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多変量解析とは?主な手法の選び方とマーケティングでの活用事例解説

24 2026.08

データ分析手法

多変量解析とは、複数の変数を同時に扱い、それらの関係性やデータの構造を明らかにする統計解析手法の総称です。単純な集計だけでは見つけにくい変数同士の関連性を分析することで、現状把握や予測、顧客の分類などに役立てられます。

アンケート結果や顧客属性、購買履歴など、複数の要因が絡み合うデータを扱うマーケティング業務でも、多変量解析は幅広く活用されています。

本記事では、多変量解析の基本的な意味から、代表的な分析手法の特徴や選び方、マーケティングでの活用例、分析に必要なアンケートデータの集め方まで分かりやすく解説します。
多変量解析とは?主な手法の選び方とマーケティングでの活用事例解説

多変量解析の基本的な意味

多変量解析は、複数の要因が絡み合うデータを統計的に分析し、ビジネスの意思決定に活かすための手法です。
特徴 具体的な内容
扱うデータ 複数の変数を同時に分析する
主な用途 関係性の把握、予測、要約、分類など
活用例 売上予測、満足度分析、顧客セグメンテーションなど

複数データから関係性を導き出す

多変量解析では、複数のデータを同時に扱い、変数同士の関係性やデータ全体の構造を分析します。
たとえば、ある店舗の売上について考える場合、価格だけでなく、広告費、店舗面積、立地、周辺人口など複数の要因が関係している可能性があります。
多変量解析を使えば、こうした複数の変数を同時に分析し、それぞれの変数と売上の関連性を確認できます。
アンケート結果や顧客属性、購買履歴など、多くの要因が絡み合うデータから、単純な集計だけでは気づきにくい傾向を見つけたい場合に有効です。

単変量解析や2変量解析とは異なる

データ分析には、1つの変数を扱う「単変量解析」や、2つの変数の関係を見る「2変量解析」もあります。
たとえば、アンケート回答者の平均年齢を算出するのは単変量解析、年代別に商品満足度を比較するクロス集計は2変量解析の一例です。

一方、多変量解析では複数の変数を同時に扱います。
性別と満足度だけを見るのではなく、年代や利用頻度、購入金額なども含めて分析することで、他の要因を考慮しながら関係性を確認できます。
2つの変数だけを見た場合には、別の要因が影響して見かけ上の関連が生じる「交絡」や「擬似相関」が含まれる場合もあります。
多変量解析を活用することで、複数の条件を踏まえてデータを解釈しやすくなります。

多変量解析でできること

多変量解析は、目的に応じて「予測する」「データの構造を整理する」「対象を分類する」といった用途に活用できます。
分析手法を選ぶ前に、まず「何を明らかにしたいのか」を整理しておくことが重要です。
分析の目的 概要
予測 複数の変数から数値や事象の発生確率を予測する
要約 多数の変数を少数の指標や軸に整理する
分類 データの類似性をもとに対象を複数のグループへ分ける

将来の数値や発生確率を予測する

複数の変数と結果の関係性をモデル化し、売上などの数値や、特定の事象が起こる確率を予測できます。
たとえば、既存顧客の購買回数や利用頻度、属性データなどを分析し、「どのような顧客が商品を購入しやすいか」を推定するといった活用方法があります。
売上予測や需要予測、顧客の購入可能性の推定など、将来の意思決定を支援する分析に利用されます。

複雑なデータをシンプルに要約する

アンケートでは、商品イメージやブランド評価などについて多数の質問を行うことがあります。
項目数が増えるほどデータ全体の特徴を把握しにくくなるため、複数の評価項目を少数の指標や軸にまとめて整理する方法が使われます。
多くの情報を一定の特徴を保ちながら少数の指標に集約することで、データの構造を把握しやすくなります。
ブランドのポジショニング分析や、消費者の評価構造を整理したい場合などに活用できます。

似た特徴を持つ対象を分類する

データの類似性をもとに、顧客や商品などを複数のグループに分類することもできます。
たとえば、アンケート回答や購買履歴、価値観などが似ている顧客をまとめることで、性別や年代だけでは捉えにくい顧客セグメントを作成できます。
分類したグループごとの特徴を分析すれば、ターゲットに合わせた商品開発やプロモーション施策の検討にも活かせます。

主要な多変量解析の手法

多変量解析にはさまざまな種類があります。
どの手法を使うべきかは、「何を明らかにしたいのか」と「どのようなデータを扱うのか」によって変わります。

代表的な手法を整理すると、以下のようになります。
手法名 主な目的 適した状況
重回帰分析 予測・関係性の分析 売上などの連続した数値と複数の要因の関係を分析したい
ロジスティック回帰分析 確率の予測 購入する・しないなど2値の結果を分析したい
主成分分析 要約 多数の変数を少数の総合的な指標にまとめたい
因子分析 構造の把握 複数の回答項目に共通する潜在的な要因を探りたい
クラスター分析 分類 似た特徴を持つ対象をグループ分けしたい

重回帰分析

重回帰分析は、複数の説明変数と1つの連続した目的変数との関係を分析する手法です。
たとえば、「売上」を目的変数とし、「店舗面積」「駅からの距離」「周辺人口」「広告費」などを説明変数として分析します。
他の説明変数を考慮しながら、それぞれの変数と売上との関連がどの程度強いかを確認できます。

マーケティングでは、総合満足度と個別評価項目との関係を分析したり、売上と施策の関係を確認したりする場面で活用されます。
ただし、重回帰分析で強い関連が見つかったとしても、それだけで因果関係が証明されるわけではありません。結果を解釈する際は、業務知識や調査設計も含めて判断することが重要です。

ロジスティック回帰分析

ロジスティック回帰分析は、「購入する・しない」「退会する・しない」のような2値の結果と、複数の変数との関係を分析する手法です。
解析結果をもとに、ある事象が起こる確率を0〜1の範囲で推定できます。

たとえば、過去の購買回数やサイト利用頻度、顧客属性などから、特定の商品を購入する可能性が高い顧客を推定するといった活用方法があります。
ターゲットの優先順位付けや、離反リスクの把握などにも利用できます。

主成分分析

主成分分析は、多数の変数を合成し、少数の「主成分」と呼ばれる新しい指標にまとめる手法です。

たとえば、複数の商品評価項目がある場合、それらの情報をできるだけ保ちながら少数の軸に整理することで、商品同士の特徴やポジショニングを把握しやすくできます。
アンケート項目が多く、そのままでは全体像を把握しにくい場合に、情報を整理する手法として活用されます。

因子分析

因子分析は、複数の観測された変数に共通して影響している潜在的な要因を探る手法です。

たとえば、ブランドイメージについて「高品質だと思う」「信頼できる」「長く使えそう」など複数の項目を評価してもらった場合、それらの回答に共通する傾向を分析します。
複数の項目が同じような動きをしていれば、そのまとまりから「品質・信頼性重視」といった潜在的な因子として解釈できます。
消費者の価値観やブランドイメージの構造を把握したい場合などに活用されます。

クラスター分析

クラスター分析は、データの類似度をもとに、似た特徴を持つ対象をグループ化する手法です。
分類の基準をあらかじめ決めるのではなく、複数の変数の傾向が似ている対象をまとめていきます。

たとえば、アンケート回答や購買行動をもとに顧客を分類し、「価格重視層」「品質重視層」「新商品関心層」などの特徴を持つセグメントとして整理することができます。
ターゲットごとに異なるマーケティング施策を考える際の基礎として活用されます。

マーケティング領域での活用事例

多変量解析は、マーケティング業務におけるさまざまな課題の分析に活用できます。
ここでは、アンケートデータを利用した代表的な例を紹介します。
活用シーン 解決したい課題 用いる分析手法の例
満足度調査 総合満足度と関連の強い評価項目を把握したい 重回帰分析
顧客セグメンテーション 顧客を特徴ごとに分類して施策を考えたい クラスター分析

満足度に関連する要因を特定する

顧客満足度調査では、総合満足度だけでなく、接客態度、価格、商品品質、品揃えなど、複数の項目を評価してもらう場合があります。
重回帰分析を活用すれば、他の評価項目も考慮しながら、総合満足度との関連が強い項目を確認できます。

たとえば「接客態度の評価が総合満足度と強く関連している」と分かれば、改善施策を検討する際の有力な判断材料になります。
単純な平均点だけでなく、各項目と総合評価の関係を見ることで、改善の優先順位を考えやすくなります。
ただし、分析結果だけから「接客態度を改善すれば必ず満足度が上がる」と断定することはできません。実際の施策に落とし込む際は、他の調査結果や顧客の声も合わせて判断しましょう。

顧客を似た特徴で分類し絞り込む

クラスター分析を使えば、購買履歴やアンケート回答などをもとに、似た特徴を持つ顧客をグループ分けできます。

たとえば、価格に対する意識や新商品への関心度、ブランドへのこだわりなどをアンケートで取得し、回答傾向が似ている顧客を分類します。
その結果、「価格重視層」「トレンド敏感層」「ブランド重視層」などの特徴が見えてくれば、各グループに合わせた商品提案や広告メッセージを検討できます。
年齢や性別といった属性だけで分けるよりも、価値観や行動傾向を踏まえたマーケティング施策を考えやすくなる点がメリットです。

分析の精度を高める注意点とは?

多変量解析は高度な分析手法ですが、分析方法を選ぶだけで正しい結果が得られるわけではありません。
分析前のデータ準備や変数の選定、各手法の前提条件を確認することが重要です。
注意すべき観点 具体的な対応
データの量と質 分析に必要なサンプル数を確保し、欠損値や外れ値を確認する
変数の選定 分析目的や仮説に沿って必要な変数を選ぶ
前提条件 分析手法ごとに必要なデータの条件を確認する

質の高いデータを十分に確保する

多変量解析では、分析に使用する変数の数や分析手法に応じて、十分なサンプル数を確保する必要があります。
サンプル数が少ない状態で多くの変数を分析すると、得られた結果が不安定になったり、別のデータでは同じ傾向が再現されなかったりする可能性があります。
必要なサンプル数は、使用する分析手法や変数の数、データの分布などによって異なります。単純に「何件あれば十分」と一律に決めるのではなく、分析内容に応じて検討しましょう。
また、欠損値や極端な外れ値が含まれている場合も、分析結果に影響する可能性があります。分析前にデータの状態を確認し、必要に応じて適切に処理することが重要です。

分析目的に合った変数を厳選する

手元にある変数をすべて分析へ投入すればよいわけではありません。
分析目的と関連性の低い変数を大量に含めると、結果の解釈が難しくなったり、モデルが複雑になりすぎたりする場合があります。
「何を予測したいのか」「どのような仮説を検証したいのか」を明確にし、その目的に必要な変数を選びましょう。
また、データだけを見て機械的に変数を選ぶのではなく、商品や顧客に対する業務知識を踏まえて分析することも重要です。

分析手法ごとの前提条件を確認する

多変量解析では、使用する手法によってデータに求められる条件が異なります。
たとえば重回帰分析では、説明変数同士の相関が強すぎる「多重共線性」などに注意が必要です。
クラスター分析では、変数の尺度や単位によって距離の計算結果が大きく変わる場合があるため、必要に応じて標準化などの処理を行います。
分析手法の名前だけで判断せず、データの尺度や分布、変数間の関係なども確認したうえで分析を進めましょう。

分析に使うデータをアンケートで集めるには

多変量解析の結果は、分析に使用するデータの設計にも大きく左右されます。

特にアンケートデータを使う場合は、調査を実施した後に「必要な変数がなかった」とならないよう、分析方法から逆算して設問を設計することが重要です。

分析手法から逆算して設問を設計する

まず「何を明らかにしたいのか」と「どの分析手法を使うのか」を決め、そのために必要な変数をアンケートで取得できるようにします。

たとえば、重回帰分析を使って総合満足度と関連の強い項目を分析したい場合は、「総合満足度」を目的変数として取得し、接客、価格、品質などの個別評価項目を説明変数として取得します。
評価項目の回答形式を統一しておくと、回答者が答えやすくなり、集計や結果の解釈もしやすくなります。ただし、重回帰分析を行うために、すべての変数を同じ尺度にそろえる必要があるわけではありません。
因子分析やクラスター分析を行う場合は、消費者の意識や価値観、行動などについて複数の項目を取得しておく必要があります。
多変量解析では数値として扱えるデータが必要になるため、分析したい項目については、選択式や段階評価など、後から定量化しやすい形式で取得しておくとスムーズです。

分析に必要なサンプル数を確保する

分析に必要な回答数が自社の顧客リストだけでは集まらない場合は、ネットリサーチを活用してデータを収集する方法があります。
セルフ型ネットリサーチでは、調査モニターを対象にアンケートを配信できるため、自社で十分な顧客リストを保有していない場合でも調査を実施できます。
性別や年代などの条件を設定して対象者を絞り込み、分析に必要なサンプル数を確保することも可能です。

たとえば、セルフ型ネットリサーチツール「Surveroid(サーベロイド)」では、Web上でアンケートを作成し、条件に合う調査モニターへ配信して回答データを収集できます。
多変量解析そのものを行うツールではありませんが、重回帰分析や因子分析、クラスター分析などに使用するアンケートデータを新たに収集したい場合に活用できます。
分析に必要な項目や対象者をあらかじめ整理し、調査設計と分析設計をセットで考えることが重要です。
Surveroid セルフ型アンケートツール
分析に必要なデータ、
自分で集めてみませんか。
Web上でアンケートを作成し、条件に合うモニターから回答を収集。
自社に十分な顧客リストがなくても、分析に使える回答データが手に入ります。
条件で対象者を指定 平均2日で回収 クロス集計・Excel出力
回収データ n=4,800
20代女性
30代女性
40代女性
50代女性
クロス集計 Excelダウンロード
性別 ほぼ毎日 週2〜3 週1 月2〜3
全体 12.4 32.5 23.8 7.3
男性 8.1 28.9 25.2 9.4
女性 16.5 36.0 22.4 5.2

多変量解析に関するよくある質問

多変量解析について、サンプル数やアンケートデータの活用、Excelでの分析など、よくある疑問に回答します。

Q多変量解析にはどのくらいのサンプル数が必要ですか?

A

必要なサンプル数は、分析手法や使用する変数の数、データの性質などによって異なります。

多変量解析では「何件あれば十分」と一律に決めることはできません。たとえば、分析に使用する変数が多い場合には、それに応じて十分なサンプル数を確保する必要があります。使用する分析手法や分析目的を決めたうえで、必要なサンプル数を検討することが重要です。

Qアンケートデータでも多変量解析はできますか?

A

はい。アンケートで取得した回答データを使って多変量解析を行うことができます。

たとえば、総合満足度と関連の強い評価項目を重回帰分析で調べたり、価値観や行動に関する回答をもとにクラスター分析で回答者を分類したりできます。分析後に必要なデータが不足しないよう、実施したい分析から逆算してアンケートの設問を設計することが重要です。

Q多変量解析はExcelでもできますか?

A

重回帰分析など、一部の多変量解析はExcelでも実行できます。

Excelの分析ツールを利用すれば重回帰分析などを行えます。一方、因子分析やクラスター分析など、Excelの標準機能だけでは実施しにくい分析もあります。分析したい内容やデータ量に応じて、統計解析ソフトやその他の分析ツールと使い分けるとよいでしょう。

まとめ

多変量解析とは、複数の変数を同時に扱い、変数間の関係性を分析したり、データを要約・分類したりする統計解析手法の総称です。
重回帰分析、ロジスティック回帰分析、主成分分析、因子分析、クラスター分析など、それぞれ得意とする目的が異なります。
そのため、まず「何を明らかにしたいのか」を整理し、目的やデータの性質に合った手法を選ぶことが重要です。
また、多変量解析では分析手法だけでなく、必要な変数や十分なサンプル数を事前に設計することも結果の精度を左右します。
アンケートデータを活用する場合は、分析方法から逆算して設問や回答数を設計し、分析に必要なデータを適切に準備しましょう。

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多変量解析に使用するアンケートデータを新たに収集したい場合にも、分析目的に合わせて必要な設問を作成し、対象条件を設定して回答を集める用途に活用できます。
市場調査や顧客満足度調査、商品コンセプト評価、顧客セグメンテーションのためのデータ収集など、マーケティングに必要な定量・定性調査を自社で実施したい場合にご活用いただけます。

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