Webアンケートで使える「条件分岐」
アンケートでは、全員ではなく特定の回答をした人のみに聞きたいことがあるということも多いです。
そのようなときに回答者を限定することができなければ、対象外の人から回答が集まり集計時に有効なデータとして扱って良いか困ることがあります。
紙媒体ではなく、Webでアンケートをする場合は機械的な制御が可能で、矛盾回答を事前に防ぐことができます。
今回はWebアンケートを実施する際に、押さえておきたい基本機能の「条件分岐」について解説致します。
そのようなときに回答者を限定することができなければ、対象外の人から回答が集まり集計時に有効なデータとして扱って良いか困ることがあります。
紙媒体ではなく、Webでアンケートをする場合は機械的な制御が可能で、矛盾回答を事前に防ぐことができます。
今回はWebアンケートを実施する際に、押さえておきたい基本機能の「条件分岐」について解説致します。
条件分岐の動作
条件分岐(一部の人だけにする質問)の動作や仕様について、以下に条件分岐を含む設問の例をあげながら説明していきます。
Q1:あなたは、1週間以内にご家庭で料理をしましたか。
1 料理をした
2 料理はしなかった → Q2へ
【Q1で1「料理をした」と答えた方に】
SQ1-1:あなたがこの1週間で料理をしたときに、本・雑誌やインターネット上にあるレシピを参考にしたことがありますか。(いくつでも)
1 本・雑誌のレシピを参考にした
2 インターネット上にあるレシピを参考にした → Q2へ
3 参考にしなかった
【SQ1-1で2「インターネット上にあるレシピを参考にした」を選ばなかった方に】
SQ1-2:あなたが、インターネット上にあるレシピを参考にするのは、どんな時ですか。(いくつでも)
1 来客をもてなすとき
2 家族の誕生日や記念日など特別な日
・・・
10 インターネット上にあるレシピを参考にすることはない
Q2:あなたは、先月1か月間にご家庭で日曜大工(DIY)をしましたか。
1 日曜大工(DIY)をした
2 日曜大工(DIY)はしなかった
SQ1-1やSQ1-2が一部の人を対象にした設問になっています。こうした設問を、「付問/付帯設問(Sub Question)」ということがあります。また、Q1に対してSQ1-1やQ2を「飛び先」ということもあります。回答によって進む先、という意味です。
ページネーション型
ページネーション型のWebアンケートでは、Q1に「1 料理をした」と答えて次のページに進むとSQ1-1が表示され、Q1に「2 料理はしなかった」と答えるとQ2に進む、という動作になります。
スクロール型
スクロール型の場合には、Q1で「1 料理をした」にチェックを入れると、それまで隠されていたSQ1-1がQ1の下に表示される、という動作になると思います(ツールによってはこの機能がない~スクロール型では条件分岐を使えない)。このように、同一ページ内で付帯設問が表示/非表示される機能は、付帯設問によってその前の回答を確認するような場合、前のページに戻れる形式のアンケートの場合などに便利に使えることがあります。
条件分岐の仕様
条件分岐の設定の仕方には、「該当条件設定型」と「飛び先設定型」の2つの考え方があります。
この2つの考え方では、(1)複雑な設定が可能になる、(2)集計やレポートの際に該当者事由を記載する必要があるのでそれが明示的になる、という2つの理由から「該当条件設定型」の方が良いと思います。
しかし、調査票の構造をフローチャートのように考える場合は、「飛び先設定型」の方が理解しやすく便利になることもあります。ツールによっては、「該当条件設定型」と「飛び先設定型」の両方の機能を備えたものもあります。
条件設定の仕方については、GUIのインターフェイスで設定を入れる場合と、スクリプト的に条件を書く場合(例えば、「if Q1=1」とか)があります。スクリプトは文法を覚えるのが面倒ですが、複雑な設定になるほどスクリプトの方が効率的になるので、両方の設定機能があるツールが望ましいです。
この2つの考え方では、(1)複雑な設定が可能になる、(2)集計やレポートの際に該当者事由を記載する必要があるのでそれが明示的になる、という2つの理由から「該当条件設定型」の方が良いと思います。
しかし、調査票の構造をフローチャートのように考える場合は、「飛び先設定型」の方が理解しやすく便利になることもあります。ツールによっては、「該当条件設定型」と「飛び先設定型」の両方の機能を備えたものもあります。
条件設定の仕方については、GUIのインターフェイスで設定を入れる場合と、スクリプト的に条件を書く場合(例えば、「if Q1=1」とか)があります。スクリプトは文法を覚えるのが面倒ですが、複雑な設定になるほどスクリプトの方が効率的になるので、両方の設定機能があるツールが望ましいです。
該当条件設定型
飛び先の設問に該当条件を設定するものです。先の例でいえば、SQ1_1に対して、【Q1=1の人に質問する】という設定を入れます。いわば、「該当条件設定型」です。また、SQ1_1の上に【Q1で1「料理をした」と答えた方に】と記載がありますが、これを該当者事由といいます。
飛び先設定型
分岐元(Q1)に飛び先を設定するやり方です。つまりこの場合は、Q1の選択肢2に、【Q2へ飛ぶ】という制御を入れます。こちらは、「飛び先設定型」といえると思います。
条件分岐設計時の考え方
さて、前の例でSQ1-2の該当者事由として【SQ1-1で2「インターネット上にあるレシピを参考にした」を選ばなかった方に】と記載がありますが、これは、厳密にいうとQ1=2の人を含むか含まないかが曖昧な記述になっています。
そうしたい時もあるのですが、原則的には、「選択しなかったことを条件とする分岐は避ける」べきです。条件が論理的に複雑になってミスしやすくなりますし、回答者を戸惑わせるケースが多いと思います。
前の例のSQ1-2は、継続的利用者以外の人に、インターネットレシピの使用タイミングを問いたかったのだと思いますが、SQ1-1を答えた人全員にたずねることも可能なので、こうした場合は「質問が可能であればなるべく条件を絞らず多くの人に質問したほうがよい」という原則に従った方が良いです。条件を絞るのは集計上でできるし、集計上で絞るのが手間だという場合は、集計ツールが良くないと考えるべきです。
また、このほかツールの良しあしの評価として重要なのは、条件分岐設定後、正しく設定されているかを確認しやすいインターフェイスになっていることです。設定条件の表現、フローチャート的な確認画面など調査全体を俯瞰して条件分岐を確認できるか、など、ツールによっていろいろと工夫がされていると思います。特に、分岐元の設問を修正したときに、飛び先の設定に修正が必要になることがあるので、この場合にミスをしないような確認機能が望ましいです。
そうしたい時もあるのですが、原則的には、「選択しなかったことを条件とする分岐は避ける」べきです。条件が論理的に複雑になってミスしやすくなりますし、回答者を戸惑わせるケースが多いと思います。
前の例のSQ1-2は、継続的利用者以外の人に、インターネットレシピの使用タイミングを問いたかったのだと思いますが、SQ1-1を答えた人全員にたずねることも可能なので、こうした場合は「質問が可能であればなるべく条件を絞らず多くの人に質問したほうがよい」という原則に従った方が良いです。条件を絞るのは集計上でできるし、集計上で絞るのが手間だという場合は、集計ツールが良くないと考えるべきです。
また、このほかツールの良しあしの評価として重要なのは、条件分岐設定後、正しく設定されているかを確認しやすいインターフェイスになっていることです。設定条件の表現、フローチャート的な確認画面など調査全体を俯瞰して条件分岐を確認できるか、など、ツールによっていろいろと工夫がされていると思います。特に、分岐元の設問を修正したときに、飛び先の設定に修正が必要になることがあるので、この場合にミスをしないような確認機能が望ましいです。
まとめ
条件分岐の設定機能や確認インターフェイスについて書いてきたのですが、結局のところDIYリサーチにおける条件分岐については、「複雑な条件分岐はなるべく避けるように設問設計する」ことを、実務上お勧めしたいと思います。
セルフ型リサーチサービスの「Surveroid(サーベロイド)」では、条件分岐の設定が可能です。上記でご紹介した条件設定の仕方については、GUIのインターフェイスで設定を入れるが該当し、直感的に回答者の条件を選ぶことができます。また、条件が正しく設定されているかの確認もできるようになっています。詳しいサービス内容は下記ボタンからご確認ください。
セルフ型リサーチサービスの「Surveroid(サーベロイド)」では、条件分岐の設定が可能です。上記でご紹介した条件設定の仕方については、GUIのインターフェイスで設定を入れるが該当し、直感的に回答者の条件を選ぶことができます。また、条件が正しく設定されているかの確認もできるようになっています。詳しいサービス内容は下記ボタンからご確認ください。
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