前回に引き続き、リサーチ結果のレポート作成について解説します。
2. リサーチ結果の記述と解釈
リサーチ結果のレポートは、そのレポート/プレゼンテーションを見る人や、レポートの使い方に合わせて作成することになります。
論文にするのであれば、Microsoft WordやLaTexなどを使用して作ることになりますし、公表・出版するのであれば最終的にはAdobe InDesignなどのDTPソフトに取り込むことを考えて作ることもあるでしょう。
商業的なマーケティング・リサーチのレポート、という場合には、プレゼンテーション用のスライドとして、Microsoft PowerpointやGoogle スライドなどを使用して作成するのが最も一般的だと思います。
または、Preziなどのサービスを利用してプレゼンテーションを作るという手もあります。Preziのサイト(https://prezi.com/ja/)の製品情報を見ると、レポート・アウトプットの現代的なバリエーションがわかります。
スライドでプレゼンテーション資料を作るか、動画にしてプレゼンテーションをシェアできるようにしてしまうか、あるいは、インフォグラフィックスやダッシュボードなどを作成して結果をシェアするか。この辺を、用途に応じて選択することになります。
インフォグラフィックスは、googleで検索すると色々見られますが、リサーチ結果を、イラスト・写真なども用いて、グラフィカルで一覧性のあるドキュメントとして表現するものです。
リサーチ結果について、広範な人々に関心を持ってもらい、理解してもらう、という目的の場合に、インフォグラフィックスが有効になると思います。
インフォグラフィックスの作成には、infogra.me https://infogra.me/ja/や、visme https://www.visme.co/、infogram https://infogram.com/ などといった便利なサービスを使うこともできますし、自信のある方は手書きやAdobe Illustrator/Photoshopを使ってオリジナリティのあるインフォグラフィックスを作ってもよいでしょう。
ダッシュボードというのは、自動車や航空機の計器のある「ダッシュボード」のイメージで、主要データをまとめてブラウザ上やデスクトップ上で確認できるようにしたものです。
例えば、国の主要データであれば、総務省統計局「統計ダッシュボード」https://dashboard.e-stat.go.jp/というサイトがあります。
ダッシュボードは、関係者にデータをシェアして継続的にウォッチしてもらうような用途に有効で、複数のリサーチデータや時系列データを共有するのに特に適していると思います。
ダッシュボードの作成には、Tableau https://www.tableau.com/ja-jp や
Pentaho https://www.hitachi.co.jp/products/it/bigdata/platform/pentaho/index.html といったサービス・ツールを使うこともできますし、データベースとビューからなる単純なwebシステムですから、自前でプログラミングして構築するという選択肢もあります。
インフォグラフィックスやダッシュボードは、リサーチ結果の記述、つまり結果そのものを示すのに適したメディアですが、多くのリサーチ・プロジェクトでは結果の記述に加えて、その解釈が求められます(調査目的によっては解釈は必要なく、結果の記述だけでよいこともある)。
解釈というと難しそうですが、簡単に言えば、調査目的に対する答えと、その理由・背景を示すということです。
例えば、前に示した調査目的「新商品アイデアについて、今後予算を組んで開発を進めるかどうかを決めるために、消費者のそのアイデアに対する反応を明らかにする」であれば、新商品開発を進めるかどうか、という問いへの答え(yes /no)を出して、その答えを導き出した理由、背景、リサーチ結果の意味づけなどを説明すること、といえます。
結果の解釈を示すためには、それなりの言葉を積み重ねたストーリーが必要になりますので、レポートやプレゼンテーションといった形式が適しています。
また、解釈はリサーチの背景や結果に対する理解度によって変わる、つまり分析者によって変わりうるものであり、リサーチの結果と解釈が混同されないように、明確に分けて表現されているのが良いレポートの条件の1つです。
分析者によって変わるといっても、解釈には客観的な良しあしがあり、より正しい解釈、間違った解釈というものがあります。
リサーチ結果の解釈について何が正しいか、ということを判断する1つの基準は、それがリサーチ結果全体と細部のどちらにも整合し、よく説明できているか、ということになります。
先の調査目的の例でいえば、新商品アイデアに対する全体の購入意向の高低(全体)、購入意向の理由、セグメント別の購入意向の差・・・(細部)などのリサーチ結果に整合した、説得力のある答え・説明を出せているか、ということが解釈の良しあしを測る基準であるといえます。
分析者は、レポートを通じて、出した答えと答えに至るストーリー、そのストーリーがリサーチ結果の全体と細部をよく説明できる、ということを示すことが必要になり、それにはそれなりの言葉を積み重ねる必要が出てきます。これを、レポート/プレゼンテーションの中でなるべく簡潔に示すことができればよいというわけです。
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論文にするのであれば、Microsoft WordやLaTexなどを使用して作ることになりますし、公表・出版するのであれば最終的にはAdobe InDesignなどのDTPソフトに取り込むことを考えて作ることもあるでしょう。
商業的なマーケティング・リサーチのレポート、という場合には、プレゼンテーション用のスライドとして、Microsoft PowerpointやGoogle スライドなどを使用して作成するのが最も一般的だと思います。
または、Preziなどのサービスを利用してプレゼンテーションを作るという手もあります。Preziのサイト(https://prezi.com/ja/)の製品情報を見ると、レポート・アウトプットの現代的なバリエーションがわかります。
スライドでプレゼンテーション資料を作るか、動画にしてプレゼンテーションをシェアできるようにしてしまうか、あるいは、インフォグラフィックスやダッシュボードなどを作成して結果をシェアするか。この辺を、用途に応じて選択することになります。
インフォグラフィックスは、googleで検索すると色々見られますが、リサーチ結果を、イラスト・写真なども用いて、グラフィカルで一覧性のあるドキュメントとして表現するものです。
リサーチ結果について、広範な人々に関心を持ってもらい、理解してもらう、という目的の場合に、インフォグラフィックスが有効になると思います。
インフォグラフィックスの作成には、infogra.me https://infogra.me/ja/や、visme https://www.visme.co/、infogram https://infogram.com/ などといった便利なサービスを使うこともできますし、自信のある方は手書きやAdobe Illustrator/Photoshopを使ってオリジナリティのあるインフォグラフィックスを作ってもよいでしょう。
ダッシュボードというのは、自動車や航空機の計器のある「ダッシュボード」のイメージで、主要データをまとめてブラウザ上やデスクトップ上で確認できるようにしたものです。
例えば、国の主要データであれば、総務省統計局「統計ダッシュボード」https://dashboard.e-stat.go.jp/というサイトがあります。
ダッシュボードは、関係者にデータをシェアして継続的にウォッチしてもらうような用途に有効で、複数のリサーチデータや時系列データを共有するのに特に適していると思います。
ダッシュボードの作成には、Tableau https://www.tableau.com/ja-jp や
Pentaho https://www.hitachi.co.jp/products/it/bigdata/platform/pentaho/index.html といったサービス・ツールを使うこともできますし、データベースとビューからなる単純なwebシステムですから、自前でプログラミングして構築するという選択肢もあります。
インフォグラフィックスやダッシュボードは、リサーチ結果の記述、つまり結果そのものを示すのに適したメディアですが、多くのリサーチ・プロジェクトでは結果の記述に加えて、その解釈が求められます(調査目的によっては解釈は必要なく、結果の記述だけでよいこともある)。
解釈というと難しそうですが、簡単に言えば、調査目的に対する答えと、その理由・背景を示すということです。
例えば、前に示した調査目的「新商品アイデアについて、今後予算を組んで開発を進めるかどうかを決めるために、消費者のそのアイデアに対する反応を明らかにする」であれば、新商品開発を進めるかどうか、という問いへの答え(yes /no)を出して、その答えを導き出した理由、背景、リサーチ結果の意味づけなどを説明すること、といえます。
結果の解釈を示すためには、それなりの言葉を積み重ねたストーリーが必要になりますので、レポートやプレゼンテーションといった形式が適しています。
また、解釈はリサーチの背景や結果に対する理解度によって変わる、つまり分析者によって変わりうるものであり、リサーチの結果と解釈が混同されないように、明確に分けて表現されているのが良いレポートの条件の1つです。
分析者によって変わるといっても、解釈には客観的な良しあしがあり、より正しい解釈、間違った解釈というものがあります。
リサーチ結果の解釈について何が正しいか、ということを判断する1つの基準は、それがリサーチ結果全体と細部のどちらにも整合し、よく説明できているか、ということになります。
先の調査目的の例でいえば、新商品アイデアに対する全体の購入意向の高低(全体)、購入意向の理由、セグメント別の購入意向の差・・・(細部)などのリサーチ結果に整合した、説得力のある答え・説明を出せているか、ということが解釈の良しあしを測る基準であるといえます。
分析者は、レポートを通じて、出した答えと答えに至るストーリー、そのストーリーがリサーチ結果の全体と細部をよく説明できる、ということを示すことが必要になり、それにはそれなりの言葉を積み重ねる必要が出てきます。これを、レポート/プレゼンテーションの中でなるべく簡潔に示すことができればよいというわけです。
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