目次
クラスター分析とは?
具体的に加湿器を買うときの重視度を例にとって説明します。
▼加湿器を買うときの重視度
(重視する5点〜重視しない1点)
| 機能性 | デザイン性 | 価格 | ||
|---|---|---|---|---|
| Aさん | 4 | 5 | 4 | グループ① 高関心層 |
| Bさん | 5 | 5 | 5 | |
| Cさん | 2 | 5 | 2 | グループ② デザイン重視層 |
| Dさん | 3 | 5 | 3 | |
| Eさん | 5 | 2 | 2 | グループ③ 機能重視層 |
| Fさん | 5 | 3 | 3 |
AさんとBさん:全ての項目において数字が高いので高関心層
CさんとDさん:デザイン性を重視しているのでデザイン重視層
EさんとFさん:機能性を重視しているので機能性重視層
というようにグループ分けすることができます。
このように数字で似ているところで分ける分析をクラスター分析といいます。
また、クラスター分析は階層と非階層の2つに大別されます。
階層クラスター分析
階層クラスター分析のアウトプットはデンドログラム(樹形図)です。
デンドログラム(樹形図)
非階層クラスター分析
対象数(個体数)が多い場合に適しています。
アウトプットを図にするとしたか下記のようなイメージです。
機械学習で説明されるときは、ほとんどが非階層です。
クラスター
①
クラスター
②
クラスター
③
階層クラスター分析と非階層クラスター分析のメリット・デメリット
階層クラスター分析
デンドログラム(樹形図)を見ながらクラスター化する数を変更することができます。また、分割の過程を直感的に理解できる点が多きなメリットになります。
デメリット
階層クラスターは、全データに対して総当たりで計算するためデータが大きい場合は計算自体できなくなる可能性があります。ビッグデータのような膨大な情報量をクラスター分類する場合は、非階層クラスター分析を使用しましょう。
非階層クラスター分析
事前に決めておいた分類数を基に計算するため、階層クラスター分析よりも計算が簡略化されます。そのため、階層クラスター分析で計算できないビッグデータも分類することができます。
デメリット
クラスター数を事前に決定しておく必要がある点がデメリットとなります。設定したクラスター数によっては正しい結果を導き出せない可能性があるため、最適なクラスター数を算出する必要があります。何度か設定数を変えて最適なクラスター数を導くため、試行錯誤が必要になります。
クラスター数の決め方
ひとつはエルボー法です。クラスター数を1つずつ増やしながら、クラスター内のデータのばらつき(誤差平方和)を計算していくと、ある地点から改善幅が急に小さくなります。このグラフを描いたときに肘(エルボー)のように折れ曲がって見えるポイントを、最適なクラスター数の目安とする方法です。
もうひとつはシルエット分析です。各データが「自分の所属するクラスターにどれだけまとまっているか」と「隣接する他のクラスターからどれだけ離れているか」を数値化した「シルエット係数」を算出し、この係数が最も高くなるクラスター数を選ぶ方法です。
どちらも感覚ではなく数値的な根拠を持ってクラスター数を決められるため、試行錯誤の際の判断材料としておすすめです。
マーケティングリサーチでの利用シーン
①アンケート回答者をグループ分けする(非階層)
たとえば年代別に比較したものの同じ年代でも意識が違うな、という場合、クラスター分析を知っていれば重視している点からグループを分けることができます。
グループ分けには因子得点を使うこともよくあります。
これまで
年代別に比較
同じ年代でも
意識違うな。。
クラスター分析を知れば
重視層
重視層
重視している点から
グループ分け
マーケティングリサーチでの利用シーン①
②商品(ブランド)をグループ分けする(階層)
ブランドの評価値をグループ分けし、デンドログラムを作成します。
ブランドの評価項目
(10点満点)
評価値で
グループ分け
階層クラスターの結果
マーケティングリサーチでの利用シーン②
クラスター分析の結果の見方
非階層クラスター分析の結果の見方
| クラスター分析の結果 | クラスター① | クラスター② | クラスター③ | クラスター④ |
|---|---|---|---|---|
| 高関心層 | のどごし 重視層 |
味わい・コク 重視層 |
価格 重視層 |
|
| 因子1 のどごし・キレ軸 | 0.7 | 0.8 | 0.1 | 0.3 |
| 因子2 味わい軸 | 0.6 | 0.1 | 0.8 | 0.2 |
| 因子3 コク軸 | 0.6 | -0.5 | 0.7 | 0.2 |
| 因子4 飲みやすさ軸 | 0.8 | 0.4 | -0.4 | 0.3 |
| 因子5 話題性軸 | 0.6 | 0.3 | 0.4 | 0.2 |
| 因子6 価格軸 | 0.6 | 0.3 | 0.4 | 0.8 |
| 構成比 | 12% | 25% | 20% | 43% |
非階層の結果の見方①
上記の図の場合、クラスター名という部分になり、今回の場合は4つのクラスターに分けられています。
クラスター名に関してはそれぞれの数値の大小を見て分析者がつけています。
それぞれのクラスターが市場ではどのような構成比になっているのか、というのが構成比のパーセンテージになります。
| 年代 | 好きな商品 | 購入チャネル | |
|---|---|---|---|
| CL①高関心層 |
|
1位:ブランドA 2位:ブランドD 3位:ブランドC |
・スーパー(70%) ・コンビニ(30%) ・ネット(50%) |
| CL②のどごし 重視層 |
|
1位:ブランドD 2位:ブランドE 3位:ブランドA |
・スーパー(70%) ・コンビニ(60%) ・ネット(30%) |
| CL③味わい・コク 重視層 |
|
1位:ブランドC 2位:ブランドA 3位:ブランドB |
・スーパー(75%) ・コンビニ(65%) ・ネット(20%) |
| CL④価格 重視層 |
|
1位:ブランドA 2位:ブランドB 3位:ブランドC |
・スーパー(90%) ・コンビニ(10%) ・ネット(70%) |
非階層の結果の見方②
クラスターの特徴結果に関しては色々な形がありますが、上記の図のようなものが多いです。
こちらに関してはたとえば高関心層だと年代の割合はどうなっていて、どんなブランドの商品が好きなのか、など出てきたものをそのまま見ていただければ大丈夫です。
階層クラスター分析の結果の見方
その場合、過程も含めてどのように対象が分けられたのか、どの商品が近いのか、というところを見てみてください。
デンドログラム(樹形図)
階層結果の見方
今回の結果の場合だと商品Fと商品Bが1番近く、その次は商品Dと商品Eになります。
また、分割線のところで2つに分けることができるので、今回の場合だと商品AFBが1つのグループ、商品DEGCがもう1つのグループとなります。
クラスター分析の注意点
・クラスターの名前は分析者の主観でつけています。
・クラスターの数は分析者が決めています。
特に非階層クラスターは最初に数を決めて計算しています。
・対象間の距離は、ユークリッド距離、 クラスターの合併法には、ウォード法が代表的ですが、
そのほかにも群平均法・最短距離法・最長距離法・重心法などがあり、
代表的な手法として名前だけ押さえておくとよいでしょう。
非階層のアルゴリズムはk-means法(k平均法)がよく使われます。
よくある質問
クラスター分析をするのに、最低何人くらいのデータが必要ですか?
決まった最低人数があるわけではありませんが、クラスターごとの傾向を安定して読み取るためには、分類したいクラスター数×30〜50人程度のサンプルサイズを目安に確保することが望ましいとされています。サンプル数が少なすぎると、偶然できたグループなのか、本当に意味のある集団なのかを判断しにくくなります。
階層クラスター分析と非階層クラスター分析、どちらを使えばいいですか?
データの対象数(回答者数など)が少なく、分割の過程も含めて確認したい場合は階層クラスター分析、対象数が多く(数百〜数千規模)、あらかじめ分類数の見当がついている場合は非階層クラスター分析が向いています。ビッグデータを扱う場合は、計算負荷の軽い非階層クラスター分析(k-means法など)が一般的に使われます。
クラスターの数はどうやって決めればいいですか?
非階層クラスター分析では、事前にクラスター数を決める必要があります。代表的な決め方として、クラスター数を増やしても分類の誤差があまり改善しなくなる点を採用する「エルボー法」や、各データがどれだけ適切なクラスターに分類されているかを数値化する「シルエット分析」といった手法があります。実務では、これらの手法を参考にしつつ、実際に得られたクラスターの解釈のしやすさ(ネーミングしやすいか)も考慮して最終的な数を決めることが多いです。
クラスター分析の結果、クラスターの名前は誰が決めるのですか?
クラスター分析自体は数値的にグループ分けを行うだけで、各クラスターに「高関心層」「デザイン重視層」といった名前をつけるのは分析者の役割です。そのため、同じ分析結果でも分析者によって解釈やネーミングが多少異なる場合があります。各クラスターの特徴(重視度が高い項目など)を確認した上で、実態に即した分かりやすい名前をつけることが重要です。
クラスター分析とセグメンテーション(市場細分化)は同じものですか?
クラスター分析は、セグメンテーションを行うための代表的な手法の一つという位置づけです。セグメンテーションは「市場を意味のあるグループに分ける」という目的そのものを指し、クラスター分析はその目的を達成するための統計的な手段の一つです。年代や性別といった属性だけでなく、意識や行動のデータをもとに客観的にグループ分けできる点が、クラスター分析を使うメリットです。
クラスター分析はアンケート調査のどんな設問データに使えますか?
5段階評価などの重視度・満足度を聞く設問や、複数の項目に対する評価をまとめて聞く設問のデータに向いています。単一回答の属性設問(年代・性別など)だけでは分類の軸になりにくいため、複数の数値評価項目を組み合わせて聞いておくと、クラスター分析で活用しやすいデータになります。
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