SWOT分析とは?初心者でも分かるやり方と具体例【事例付き】

26 2026.02

マーケティング

目次

事業計画やマーケティング戦略を立てるとき、「現状をどう整理すればいいかわからない」「戦略に根拠を持たせられない」と手が止まることはありませんか。
SWOT分析は、強み・弱み・機会・脅威の4視点で状況を整理し、“勝てる打ち手”を論理的に導くためのフレームワークです。
本記事では、SWOT分析の基本から、手順、クロスSWOTでの戦略立案、注意点、企業事例までをまとめて解説します。読み終えるころには、会議前でも迷わず分析を組み立てられるようになります。
SWOT分析とは?目的から具体的なやり方、成功事例まで分かりやすく解説

SWOT分析とは何か?

SWOT分析は、企業のStrength(強み)、Weakness(弱み)という内部環境と、Opportunity(機会)、Threat(脅威)という外部環境を4軸で整理するフレームワークです。
自社を取り巻く要因を「内部環境」と「外部環境」に分け、さらにそれらをプラス面・マイナス面で分類することで、4つの要素から多角的に状況を捉えます。

ポイントは、漠然とした情報を「構造」に落とすことです。情報が整理されると、議論の土台がそろい、意思決定に必要な根拠も提示しやすくなります。

【関連記事】市場調査とは?代表的な10の手法と種類、やり方、メリットを解説

内部環境と外部環境を分析するフレームワーク

SWOT分析では、分析対象を次の2つに分けます。

内部環境:自社の努力で改善・変更しやすい要素(例:技術、人材、資金、ブランド、営業力など)
外部環境:自社だけでは変えにくい前提条件(例:市場動向、法律改正、競合の動き、景気、社会トレンドなど)

まず「外部環境(前提条件)」を押さえたうえで、「内部環境(自社の持ち札)」を整理すると、主観に引っ張られにくく、より現実的な分析になります。

4つの要素(強み・弱み・機会・脅威)で構成される

SWOTは4要素の頭文字です。
要素 分類 意味 具体例
S:Strength(強み) 内部×プラス 目標達成に貢献する自社の特長 独自技術、ブランド力、顧客基盤
W:Weakness(弱み) 内部×マイナス 目標達成の障害となる課題 人材不足、低い知名度、コスト高
O:Opportunity(機会) 外部×プラス 追い風となる市場の変化 市場拡大、規制緩和、競合撤退
T:Threat(脅威) 外部×マイナス リスクとなる市場の変化 市場縮小、規制強化、新規参入
内部×外部、プラス×マイナスをマトリクスで整理することで、情報が一気に見通しやすくなります。

経営戦略・マーケティング・キャリアにも活用できる

SWOT分析は経営戦略だけでなく、事業部の計画や特定商品のマーケティング戦略にも活用できます。例えば、新商品を開発する際に市場のニーズ(機会)と自社の技術(強み)が合致しているかを確認したり、既存事業の撤退ライン(脅威と弱みの重なり)を見極めたりするのにも有効です。さらには、個人のキャリア戦略を考える際にも応用できるため、ビジネスパーソンとして必須のスキルといえるでしょう。

なぜ今SWOT分析が重要なのか?

デジタル化・グローバル化が進み、変化のスピードが増すほど「状況整理」と「意思決定の根拠」が重要になります。SWOT分析が今も広く使われるのは、複雑な情報を整理し、意思決定の精度を高めるプロセスとして有効だからです。

市場の変化を正確に捉える必要がある

現代のビジネスでは、昨日までの成功法則が明日には通用しなくなることが珍しくありません。スマートフォンの普及やAI技術の進化など、外部環境の変化は企業の存続に直結するほどの影響力を持っています。SWOT分析を行うことで、こうした外部環境の変化(機会や脅威)を定期的にチェックし、感度高く市場の動きを捉える習慣がつきます。変化に気づかないまま事業を続けるリスクを減らし、早期に対策を打つためのレーダーとしての役割を果たすのです。

自社の立ち位置を客観的に把握できる

私たちは普段、自社のことについては「わかっているつもり」になりがちです。
しかし、主観的な思い込みだけで「自社の商品は優れている」と判断するのは危険です。
競合他社と比較したり、市場のニーズと照らし合わせたりすることで、初めて本当の強みや弱みが見えてきます。
SWOT分析というフレームワークを通すことで、主観を排除し、客観的な視点から冷静に自社の立ち位置を見つめ直すことができます。

根拠に基づき戦略を立てられる

戦略会議などで意見が対立した際、声の大きい人の意見が通ってしまった経験はないでしょうか。
感覚や思いつきで議論をすると、どうしても納得感のない結論になりがちです。
SWOT分析によって整理された事実は、チーム全員が共有できる共通言語となります。
「外部がこう変化し(O/T)、自社にはこれがある(S/W)から、この戦略をとる」という構造で議論できるため、納得感のある意思決定につながります。

SWOT分析の具体的な進め方(手順)

それでは、実際にSWOT分析を進めるための具体的な手順を解説します。
SWOT分析は、ただ項目を埋めるだけでは精度が上がりません。おすすめは次の順番です。
1)目的設定 → 2)外部環境(O/T) → 3)内部環境(S/W) → 4)マトリクス整理

手順1:分析の目的を明確に設定する

分析を始める前に最も重要なのは、「何のためにSWOT分析を行うのか」という目的をはっきりさせることです。
目的が曖昧なまま進めると、集める情報や議論の方向性がブレてしまい、結論の出ない分析になりがちです。
例えば、
・来年度の事業計画を立てる
・新商品の販売戦略を作る
・差別化ポイントを明確にする
このように、具体的なゴールを設定しましょう。

目的が定まると、「何を機会と捉えるか」「何を強みと定義するか」という判断基準が明確になります。

手順2:外部環境(機会・脅威)を洗い出す

次に、自社では直接コントロールできない外部環境を整理します。
いきなり内部環境(強み・弱み)から始めると主観が入りやすいため、まずは客観的な事実から押さえるのが基本です。
外部環境は以下の2つに分類します。
・機会(Opportunity):自社にとって追い風となる変化
・脅威(Threat):自社にとってリスクとなる変化

網羅的に整理するには、
政治(Politics)・経済(Economy)・社会(Society)・技術(Technology)の観点で見るPEST分析を活用すると効果的です。
例)
・円安が進んでいる
・リモートワークが定着した
・AI技術が進化している

手順3:内部環境(強み・弱み)を洗い出す

外部環境が整理できたら、それに対して自社がどのようなリソースを持っているか、「内部環境」を分析します。
内部環境は次の2つに分けます。
・強み(Strength)
・弱み(Weakness)

ここでのポイントは、「相対評価」で考えることです。
自社単体で見るのではなく、競合比較や顧客視点を踏まえることで具体性が高まります。

× 技術力がある
○ 競合A社より耐久性に優れた素材技術を保有している
このように具体化することで、後の戦略立案に活かしやすくなります。

また、外部環境と照らし合わせながら、「この市場変化に対して、自社のどこが武器になるのか」「どこが足りないのか」という視点で整理すると、分析の質が一段上がります。

手順4:4つの要素をマトリクスに整理する

最後に、洗い出した
・強み(S)
・弱み(W)
・機会(O)
・脅威(T)
を1つのマトリクス表にまとめます。

この段階では、まだ戦略を決定しません。
目的は、事実関係を構造化し、全体像を可視化することです。
・要素同士に矛盾はないか
・根拠が曖昧な項目はないか
・重複している項目はないか
を確認し、分析の土台を整えます。

この整理ができて初めて、次の「クロスSWOT分析(戦略立案)」に進む準備が整います。
プラス要因 マイナス要因
内部環境 S (強み) Strengths

独自の技術特許がある/顧客ロイヤリティが高い

W (弱み) Weaknesses

営業人員が不足/Webマーケが弱い

外部環境 O (機会) Opportunities

市場規模が拡大/競合が撤退

T (脅威) Threats

原材料価格が高騰/法規制強化の可能性

【実践】クロスSWOT分析で戦略を立案する

SWOT分析は、4要素の整理で終わると“棚卸し”で止まってしまいます。
ここから具体的な戦略アクションを導くために行うのが「クロスSWOT分析」です。
クロスSWOT分析とは、4つの要素を掛け合わせることで、具体的な戦略オプションを考える手法です。

強み×機会(S×O)|積極化戦略

市場の追い風(O)を活かし、自社の強み(S)で伸ばすことで、事業を大きく成長させるための「積極化戦略」を考える領域です。
例:市場拡大の波に乗って、強みの技術で新商品を投入する。
例:競合撤退の機会を逃さず、豊富な資金力でシェアを一気に獲得する。

リソースを最優先で投下すべき、攻めの戦略領域といえます。

強み×脅威(S×T)|差別化戦略

脅威(T)を強み(S)で跳ね返す領域です。
例:格安競合参入(T)に対し、手厚いサポート(S)で対抗する。
例:原材料高騰(脅威)に対して、生産効率の高さ(強み)でコスト上昇を吸収する。

脅威を単なるピンチで終わらせず、競合との差別化要因に変えることができないかを検討します。

弱み×機会(W×O)|弱点克服戦略

機会(O)を弱み(W)が阻害している状態をどう解消するか。
例:需要増(O)だが営業不足(W)→アウトソースやWeb販売を強化する。

場合によっては弱みの克服を諦め、その機会を見送るという判断も戦略の一つです。

弱み×脅威(W×T)|撤退・防衛戦略

「弱み」と「脅威」が重なる領域で、企業にとって最も危険な状態です。最悪の事態を避けるため損失最小化の意思決定が必要です。
例:市場縮小(T)+低シェア(W)→撤退/ニッチ集中を検討する。
SWOT分析の注意点と成功の秘訣

SWOT分析の注意点と成功の秘訣

SWOT分析はシンプルで強力なツールですが、使い方を誤ると間違った戦略を導いてしまうこともあります。効果的な分析を行うために、特に意識しておくべきポイントや注意点を解説します。これらを守ることで、分析の質を一段階高めることができます。

分析項目を具体的に記述する

各要素を書き出す際、抽象的な言葉だけで終わらせないように注意が必要です。
例えば「品質が良い」だけでは、何がどう良いのかがわからず、具体的な戦略に落とし込めません。
「競合製品より耐久性が2倍ある」「リピート率が業界平均より10%高い」など、可能な限り具体的かつ定量的な表現を用いるようにしましょう。具体的であればあるほど、その後のクロス分析でリアリティのある対策案が出やすくなります。

客観的なデータに基づいて分析する

SWOT分析は、参加者の主観や希望的観測で埋められがちです。
「こうあってほしい」という願望を「強み」や「機会」に入れてしまうと、実態と乖離した戦略になってしまいます。
分析を行う際は、市場調査データ、顧客アンケート、売上データ、業界レポートなどの客観的な根拠を用意することが大切です。「データによると〜」と言える事実を集め、ファクトベースで議論を進める姿勢を持ちましょう。

1項目に情報を詰め込まず、要素ごとに分解する

1つの項目にあれもこれもと情報を詰め込みすぎると、焦点がぼやけてしまいます。
「技術力があり、営業も強く、立地も良い」とまとめて書くのではなく、「技術力が高い」「営業力が強い」「立地が良い」と要素ごとに分解して書き出してください。
分解することで、それぞれの要素がどの機会や脅威と関係しているのかをクロス分析する際に、組み合わせの検討がしやすくなります。シンプルさを保つことが、複雑な戦略を解きほぐす鍵となります。

外部環境は“自社に関係ある形”に翻訳する

「AI進化」そのものは事実でも、機会/脅威は自社次第です。
「自社にとって何が機会で、何が脅威か」まで翻訳して初めて戦略に効きます。

定期的に見直しアップデートする

外部環境は変化します。
半年に1回、四半期に1回など、定期的に分析内容を見直す機会を設けましょう。常に最新の状況に合わせて情報をアップデートし続け、意思決定の精度を保ちましょう。

よくある質問(FAQ)

SWOT分析は何から書けばいい?

おすすめは 外部環境(O/T)→内部環境(S/W) です。外部は事実ベースで整理しやすく、主観の混入を抑えられます。

SWOT分析の項目はいくつ書けばいい?

まずは各要素3〜5個程度を目安にし、重要なものに絞り込みます。数が多すぎると戦略検討の焦点がぼやけます。

PEST分析や3C分析とはどう違う?

PEST:外部環境を網羅的に洗い出す
3C:顧客・競合・自社の関係から戦略を考える
SWOT:内部×外部、プラス×マイナスで整理し、打ち手を導く
→ PEST/3Cで材料を集め、SWOTで整理して戦略に落とす、と考えるとスムーズです。
【事例紹介】上場企業の開示情報から学ぶSWOT分析(統合報告書事例)

【事例紹介】上場企業の開示情報から学ぶSWOT分析(統合報告書事例)

SWOT分析のイメージを具体化するために、上場企業の統合報告書に記載されている内容を参考に、簡易的に整理してみます(ここでは「どの観点がS/W/O/Tになりやすいか」を掴む目的で紹介します)。

日本軽金属グループのSWOT分析(統合報告書2025)

日本軽金属グループは統合報告書2025において、中期経営計画の進捗を評価する際にSWOT分析を実施しています。

S(強み):リサイクル技術の知見/組織横断の推進力/素材から加工までの技術知見
W(弱み・課題):再生部材のブランディング確立/温室効果ガス削減への取り組み強化
O(機会):サーキュラーエコノミー形成/EV化による高性能素材需要の増大
T(脅威):国内需要の減少/地政学リスクの増大

示唆:外部の大きな潮流(EV化・循環経済)を「O」として捉え、自社の技術蓄積を「S」と接続している点がポイントです。

カプコンのSWOT分析(統合報告書2024)

カプコンは統合報告書2024の中で、各事業セグメントにおける「主な機会とリスク」を分析しています。

S(強み):世界有数の開発力/40年以上培った豊富なIP資産
O(機会):新プラットフォーム登場による供給先拡大/デジタル販売浸透
T(脅威):開発費の高騰/人気シリーズへの依存/カントリーリスク

示唆:「資産(IP)」の強みを前提に、販売構造の変化(デジタル浸透)を機会として取り込む整理になっています。

ラウンドワンのSWOT分析(統合報告書2025)

ラウンドワンは統合報告書2025において、日本事業と米国事業それぞれのSWOT分析を明示的に記載しています。

【日本事業】
S:全国展開のブランド力/複合型施設運営ノウハウ
T:少子高齢化/デジタルエンタメの普及
【米国事業】
S:日本式複合エンタメの独自モデル/低コスト出店(空きテナント活用)
W:為替変動リスク/文化差異への対応(課題認識)
【両事業】
O:IP需要の高まり

示唆:同じ企業でも、地域や事業によってS/W/Tが変わるため、「分析単位」を切り分ける重要性が分かります。

まとめ

・SWOT分析は、内部・外部環境を4要素で整理し、客観的な戦略立案を可能にするフレームワークです。
・要素の棚卸しで終わらせず、クロスSWOTで具体的な打ち手に落とし込むことが重要です。
・外部環境は変化するため、定期的に見直し、データに基づいてアップデートしましょう。

SWOT分析を使いこなせば、不確実な状況でも「根拠ある一手」を考えやすくなります。まずはテンプレを埋めるところから始めてみてください。

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