答えた方に】
SQ1-1:あなたがこの1週間で料理をしたときに、本・雑誌やインターネット上にあるレシピを参考にしたことがありますか。(いくつでも)
1 本・雑誌のレシピを参考にした
2 インターネット上にあるレシピを参考にした → Q2へ
3 参考にしなかった

【SQ1-1で2「インターネット上にあるレシピを参考にした」を選ばなかった方に】
SQ1-2:あなたが、インターネット上にあるレシピを参考にするのは、どんな時ですか。(いくつでも)
1 来客をもてなすとき
2 家族の誕生日や記念日など特別な日
・・・
10 インターネット上にあるレシピを参考にすることはない

Q2:あなたは、先月1か月間にご家庭で日曜大工(DIY)をしましたか。
1 日曜大工(DIY)をした
2 日曜大工(DIY)はしなかった

SQ1-1やSQ1-2が一部の人を対象にした設問になっています。こうした設問を、「付問/付帯設問(Sub Question)」ということがあります。また、Q1に対してSQ1-1やQ2を「飛び先」ということもあります。回答によって進む先、という意味です。

ページネーション型

ページネーション型のWebアンケートでは、Q1に「1 料理をした」と答えて次のページに進むとSQ1-1が表示され、Q1に「2 料理はしなかった」と答えるとQ2に進む、という動作になります。

スクロール型

スクロール型の場合には、Q1で「1 料理をした」にチェックを入れると、それまで隠されていたSQ1-1がQ1の下に表示される、という動作になると思います(ツールによってはこの機能がない~スクロール型では条件分岐を使えない)。このように、同一ページ内で付帯設問が表示/非表示される機能は、付帯設問によってその前の回答を確認するような場合、前のページに戻れる形式のアンケートの場合などに便利に使えることがあります。
条件分岐の仕様

条件分岐の仕様

条件分岐の設定の仕方には、「該当条件設定型」と「飛び先設定型」の2つの考え方があります。

この2つの考え方では、(1)複雑な設定が可能になる、(2)集計やレポートの際に該当者事由を記載する必要があるのでそれが明示的になる、という2つの理由から「該当条件設定型」の方が良いと思います。

しかし、調査票の構造をフローチャートのように考える場合は、「飛び先設定型」の方が理解しやすく便利になることもあります。ツールによっては、「該当条件設定型」と「飛び先設定型」の両方の機能を備えたものもあります。

条件設定の仕方については、GUIのインターフェイスで設定を入れる場合と、スクリプト的に条件を書く場合(例えば、「if Q1=1」とか)があります。スクリプトは文法を覚えるのが面倒ですが、複雑な設定になるほどスクリプトの方が効率的になるので、両方の設定機能があるツールが望ましいです。

該当条件設定型

飛び先の設問に該当条件を設定するものです。先の例でいえば、SQ1_1に対して、【Q1=1の人に質問する】という設定を入れます。いわば、「該当条件設定型」です。また、SQ1_1の上に【Q1で1「料理をした」と答えた方に】と記載がありますが、これを該当者事由といいます。

飛び先設定型

分岐元(Q1)に飛び先を設定するやり方です。つまりこの場合は、Q1の選択肢2に、【Q2へ飛ぶ】という制御を入れます。こちらは、「飛び先設定型」といえると思います。
条件分岐設計時の考え方

条件分岐設計時の考え方

さて、前の例でSQ1-2の該当者事由として【SQ1-1で2「インターネット上にあるレシピを参考にした」を選ばなかった方に】と記載がありますが、これは、厳密にいうとQ1=2の人を含むか含まないかが曖昧な記述になっています。

そうしたい時もあるのですが、原則的には、「選択しなかったことを条件とする分岐は避ける」べきです。条件が論理的に複雑になってミスしやすくなりますし、回答者を戸惑わせるケースが多いと思います。

前の例のSQ1-2は、継続的利用者以外の人に、インターネットレシピの使用タイミングを問いたかったのだと思いますが、SQ1-1を答えた人全員にたずねることも可能なので、こうした場合は「質問が可能であればなるべく条件を絞らず多くの人に質問したほうがよい」という原則に従った方が良いです。条件を絞るのは集計上でできるし、集計上で絞るのが手間だという場合は、集計ツールが良くないと考えるべきです。

また、このほかツールの良しあしの評価として重要なのは、条件分岐設定後、正しく設定されているかを確認しやすいインターフェイスになっていることです。設定条件の表現、フローチャート的な確認画面など調査全体を俯瞰して条件分岐を確認できるか、など、ツールによっていろいろと工夫がされていると思います。特に、分岐元の設問を修正したときに、飛び先の設定に修正が必要になることがあるので、この場合にミスをしないような確認機能が望ましいです。
アンケートの条件分岐・分岐ロジックの活用例

アンケートの条件分岐・分岐ロジックの活用例

アンケートの条件分岐・分岐ロジックは次のようなアンケート調査でも活用されています。
①顧客満足度調査
➁イベントアンケート
➂従業員満足度調査


基本的な流れは次の通りです。
①1問目は全員に「はい」か「いいえ」で回答してもらう
➁2問目以降は前の質問で「はい(または、いいえ)」と回答した人にだけ次の質問が表示される
➂その後、数問質問が続き、最終的には回答者に完答してもらうことを目指す

条件分岐・分岐ロジックを使用することで、回答内容に合わせた質問を表示することが出来るため、アンケートの回答率向上やユーザーニーズの深い把握が期待できます。

アンケートの質問を分岐させる

アンケートの質問を分岐させることで、前の質問の回答に基づいて、次の質問の内容が自動的に変えることが可能です。特徴は前の質問の回答によって、次の質問では前問の回答理由や背景をより詳しく深堀りするように設定できることです。
例えば、ある商品の購入意向をQ1で聴取し、Q1で「購入したい」と回答した人だけに、「なぜ購入したいと思ったのか」意見や感想などを尋ねる際に活用されます。

遷移先のページを分岐させる

条件分岐には、遷移先のページを分岐させる機能があります。遷移先のページを分岐させる機能とは、前の質問の回答に応える形であらかじめ用意されたページに遷移(せんい)させる機能のことです。
遷移先のページを分岐させる機能のメリットは、ユーザーが探しているページに早く画面移動ができることです。一般的に企業のウェブサイトには、資料請求フォーム、キャンペーン応募ページ、商品の購入ページなどが用意されています。
遷移先のページを分岐させる機能を使うことで、ユーザーが早く目的のページへ飛ぶことができ、必要なアクションを起こすことが可能です。そのためウェブサイト内でユーザーが迷ってしまうことや離脱を回避することができます。

アンケートのフォームの項目を分岐させる

アンケートのフォームの項目を分岐させる機能とは、回答結果にそった入力フォームに切り替える機能のことです。一般的に企業のウェブサイトには、さまざまな入力フォームが搭載されています。主な入力フォームはログインフォーム、会員登録フォーム、注文フォーム、アンケートフォーム、お問い合わせフォームなどです。
アンケートフォームの項目を分岐させる機能は、基本的にはアンケートの質問を分岐させる機能と同じ仕組みで動いています。特徴はある特定の項目や回答を選択すると、最適な入力フォームが表示されることです。ユーザーはログインから最短で目的の入力フォームへ到達することができ、ムダな寄り道をする必要がありません。アンケートフォームの項目を分岐させる機能を搭載することで、ユーザーに必要な情報の入力までにかかるストレス発生のデメリットを回避することが可能です。企業のウェブサイトのわかりやすさ・使いやすさ・ストレスフリーな面が評価され、リピート率向上に貢献してくれます。

サンクスメールの内容を出し分ける

サンクスメールとは、アンケートに回答してくれたことへの感謝のメールのことです。アンケートの条件分岐を活用すると、アンケートの完答後にサンクスメールの内容を出し分けることができるため、ユーザーの回答内容に応じて、興味・関心に沿ったメールを送ることができ、具体的には次の通りです。
①商品購入後に、商品を購入したことへの感謝の言葉と使い方の手順を教える動画を送る
②資料請求後に、資料をご請求いただいたことへの感謝の言葉と属性が近いカテゴリーの資料を送る
③セミナー参加後に、セミナーに参加いただいたことへの感謝の言葉と個別コンサルへのお誘いメッセージを送る

このようにユーザーのアクションに応じて異なった内容のサンクスメールを出し分けることが可能なため、受け取り側に違和感を感じさせず効果的に訴求することが出来ます。

まとめ

今回は条件分岐機能を使ってアンケートで有効なデータを集める方法についてご紹介しました。一般的にアンケートは不特定の人たちに回答してもらうため、特定の回答をした人のみにさらに詳しく深堀りして聞きたい時に有効な方法が「条件分岐機能」です。条件分岐機能を使うことで、企業は狙っているユーザー層の深層心理の中の感情を知ることができます。一方で、DIYリサーチにおける条件分岐については、「複雑な条件分岐はなるべく避けるように設問設計する」ことを、実務上お勧めしたいと思います。
セルフ型アンケート作成ツール「Surveroid(サーベロイド)」では、条件分岐の設定が可能です。上記でご紹介した条件設定の仕方については、GUIのインターフェイスで設定を入れるが該当し、直感的に回答者の条件を選ぶことができます。また、条件が正しく設定されているかの確認もできるようになっています。
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