目次
たとえば、「仕事終わりに気分転換したい」「家族と休日のランチを楽しみたい」といった状況がCEPの一例です。こうした購買状況とブランドの記憶上の結びつきを増やすことで、その場面で自社ブランドが思い出されやすくなり、メンタルアベイラビリティの向上につながります。
本記事では、カテゴリーエントリーポイントの意味や重要性、BtoC・BtoBでの具体例、7つのWを使った見つけ方、インタビューやアンケートを活用した調査方法、マーケティング施策への活用方法まで解説します。

カテゴリーエントリーポイント(CEP)とは
ブランドが購買場面で思い出される機会を考えるうえで重要なマーケティング概念です。
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| カテゴリーを必要とするきっかけ | CEPは、消費者がカテゴリーの購入・利用を考え始める状況や目的、感情などを指す |
| メンタルアベイラビリティとの関係 | CEPとブランドの記憶が結びつくことで、購買場面でブランドが思い出されやすくなる |
消費者がカテゴリーを必要とするきっかけ
たとえば栄養バーであれば、「残業中に小腹が空いたとき」「忙しい朝に手軽に食事を済ませたいとき」「運動後に栄養を補給したいとき」など、同じカテゴリーでも購入・利用を考えるきっかけは複数存在します。
消費者がこうした状況になったとき、そのCEPと強く結びついているブランドほど思い出されやすくなり、購入時の選択肢に入りやすくなると考えられます。そのため、自社ブランドがどのCEPと結びついているのか、またカテゴリーにはどのようなCEPが存在するのかを把握することが重要です。
メンタルアベイラビリティと深く関係する
メンタルアベイラビリティとは、消費者が購買場面に直面したときに、ブランドを思い出しやすい状態を指します。
単にブランド名を知っているだけでは、実際の購買場面でそのブランドが候補に挙がるとは限りません。「仕事の合間にリフレッシュしたい」「休日の朝にゆっくり過ごしたい」といった具体的なCEPとブランドの記憶が結びついていることで、その状況になったときにブランドを想起しやすくなります。
そのため、ブランド認知を高めるだけでなく、カテゴリーが必要になるさまざまな場面とブランドを結びつけることが、メンタルアベイラビリティを高めるうえで重要になります。
CEPが重要な理由
| CEP活用のメリット | 内容 |
|---|---|
| ブランド想起の機会を増やす | 複数のCEPとブランドを結びつけ、さまざまな購買場面で思い出される可能性を高める |
| 幅広い購買機会との接点を作れる | これまでブランドが想起されていなかった状況にも目を向け、新たな需要との接点を探る |
ブランドが想起される機会を増やせる
たとえば飲料であれば、「食事と一緒に飲みたい」「仕事中に気分転換したい」「運動後に喉を潤したい」など、さまざまなCEPが考えられます。
自社ブランドが1つのCEPとしか結びついていなければ、それ以外の場面では別のブランドが思い出される可能性があります。一方、複数のCEPとブランドの記憶を結びつけることで、より多くの購買場面で自社ブランドが想起される可能性を高められます。
そのため、特定のCEPだけで強いブランドを目指すのではなく、カテゴリー購入者にとって重要なCEPを把握し、自社ブランドとの結びつきを広げていく視点が重要です。
幅広い購買機会との接点を作れる
たとえば「仕事終わりに利用する商品」と考えていたものでも、調査をしてみると「休日に家族と過ごすとき」「自宅で一人の時間を楽しみたいとき」など、異なるCEPが存在しているかもしれません。
こうしたカテゴリー購入者の実際の利用文脈を把握することで、商品の機能そのものを変えなくても、広告やコミュニケーションで取り上げる場面を広げられる可能性があります。
また、自社ブランドだけを見るのではなく、カテゴリー全体でどのCEPが重要なのか、各CEPでどのブランドが想起されているのかを比較することも重要です。自社との結びつきが弱いCEPを把握できれば、今後強化すべきコミュニケーションを検討する材料になります。
CEPの具体例
ここでは、BtoCとBtoBの例を見てみましょう。
| 業界・商材 | CEPの例 |
|---|---|
| 飲食・飲料(BtoC) | 「仕事終わりに気分転換したい」「家族と休日の食事を楽しみたい」 |
| BtoBサービス | 「法改正への対応が必要になった」「既存システムの更新時期を迎えた」 |
飲食・飲料におけるCEPの例
たとえば炭酸飲料であれば、「暑い日に喉を潤したい」「食事と一緒にさっぱりしたものを飲みたい」「仕事の合間にリフレッシュしたい」「お風呂上がりに爽快感を味わいたい」といった状況が考えられます。
同じ商品カテゴリーであっても、消費者が必要とするきっかけは1つではありません。カテゴリーに存在するさまざまなCEPを捉えることが、ブランドが想起される機会を考える出発点になります。
BtoB商材におけるCEPの例
たとえば業務システムであれば、「法改正への対応が必要になった」「既存システムが老朽化した」「担当者の作業負荷が増えた」「組織拡大によって従来の管理方法では対応できなくなった」といった状況が、サービスカテゴリーを検討するきっかけになります。
BtoBでは、業務上の課題だけでなく、組織の変化や制度変更などもカテゴリーを検討する起点になり得ます。
また、「何らかの業務課題が発生した瞬間」に、どのサービスや企業が思い出されるかが重要になります。
そのため、商品機能だけを訴求するのではなく、顧客企業が課題を認識する具体的な状況とブランドを結びつけて発信する考え方が有効です。
自社に合うCEPの見つけ方
| 見つけ方のステップ | 具体的な進め方 |
|---|---|
| CEP候補を探索する | カテゴリー購入者へのアンケートやインタビューから、実際の購買・利用状況や目的、感情などを収集する |
| 7つのWで整理する | Why・When・Whereなどの7つの観点から購買文脈を整理し、CEP候補を幅広く洗い出す |
カテゴリー購入者の実際の購買文脈からCEP候補を探る
たとえば、
・どのようなときにこのカテゴリーの商品が欲しくなりますか
・直近で購入したのはどのような場面でしたか
・そのとき、何をしようとしていましたか
・誰と一緒にいましたか
・どのような気分でしたか
といった質問が考えられます。
最初から選択肢を企業側で決めすぎると、想定外のCEPを取りこぼす可能性があります。
探索段階では自由回答やインタビューなどを使って生活者自身の言葉を集め、そこからCEP候補を整理する方法が有効です。
7つのWからCEP候補を洗い出す
| 7つのW | 確認する内容 |
|---|---|
| Why | なぜ、そのカテゴリーを必要とするのか |
| When | いつ必要になるのか |
| Where | どこで必要になるのか |
| with Whom | 誰と一緒のときか |
| with What | 何と一緒に利用するのか |
| While | 何をしながら利用するのか |
| hoW feeling | どのような気持ちのときか |
7つのWはすべてを必ず使う必要があるわけではありません。特定のWだけを見るのではなく、さまざまな購買文脈を見落とさないための補助的なフレームワークとして活用するとよいでしょう。
CEPを調査する方法
まず調査対象となるカテゴリー購入者を定め、インタビューなどからCEP候補を探索します。その後、見つかった候補をアンケートの設問に落とし込み、各CEPの広がりやブランドとの結びつきを定量的に確認します。
調査対象となるカテゴリー購入者を決める
自社ブランドの利用者だけを対象にすると、すでに自社ブランドと結びついている購買・利用場面に結果が偏る可能性があります。そのため、自社ブランドだけでなく競合ブランドの利用者も含め、そのカテゴリーの商品・サービスを購入・利用している人を対象にすることが重要です。
たとえば炭酸飲料のCEPを調べる場合であれば、特定ブランドの利用者だけではなく、炭酸飲料を購入・飲用している人を対象にします。カテゴリー全体を起点に調査することで、自社ブランドがまだ十分に結びついていないCEPも捉えやすくなります。
インタビューでCEP候補を探索する
「最近この商品を購入したときのことを教えてください」「なぜそのタイミングで必要になりましたか」など、実際の経験を時系列で深掘りすることで、本人が普段は意識していない購買・利用のきっかけが見えてくることがあります。
ここで重要なのは、最初から自社ブランドについて聞きすぎないことです。
「自社商品をどのようなときに使いますか」と聞くと、すでにブランドを利用している人の文脈に限定されてしまいます。
まずはカテゴリーそのものを起点に利用状況を聞き、前述した「7つのW」なども参考にしながら、カテゴリー購入者が持つさまざまなCEP候補を探ります。
CEP候補をもとにアンケートを設計する
たとえば炭酸飲料であれば、「暑い日に喉を潤したい」「食事と一緒にさっぱりしたものを飲みたい」「仕事の合間にリフレッシュしたい」といったCEP候補を整理し、それぞれについてブランドとの結びつきを確認できるように設問を設計します。
また、必要な回答数は調査の目的によって異なります。カテゴリー全体の傾向を把握する場合と、性別や年代などの属性別に比較する場合では、必要なサンプル数も変わります。属性別の違いまで分析したい場合は、比較したいグループごとに十分な回答数を確保できるよう設計することが重要です。
アンケートでCEPとブランドの結びつきを検証する
たとえば、
「仕事の合間にリフレッシュしたいとき、思い浮かぶ炭酸飲料をすべてお選びください」
のように、複数のCEPに対して同じ質問を行うことで、
・自社ブランドがどのCEPで思い出されているか
・競合ブランドがどのCEPで強いか
・自社ブランドとの結びつきが弱いCEPはどこか
といった状況を比較できます。
また、各CEPがカテゴリー購入者にどの程度当てはまるのかもあわせて確認することで、カテゴリー内でのCEPの広がりを把握できます。
CEPの広がりとブランドとの結びつきをあわせて見ることで、どのCEPをマーケティング施策で強化するかを検討する材料になります。さらに、性別や年代などの属性別に分析すれば、消費者層によってCEPやブランド想起に違いがあるかを確認することもできます。
セルフ型リサーチツールを活用して検証を続ける
セルフ型のリサーチツールを活用すれば、調査会社へ都度依頼するのではなく、担当者自身でアンケートの作成や配信、結果確認を行えるため、必要なタイミングで調査を実施しやすくなります。
たとえば、最初の調査で見つかったCEPについて追加で回答を集めたり、広告施策の実施前後でブランド想起の変化を確認したりするなど、目的に応じて調査を繰り返すことができます。
Surveroidでは、アンケート調査に加えてオンラインインタビューも実施できるため、インタビューでCEP候補を探索し、アンケートで定量的に検証し、施策後に再測定するといった一連の調査にも活用できます。
自社ブランドのCEPを調べてみませんか?
Surveroidなら、カテゴリー購入者へのインタビューによるCEP候補の探索から、
アンケートによるブランドとの結びつきの検証まで、自社で進められます。
CEPをマーケティング施策に活かす方法
どのCEPを優先するか決め、ブランドとその購買状況を結びつけるコミュニケーションを継続して行うことが重要です。
強化するCEPを選ぶ
CEP自体の広がりや、自社ブランドとの現在の結びつき、競合ブランドの状況などを比較し、優先順位を付けます。
競合が強いCEPだから必ず避けるということではありません。
カテゴリー購入者にとって重要なCEPであれば、競合が強くても自社がブランドとの結びつきを強化する価値がある場合もあります。
CEPとブランドを結びつけるメッセージを作る
たとえば「仕事の合間にリフレッシュしたい」というCEPを強化するなら、その場面を広告の中で具体的に描きながらブランドを提示します。
重要なのは、商品機能だけを説明するのではなく、「どのような場面で、このブランドが役立つのか」を消費者が理解しやすい形で伝えることです。
適した媒体で継続的に発信する
テレビCMやWeb広告、SNS、店頭販促など、カテゴリー購入者へ十分にリーチできる媒体を使って、一貫した購買文脈を継続的に提示します。
媒体ごとに伝える内容を大きく変えるのではなく、優先するCEPとブランドとの結びつきを一貫して伝えることが重要です。
CEPとブランドの結びつきを再測定する
たとえば、
「仕事の合間にリフレッシュしたいとき」
というCEPで自社ブランドを想起する人が、施策前後でどの程度変化したかを測定します。
こうした定点観測を行えば、広告施策によって狙ったCEPとの関連が強まっているかを確認できます。
CEPは一度調査して終わりではなく、
探索 → 測定 → 施策 → 再測定
というサイクルで継続的に見直すことが重要です。
カテゴリーエントリーポイント(CEP)に関するよくある質問
QCEPとブランド認知の違いは何ですか?
A
ブランド認知が「そのブランドを知っているか」を示すのに対し、CEPでは「どのような購買状況でブランドが思い出されるか」に注目します。
ブランド名を知っていても、実際の購買場面で思い出されなければ購入候補に入りにくい場合があります。そのためCEPでは、カテゴリーを必要とする具体的な状況や目的とブランドを記憶上で結びつけることが重要です。
QCEPは多ければ多いほど良いのでしょうか?
A
ブランドと結びつくCEPが増えることは、さまざまな購買場面でブランドが思い出される機会を増やすことにつながります。
ただし、すべてのCEPに同じように投資すればよいわけではありません。カテゴリー購入者にとっての重要性や、自社ブランドとの親和性、競合ブランドとの結びつきなどを確認し、優先度の高いCEPから取り組むことが重要です。
QCEPはアンケートで調査できますか?
A
はい。アンケートを使ってCEP候補の探索や、CEPと各ブランドの結びつきを定量的に測定できます。
たとえば、自由回答で「どのようなときに炭酸飲料を飲みたくなるか」を聞いてCEP候補を整理し、その後「仕事の合間にリフレッシュしたいときに思い浮かぶブランド」のように質問することで、CEPごとのブランド想起状況を比較できます。
まとめ
重要なのは、CEPそのものを自社独自のものとして作ることではなく、カテゴリー購入者が持つさまざまなCEPを理解し、その中で自社ブランドとの記憶上の結びつきを増やすことです。
CEPを調査する際は、まずカテゴリー購入者から実際の購買状況を探索し、「7つのW」などを使って候補を整理します。その後、アンケート調査によってCEPと各ブランドの結びつきを測定し、自社が強化すべきCEPを決めます。
施策実施後も同じ指標を継続的に測定し、
CEPの探索 → 定量的な測定 → コミュニケーション施策 → 再測定
というサイクルを回すことが、メンタルアベイラビリティを高めていくうえで重要です。
セルフ型ネットリサーチツール「Surveroid」のご紹介
Web上でアンケートを作成し、調査モニターへの配信から回答データの回収・集計までを自社で行うことができます。また、条件に合う対象者を募集してオンラインインタビューを実施することも可能です。
CEP調査では、カテゴリー購入者を対象に利用場面や購買のきっかけを調査したり、CEPごとに思い浮かぶブランドを測定したりする用途に活用できます。
たとえば、
・カテゴリー購入者からCEP候補を収集する
・それぞれのCEPで想起されるブランドを調査する
・自社と競合の想起状況を比較する
・性別や年代などの属性別にCEPとの結びつきを分析する
・施策実施後に同じ調査を行い、変化を確認する
といった調査を自社で実施できます。
◆こんな方におすすめです
・自社ブランドのカテゴリーエントリーポイントを調査したい
・消費者のリアルな利用場面や購買のきっかけを把握したい
・自社ブランドと競合ブランドの想起状況を比較したい
・CEP施策の前後でブランドとの結びつきの変化を測定したい
・アンケートとインタビューを組み合わせてマーケティングリサーチを行いたい
顧客理解のためのリサーチをはじめませんか?
-
サービス概要・活用事例を知りたい方資料ダウンロード
-
CEP調査を自社で始めてみたい方無料でリサーチをはじめる