前回までは、DIYリサーチについて、ツール・サービスの紹介を中心に説明してきました。アンケートツールや回答者リストの見込みがついたとして、いよいよ実際にアンケートを作る、という段になった場合、いろいろとどうしたらいいか悩むことが出てきます。
今回からは、DIYリサーチャーがアンケートを設計するときに、どんなことを考えたらよいか、悩んだときにどのように判断したらよいか、ということについて説明していきたいと思います。
今回からは、DIYリサーチャーがアンケートを設計するときに、どんなことを考えたらよいか、悩んだときにどのように判断したらよいか、ということについて説明していきたいと思います。
1 アンケートの目的を考える
まず考えて明らかにすべきことは、アンケートの目的です。アンケートの目的を明らかにするとは、次の2つを考えることです。
1)結果を何に使うか
2)そのために何を調べるか
調査には、必ず何か用途があり、その用途を明確にすることが大事です。単に興味深いとか面白いという理由で行う調査は、文字通り役に立たないものです。
もう少し考えを進めると、調査とはつねに社会的なものであるといえます。商業的なマーケティングリサーチであっても、私的な目的行う調査~例えば、個人的な楽しみのために行う調査~というものはありません。
とても小さな社会~例えば、社長とリサーチャーの2人からなる会社を例に考えてみます。このような会社でも、様々なマーケティングリサーチの用途が考えられます。例えば、会社の方針を決めたり、商品のスペックや価格を決めたり、広告を出す媒体を選んだり・・・などなど。このようなときに、2人が納得してものごとを決定できるように情報・材料を集めることが調査である、ということになります。
もう少し大きい社会~例えば、会社のサイズが大きくなって複数の部門が関わったり、投資家や社外取締役のような会社の外の人も意思決定に参加する、ということになってくると、必要な情報・材料もより多く複雑になってくると考えられます。小さな会社の2人が納得して物事を決められるだけの情報では足りなくなるというわけです。
つまり、「何を調べるか」あるいは「どう調べるか」は、「何に使うか」だけでなく「誰が使うか」ということにも依存しています。
マーケティングリサーチをビジネスとして専門に行っているリサーチャーは、調査テーマによって調査内容や手法を提案するだけでなく、調査を依頼してきたクライアント(顧客)がどんなタイプの企業か、どんな商売をしてどの程度の売上や利益を必要としているか、どのように意思決定が行われているか、まで考慮して提案を行います(少なくとも、それが良いリサーチャーと考えられています)。
このように、リサーチャーが調査の目的を考えるということは、置かれた個別の状況に応じて、誰が何のために使うか、そのために何を調べることが必要か、ということに考えを巡らせるということになります。
これが、世論調査や学術調査ということになってくると、「誰が使うか」の「誰」は、「国民全体」だとか「人類全体」というように大きな話になってきますので、調べることや調べ方はより大がかりであったり複雑になりますし、逆に言えば制約が強くなってきます。
よりたくさんのことを調べたり、コストや時間がかかっても求められる調べ方を選ばなければ、納得が得られなくなるし、そうでなければ、調査から言えること(=用途)を慎重に限定する必要がでてきます。
とりあえず、このコラムでは、DIYリサーチャーを、比較的小さな企業・組織で実務のためにリサーチを行う人、と主にイメージしています。
そのようなリサーチャーは、何もアカデミックな調査や大企業が実施しているような調査体系に倣う必要はなく、自分の置かれた個別の状況・環境(コストや時間的制約も含め)に応じて、必要な情報と調査方法を決め組み合わせるのがよいと思いますし、それが「調査目的を考える」ということの要点になります。
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1)結果を何に使うか
2)そのために何を調べるか
調査には、必ず何か用途があり、その用途を明確にすることが大事です。単に興味深いとか面白いという理由で行う調査は、文字通り役に立たないものです。
もう少し考えを進めると、調査とはつねに社会的なものであるといえます。商業的なマーケティングリサーチであっても、私的な目的行う調査~例えば、個人的な楽しみのために行う調査~というものはありません。
とても小さな社会~例えば、社長とリサーチャーの2人からなる会社を例に考えてみます。このような会社でも、様々なマーケティングリサーチの用途が考えられます。例えば、会社の方針を決めたり、商品のスペックや価格を決めたり、広告を出す媒体を選んだり・・・などなど。このようなときに、2人が納得してものごとを決定できるように情報・材料を集めることが調査である、ということになります。
もう少し大きい社会~例えば、会社のサイズが大きくなって複数の部門が関わったり、投資家や社外取締役のような会社の外の人も意思決定に参加する、ということになってくると、必要な情報・材料もより多く複雑になってくると考えられます。小さな会社の2人が納得して物事を決められるだけの情報では足りなくなるというわけです。
つまり、「何を調べるか」あるいは「どう調べるか」は、「何に使うか」だけでなく「誰が使うか」ということにも依存しています。
マーケティングリサーチをビジネスとして専門に行っているリサーチャーは、調査テーマによって調査内容や手法を提案するだけでなく、調査を依頼してきたクライアント(顧客)がどんなタイプの企業か、どんな商売をしてどの程度の売上や利益を必要としているか、どのように意思決定が行われているか、まで考慮して提案を行います(少なくとも、それが良いリサーチャーと考えられています)。
このように、リサーチャーが調査の目的を考えるということは、置かれた個別の状況に応じて、誰が何のために使うか、そのために何を調べることが必要か、ということに考えを巡らせるということになります。
これが、世論調査や学術調査ということになってくると、「誰が使うか」の「誰」は、「国民全体」だとか「人類全体」というように大きな話になってきますので、調べることや調べ方はより大がかりであったり複雑になりますし、逆に言えば制約が強くなってきます。
よりたくさんのことを調べたり、コストや時間がかかっても求められる調べ方を選ばなければ、納得が得られなくなるし、そうでなければ、調査から言えること(=用途)を慎重に限定する必要がでてきます。
とりあえず、このコラムでは、DIYリサーチャーを、比較的小さな企業・組織で実務のためにリサーチを行う人、と主にイメージしています。
そのようなリサーチャーは、何もアカデミックな調査や大企業が実施しているような調査体系に倣う必要はなく、自分の置かれた個別の状況・環境(コストや時間的制約も含め)に応じて、必要な情報と調査方法を決め組み合わせるのがよいと思いますし、それが「調査目的を考える」ということの要点になります。
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