2022年8月30日 更新

D.I.Y.リサーチ入門(設計編)5 U&A調査

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ここまで概論的な話が続きましたので、これからは少し具体的な調査の種類別に、その設計について考えてみます。

はじめてマーケティング・リサーチをやってみようと思う人の多くが、マーケティング・リサーチの内容としてまず想定するのは、リサーチ業界で「U&A調査」と言われるタイプの調査ではないかと思います。

U&AとはUsage & Attitude(使用と態度)の略で、簡単に言えば商品の使用・購入に関する実態と意識の調査、ということになります。ひっくり返してA&Uといわれることもあるようです。

U&A調査の項目は、おおまかにいうと以下の3つです。
1.    商品カテゴリーのこと
2.    具体的な商品(ブランド)のこと
3.    消費者の属性

「商品カテゴリー」とは、「ヨーグルト」とか「パソコン」といった商品分野のことで、例えば「ヨーグルトを買うことがあるか」「どこで買っているか」「いつ食べるか」「どのようにして(そのままとか、料理に入れてとか)食べるか」・・・などといった設問があります。

「具体的な商品(ブランド)」は、ヨーグルトの例でいえば「恵」とか「ブルガリア」といった銘柄それぞれのことで、「知っているか」「買ったことがあるか」とか、「そのブランドを選んで買う理由はなにか」「どこでその商品のことを見聞きしたか」などといった設問ができます。

「消費者の属性」は、性別、年齢、職業などといった基本的な属性のほかに、「健康に気をつかっているか」とか、「家庭で料理をするか」などといった意識やライフスタイルに関することも含みます。

こうして並べると、いかにも「マーケティング・リサーチ」らしい、それがわかったら市場や消費者のことが理解できるようになるな、という魅力的な設問項目ができあがります。つまり、U&A調査とは、対象とする市場とその消費者についての「基本的なことがら」を知るための調査、と一言でまとめられると思います。

そのため、マーケティングリサーチをはじめて行う人が想定するのではないか、と最初に述べたわけです。また、U&A調査の設問項目は基本的なことがらなので、そのほかのさまざまな特定の目的をもったマーケティング・リサーチの中にも、パーツとして入ってきます。

さて、「なるほど簡単だね、U&A調査をまずやってみよう」という前に、注意点についてふれておきましょう。

大手リサーチ会社のIpsosが、U&A調査のよくある問題点として次の4つをあげています。(https://www.ipsos.com/en/ipsos-encyclopedia-usage-attitude-surveys-ua

1.    目的がはっきりしていない
2.    そのため、質問項目が多くなりすぎる
3.    質問項目が多すぎて、アンケートの回答者がいやになってしまうため、データにも影響が出る
4.    アンケートだけでデータを取ろうとしすぎる。特に消費者の「行動」は、アンケートでは回答者の記憶に頼ったデータでしかない。

ここでいっている「目的」は、この(設計編)の最初にふれた「結果を何に使うか」という意味での目的になります。

結果を何に使うかをはっきりさせる、ということがまず大事で、次に、U&A調査になんでも託さないこと、そのほかの情報収集や整理と併せて考える、ということが必要になります。

「そのほかの情報」には、業界統計、官庁統計、その他の入手できる情報(POSデータとか)といった二次データや、座談会や顧客へのインタビューなど定性データの収集、自社のリソース(財務的、技術的、人的・・)の整理・分析といったことが含まれます。

「目的」=結果の使い途は、ほとんどの場合何らかの「意思決定」であると思いますが、そのために上記の情報に任せる部分は何か、U&A調査のデータが必要な部分は何か、をはっきりさせていけば、U&A調査をシェイプアップできるはずです。

 つまり、調査以外の情報収集・整理と併せて、ビジネス的な目的を達成するように考えておくことが、U&A調査設計の要点になります。

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