2021年2月1日 更新

単純集計とクロス集計とは?手順や注意点について分かりやすく解説します。

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単純集計とは?

単純集計とは別名GT集計(Grand Totalの略)とも呼ばれる、アンケートの集計手法としては最も基本となる集計手法です。設問毎に回答結果を集計し、何人が回答したのか、各選択肢の内訳はどうなのかを表示する手法です。これから先、クロス集計や各種分析を行う場合も、単純集計表を作成してきっちり目を通すことが重要と言えます。

単純集計で分かること、例

以下は実際の単純集計表(GT表)のサンプルです。次の設問を集計した場合を考えてみましょう。

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設問文
現在、何かのスポーツを月1回以上おこなうことはございますか?

選択肢
はい、いいえ
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この設問に対して基本集計(GT集計)を行うことで、回答者が300人いる中でその26.3%が「はい」、73.7%が「いいえ」を選択していることが分かります。このように設問毎に何人、または何%が各選択肢を選んだかを表示するものが単純集計表です。
単純集計表の例

単純集計表の例

次にマトリクス設問に対する集計を見てみましょう。以下のマトリクス設問に対し、基本集計を行った場合を考えてみます。

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設問文
次のそれぞれの項目についてどの程度当てはまるかを教えてください。

項目
休みの日は友人と過ごすことが多い
仕事が充実している
お酒が好きである
新しいことを始めるのが好きだ
嫌なことはすぐ忘れる

選択肢
とてもあてはまる
ややあてはまる
どちらでもない
あまりあてはまらない
全くあてはまらない
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この場合、各項目に対してどの程度当てはまるかの選択肢を選ぶものとなっていますね。そして、単純集計(GT集計)を行うことで、項目ごとに選択肢の内訳を表示することが出来ます。

下の単純集計表を見ると、「お酒が好きである」に対して「とてもあてはまる」と回答した人は13.7%、「休みの日は友人と過ごすことが多い」に対して「全く当てはまらない」と回答した人は47.3%と、その内訳を一目で確認することが出来ます。アンケート結果の集計を行う際は、真っ先に単純集計を行うことで、全体感を把握することを習慣付けるようにしましょう。
単純集計表の例

単純集計表の例

単純集計の注意点

単純集計を行う際、回答者数がどれだけいるかを注意するようにしましょう。例えば上述のマトリクス設問では、「全体」エリアから回答者が300人いることがわかります。

アンケートは、母集団から一部の標本を取り出して実施する標本調査である以上、どうしても誤差が生じてしまいます。そして、設問の回答者があまりに少なくなると標本との誤差が大きくなりすぎるため、アンケート結果として意味がないと判断されることがあります。どの程度の回答者数を持って、意味のあるなしを判断するかは難しいところですが、一つの目安として回答者数30人という基準を覚えておきましょう。

回答者数が30名以上いれば、その回答は統計学的に意味があると言える、ということです。そのため、単純集計(また下記で解説するクロス集計)を実施する際は、その結果だけでなく、回答者数にも注意して集計表を見るようにして下さい。

※統計誤差について詳しくはこちら

クロス集計とは?

クロス集計とは、単純集計(GT集計)で得られた値に、他の設問、または性別や年代などの基本情報を掛け合わせて集計を行う手法のことを指します。集計を行う際、通常はまず単純集計を行い、全体感を把握します。そして、個々のデータに対してもっと詳しく見ていきたいという時に行う集計手法がクロス集計です。
 
以下でクロス集計について詳しく見ていきましょう。

クロス集計で分かること、例

以下は先ほど行った単純集計の結果です。この表から読み解けることは以下の通りです。
「アンケートに回答した300名の回答者のうち、26.3%が月に1回以上スポーツを行っている。」
基本集計表の例

基本集計表の例

さて、この「スポーツを月1回以上行う割合」において、男女間での差はあるでしょうか?上記の単純集計表からはそこまで読み解くことはできません。そこで登場するのがクロス集計です。Q1の回答結果に対して、性別を掛け合わせて(クロスして)みましょう。そうすると、以下のクロス集計表が得られます。
クロス集計表の例

クロス集計表の例

全体が300人いるのに対し、「はい」が26.3%、「いいえ」が73.7%だという情報は、単純集計で得られたものと同じです。その下の行が、クロス集計において得られた情報です。クロス集計によって新たに下記の情報が分かりました。
・300名のうち、男性は117名、女性は183名である。
・男性117名のうち、34.2%がスポーツを月に1回以上行っている。
・女性183名のうち、21.3%がスポーツを月に1回以上行っている。


これで、男女間において月1回以上スポーツを行う割合が大きく異なっていることが分かりましたね。具体的には34.2-21.3=12.9pt(ポイント)も、差が開いていることが分かりました。このように他の情報と掛け合わせて細かく差異を確認できるのがクロス集計の強みです。

なお、この例では掛け合わせた情報は性別でしたが、ある設問に何を掛け合わせるかは自由です。例えば、性別以外にも年齢や居住地といった基本情報であったり、他の設問の回答結果であったりを組み合わることが出来ます。このように、一つの設問の結果に対し、様々な掛け合わせで内容を深く把握できるのがクロス集計の強みです。

クロス集計の注意点

クロス集計は万能であるかの書き方をしてしまいましたが、実施に当たっては2つの注意点があります。
・回答者数の確認
・クロス集計は仮説を基に行う


上述の通り、目安として、30名は回答者がいないとそのアンケート結果は統計学的に意味がないという話をしました。そして、クロス集計では、掛け合わせる情報が多岐に渡れば多岐に渡るほど、一つ一つの項目の回答者数が減少していきます。そのため、必ずクロス集計表を見る際は回答者数が30を超えていることを確認するようにして下さい。

2点目の、「クロス集計は仮説を基に行う」は下記で詳しく解説していきます。

単純集計とクロス集計はどのように使い分けるべきか

ここまで単純集計とクロス集計について紹介しました。これら2つの集計はアンケートのデータを集計する上で最も基本的な集計となりますが、その使い分けはどのようにすれば良いでしょうか。

まず、単純集計が全ての基本であることを念頭におきましょう。単純集計で全体感を把握することが重要です。その上でクロス集計を用いて設問毎の内訳を確認するようにしましょう。

クロス集計のポイントは「軸」の設定です。同じ設問でも男女という性別で見るのか年代別で見るのかによって全く違った傾向を読み解けることがあります。

しかしクロス集計からその傾向を読み解くために、かたっぱしから軸を変えてクロス集計を行うことは非効率です。重要なことは予め仮説を持って軸を設定するということです。例えば、ある設問で特定の商品の購入経験を聞いたとします。購入経験率は年代によって違った傾向になるのではないか、そういった仮説を予め持つ必要があります。回答結果が得られた後で手あたり次第にクロス集計を行うことはナンセンスです。
 
そして、軸がない場合、それを設問内に用意する必要があります。上記の例では「年代によって購入経験率に差があるのではないか」という仮説でしたが、これが例えば「世帯年収によって購入経験率に差があるのではないか」という仮説だった場合、アンケート内で予め世帯年収を聴取する必要があります。アンケートの回収が完了した後にその仮説を思いついたとしても後の祭りです。
 
つまり重要なことは、アンケートの設計時に仮説を持つということです。上述の通り、集計時に良い仮説を思いついたところで、アンケート内にその設問がなければ後の祭りとなってしまうことがあります。つまり良い集計と良いアンケート設計は切っても切り離せない関係にある訳です。

なお、ここで触れた基本集計、クロス集計や他の集計手法の実施方法、注意点などを詳しくまとめた資料を無料配布しています。ご希望の方は下記リンク先より必要事項を入力して、ダウンロードしてください!
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高橋(MRJ編集長) 高橋(MRJ編集長)