目次
そこで今回は、CEP(カテゴリーエントリーポイント)という考え方を使って、炭酸飲料11ブランドが「どのような場面で思い出されているのか」を調査しました。
「炭酸飲料といえば」で思い浮かぶブランドだけでなく、「喉が渇いたとき」「食事のとき」「リフレッシュしたいとき」など、場面ごとにブランド想起を比較すると、それぞれ異なる特徴が見えてきます。
調査概要
まず幅広い対象者に飲用実態・想起・新商品の認知を聞くスクリーニング調査を行い、その回答者のうち炭酸飲料を飲む方に、場面ごとのブランド想起をたずねる本調査を実施しました。
さらに、話題の新商品「NOPE」を飲んだことがある方には、飲み方や継続飲用の状況などを深掘りする追加調査を行いました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 調査手法 | インターネットリサーチ(Webアンケート) |
| 使用ツール | セルフ型アンケートツール「Surveroid(サーベロイド)」 |
| 調査期間 | 2026年8月18日〜8月24日 |
| 対象者 | 全国/15〜69歳/炭酸飲料の飲用者 |
| 回収方法 | スクリーニング:日本の人口構成比で配信/本調査:炭酸飲料飲用者の性年代構成に合わせて回収 |
| サンプルサイズ | スクリーニング調査:n=4,804/本調査:n=2,000/NOPE深掘り調査:n=553 |
「炭酸といえば?」で思い浮かぶのは、やはり定番ブランド
「炭酸を2〜3か月に1回以上飲む人」を対象に、「炭酸飲料といえば、思い浮かぶ商品は?」と自由に挙げてもらいました。

一方、NOPEはブランド名を提示した場合の認知率が65.5%、飲用経験率が29.3%でした。一定の認知や飲用経験はあるものの、「炭酸飲料といえば」という問いに対して自発的には想起されにくい状態であることが分かります。
炭酸を2〜3か月に1回以上飲む人 n=2,942
認知(知っている計 65.5%)
そもそも、炭酸は「どんなときに」飲みたくなるのか

一方、「ご褒美」(17.5%)、「ストレス発散」(17.3%)、「背徳感」(6.7%)といった気分・情緒に関する場面は、相対的に割合が低くなっています。
炭酸飲料では「リフレッシュ」「喉の渇き」「暑い日」といったCEPが広く存在する一方、情緒的なCEPは比較的限定されていることが分かります。このCEP自体の広がりも、ブランドとの結びつきを考えるうえで重要なポイントです。
同じ炭酸でも、世代で「飲みたくなる場面」が異なる

反対に「喉が渇いた」「リフレッシュ」は40〜50代で高い傾向が見られ、「喉が渇いた」は50代で45%、「リフレッシュ」は50代で51%と最も高くなりました。
若い世代では「ご褒美」「みんなで集まる」といった特別感や楽しさに関する場面、中高年では「喉の渇き」「リフレッシュ」といった日常的・実用的な場面が比較的多いことが分かります。

「飲みたくなる場面」で見るブランドごとの想起の違い
「喉が渇いたとき」「揚げ物を食べるとき」「自分へのご褒美に」といった10の場面それぞれについて、思い浮かぶ炭酸飲料を11ブランドの中から選んでもらいました。
ブランド名を提示しない自由回答とは別に、具体的な場面ごとに想起を確認することで、「どのブランドが、どのCEPと結びついているのか」を比較します。
単純な想起人数だけでは、ブランド規模の影響を受ける
そこで今回は、各ブランド・各場面について「その規模であればどの程度想起されると考えられるか」という期待値を算出し、実際の想起数との差を確認しました。
プラスの値が大きいほど、そのブランド全体の想起規模に対して、そのCEPで相対的に強く想起されていることを示します。反対にマイナスの場合は、そのCEPとの結びつきが相対的に弱いことを表します。
CEPごとのブランド想起を比較する
赤が濃いほど、ブランド全体の想起規模に対して、そのCEPで相対的に強く想起されていることを示します。反対に青は、相対的に結びつきが弱いCEPを示しています。
炭酸飲料 CEP想起マップ(実測-期待値)
n=2,000/各マスは「実際の想起数-期待値」
| 喉が 渇いた |
暑い日 | リフレッ シュ |
揚げ物 ・食事 |
運動後 | 甘さ 控えめ |
眠気 覚まし |
ご褒美 | ストレス | 背徳感 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| コカ・コーラ | -50 | -83 | -13 | +292 | -103 | -215 | -44 | +12 | +92 | +112 |
| ペプシコーラ | -28 | -32 | -31 | +102 | -32 | -59 | -3 | +1 | +34 | +48 |
| 三ツ矢サイダー | +182 | +122 | +15 | -99 | +89 | +3 | -96 | -46 | -65 | -105 |
| スプライト | +24 | +44 | -14 | +43 | +37 | +27 | -45 | -44 | -14 | -58 |
| ファンタ | +42 | -10 | +47 | +5 | -15 | -88 | -98 | +75 | +4 | +38 |
| C.C.レモン | +26 | +94 | +83 | -96 | +14 | +47 | -23 | -22 | -35 | -88 |
| カナダドライ ジンジャーエール | -59 | -52 | +14 | +41 | -20 | +80 | +5 | +31 | -11 | -29 |
| カルピスソーダ | +28 | +47 | +45 | -107 | +45 | -40 | -78 | +103 | -33 | -9 |
| ギルティ炭酸 NOPE | -60 | -56 | -27 | -35 | -37 | -34 | +37 | +6 | +52 | +153 |
| ウィルキンソン タンサン | -14 | +22 | -87 | -54 | +84 | +307 | +35 | -117 | -67 | -109 |
| モンスターエナジー | -91 | -96 | -32 | -92 | -62 | -29 | +311 | +2 | +43 | +47 |
| -150 | +150 |
数値は本調査(n=2,000)の集計に基づきます。期待値は「各場面の想起合計 × 各ブランドの想起合計 ÷ 全体合計」で算出しています。
ブランドによって強く結びつくCEPが異なる
コカ・コーラ ― 「揚げ物・食事」(+292)が特に高く、食事場面との強い結びつきが見られました。
三ツ矢サイダー ― 「喉が渇いた」(+182)、「暑い日」(+122)が高く、喉の渇きや暑さに関するCEPで強い結果となりました。
モンスターエナジー ― 「眠気覚まし・集中」(+311)が突出しており、エナジードリンクの特徴と一致する結果となっています。
ウィルキンソン(無糖) ― 「甘さ控えめ・さっぱり」(+307)が突出しており、無糖炭酸ならではの特徴が表れています。
カルピスソーダ ― 「自分へのご褒美」(+103)が高く、気分や楽しさに関連するCEPとの結びつきが見られました。
NOPE(新商品) ― 「背徳感」(+153)が最も高く、“ギルティ炭酸”という商品コンセプトと関連するCEPで強い結びつきが見られました。
CEPという観点から分析することで、単純なブランド認知度や想起率だけでは捉えにくい、ブランドと購買・利用場面との結びつきを確認できます。
コカ・コーラは幅広い場面で想起されている
実際の想起率、つまり補正前の人数で見ると、コカ・コーラは10場面のうち9場面で最も多く想起されていました。特定の場面だけではなく、幅広いCEPで想起されているブランドであることが分かります。
一方、実測値と期待値の差を見ると、特に高くなるのは「食事」など一部のCEPです。
つまり、コカ・コーラは幅広いCEPで高い想起を獲得しながら、その中でも特に「食事」との結びつきが強いブランドと捉えることができます。
特定のCEPで特徴が際立つウィルキンソンやモンスターエナジーとは、異なる想起のされ方をしていることが分かります。
話題の新商品「NOPE」はどのCEPと結びついているのか
先ほどの「炭酸飲料といえば?」という自由回答でNOPEを挙げた人は1.7%でした。一方、ブランド名を提示した場合の認知率は65.5%、飲用経験率は29.3%です。
一定の認知・飲用経験はあるものの、炭酸飲料カテゴリーから自発的に想起される割合はまだ低い状態でした。
では、具体的なCEPとの結びつきはどうでしょうか。

発売から間もない時点では、炭酸飲料の主要なCEPである「喉の渇き」「暑い日」「食事」よりも、「背徳感」「ストレス発散」といった情緒的なCEPとの結びつきが特徴として表れていることが分かります。
特に「背徳感」は、今回調査した他ブランドと比較してもNOPEの値が高く、“ギルティ炭酸”という商品コンセプトと関連する結果となりました。
ただし、今回の結果は発売から間もない時点での調査結果です。今後、認知や飲用経験が広がることで、結びつくCEPがどのように変化するかは継続して確認する必要があります。
「試した」その先 ― NOPEは継続して飲まれているのか
NOPEを飲んだことがある553人を対象に、追加でアンケートを実施しました。
飲用経験者のうち、「気に入ってリピート」は16.5%
NOPEの飲み方 ― 定着ファネル
NOPEを飲んだことがある人 n=553
試しに1回だけ飲んだ 53.5%(296人)
何回か飲んだ(まだ習慣ではない) 30.0%(166人)
気に入ってリピート
16.5%(91人)
「何回か飲んだ(まだ習慣ではない)」は30.0%、「気に入ってリピート」は16.5%でした。
飲用経験者の半数以上が1回の飲用にとどまっており、継続的に飲んでいる人は現時点では一部であることが分かります。
1回の飲用で終わった理由は「1回試せば満足した」が最多

「1回試せば満足した」という回答が最多だったことから、商品への関心から一度は飲んだものの、継続飲用には至らなかった人が一定数いることがうかがえます。
複数回飲んでいる人と1回で終わった人は、何が違うか

特に「クセになる・やみつき」は、お試し層の13%に対して複数回飲用層では42%と、大きな差が見られます。NOPEを継続して飲んでいる人ほど、商品の刺激や個性に加えて、「ストレス発散」「ご褒美」といった情緒的な価値を感じている傾向が見られました。
複数回飲んだ人は、どんな場面で飲んでいるか
では、実際に複数回飲んだ人はどのような場面でNOPEを飲んでいるのでしょうか。

CEPの分析で見られた情緒的な場面が、実際の飲用場面にも含まれていることが分かります。
想起される場面と実際に飲用される場面は同じ指標ではありませんが、NOPEでは「ご褒美」「ストレス発散」といった情緒的な場面が両方に表れている点が特徴的です。
NOPEを知ったきっかけは「テレビCM」と「店頭」が上位

なお、これはNOPEを飲んだことがある人が「どこで商品を知ったか」を示す結果であり、NOPEに関する話題全体がどの媒体から広がったのかを示すものではありません。
飲用経験者においては、テレビCMと店頭が商品を知る主要な接点となっていたことが分かります。
まとめ:CEPで見ると、ブランドごとの想起の特徴が見えてくる
「甘さ控えめ」ではウィルキンソン、「眠気覚まし」ではモンスターエナジー、「食事」ではコカ・コーラなど、それぞれ特徴的なCEPが見られます。NOPEでは、「背徳感」や「ストレス発散」といった情緒的なCEPとの結びつきが特徴的でした。
このようにCEPの観点から見ることで、ブランド認知度だけでは捉えにくい、ブランドと購買・利用場面との結びつきを把握できます。
CEPの意味や、自社ブランドのCEPを見つける方法、アンケートでの調査方法については、以下の記事でも詳しく解説しています。
カテゴリーエントリーポイントとは?重要性や見つけ方と具体例を解説
自社ブランドとCEPの結びつきをアンケートで調査する
たとえば、以下のような内容を確認できます。
・カテゴリーの商品・サービスが必要になる場面(CEP)
・CEPごとに思い浮かぶブランド
・自社ブランドと競合ブランドの想起の違い
・性別・年代などによるCEPの違い
・施策実施前後でのブランド想起の変化
セルフ型リサーチサービス「Surveroid(サーベロイド)」では、調査モニターへのアンケート配信から回答データの回収・集計まで、Web上で実施できます。
今回のようなCEP調査も、自社でアンケートを作成して実施できます。自社ブランドがどのような購買・利用場面と結びついているのかを確認したい場合に、ぜひご活用ください。
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