アンケートの選択肢の重要性・作成時の注意点・種類について解説

09 2024.09

アンケート作成

アンケートは、対象者の意見や傾向を把握するための重要な手段です。アンケート設計において適切な選択肢を設けることで、正確なデータ収集が可能となります。本記事では、アンケートの『選択肢』に焦点を当てて、信頼性の高い回答を得るためのポイントを解説していきます。
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アンケートにおける選択肢の重要性

アンケートで欲しい情報を回収するには、回答者の心理を読み、本音を引き出すことが重要です。
例えば、「今回のイベントについてどのように感じましたか?」という設問に対して『良い/悪い』という選択肢を用意した場合、単純な答えしか回収できず本音が分かりづらいためいまひとつです。
より回答者の本音を聞きだすためには、選択肢を増やす幅を持たせる自由回答も用意する、など選択肢の使い分けを行うことが重要です。
 (3054)

アンケートの選択肢作成時の注意点

上記の重要性を理解した上で、ここでは選択肢を作成するうえでの注意点を解説します。これから説明するものはどれも注意していないと気が付かない部分もあるかと思いますので、アンケートを作成する際はぜひ参考にしてみてください。

複数の意味・解釈を持つ選択肢は使わない

「いつも」「最近」といった表現は、人によってどれくらいの程度を意味するのかが異なるため、正確なアンケート結果が得られない可能性があります。例えば、頻度や期間を聞きたい場合は、「週に1回以上」や「月に2,3回程度」など、誰が読んでも同じ解釈となるような表現を使うようにしましょう。アンケート作成者は、回答の分散を防いで全員が同じ解釈の元アンケートを答えることができるように配慮をする必要があります。

下記に頻度の選択肢例を記載します。
毎日
週5~6日
週3~4日
週1~2日
月に2,3日程度
月に1日程度
半年に1日程度
年に1日程度
それ以下

バイアスが生まれない選択肢にする

例えば、「本日実施したセミナーの内容は参考になりましたか?」という設問に対して、

参考になった
参考にならなかった

と選択肢を2つしか用意なかった場合、回答者は肯定的な選択肢を選ぶ傾向にあります。
これは心理学的にも証明されており、「イエステンデンシー」と呼ばれる潜在的傾向が働くためです。このような傾向を抑えるには、2択ではなく他の選択肢を用意することが効果的です。
また、今回の例でいうと参考の度合いは2択で分類できるような極端なものではないため、

とても参考になった
参考になった
どちらでもない
参考にならなかった
まったく参考にならなかった


というように、選択肢に幅を持たせた方が正確なアンケート結果を得ることができます。

排反で重複しない選択肢にする

例えば、「最後に店舗に来店したのはいつ頃ですか?」という設問に対して、

1ヶ月以内
2ヶ月以内
3ヶ月以内
3ヶ月以上来店していない

という選択肢があったとします。一見問題ないように思えますが、「1ヶ月以内」は「2ヶ月以内」の中に含まれるため、排反になっていません。そのため「未満」や「以上」などの表現を使うと解決します。

1ヶ月未満
1ヶ月以上2か月未満
2ヶ月以上3ヶ月未満
3ヶ月以上来店していない


回答者によっては、本来「1ヶ月以内」に来店しているが、選択肢を見落とし「2ヶ月以内」を選ぶ可能性もあります。
正確な情報を得るためには重複した選択肢を作らないことが大切です。

回答できる選択肢が網羅されていることを意識する

網羅的に選択肢を用意した場合であっても、回答者によっては選択肢のどれにも当てはまらない可能性もあります。回答できる選択肢がなくて困らないように「特になし」「あてはまるものはない」などの排他選択肢や、「その他」を入れておくことが重要です。
ただし、「どうしてもこの選択肢の中から答えて欲しい!」という場合もあるかと思います。そのような場合はあえて排他選択肢を用意しない場合もあります。

選択肢は長文にしない

選択肢が長文だと、読むのが面倒になる、かつ長文の選択肢が目につきやすく、その選択肢に回答が集中するなどのリスクがあるため、選択肢はできるだけ短く明確に書くことが重要です。設問文にも同様のことが言えますが、アンケートはサクサクと回答できるようにシンプルに作成することを心がけましょう。

例えば、「スーパーに行く頻度は週に1回以上」という選択肢は、「週に1回以上」とシンプルにできるのではないでしょうか。設問文に主語(スーパーに行く頻度の記載)がある場合や、どの選択肢においても同じ主語の場合は省略できるはずです。
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アンケートの選択肢の種類

アンケートの選択肢にはいくつかの種類があります。今回は代表的な5つをご紹介しますので、用途に合わせた選択肢を使う際の参考になれば幸いです。

単一回答形式

複数ある選択肢の中から、あてはまるものを1つだけ選んでもらう形式のことです。

例)
Q.あなたが下記のコンビニエンスストアの中で最も頻繁に行くところはどこですか。
セブンイレブン
ローソン
ファミリーマート
ミニストップ
デイリーヤマザキ
ポプラ
その他
 (3052)

複数回答形式

複数ある選択肢の中から、あてはまるものを全て選んでもらう形式のことです。
1 つの質問に対して効率よく複数のデータを取得することができます。

例)
Q.あなたが好きな犬種を以下の中から全てお選び下さい。
柴犬
チワワ
トイプードル
ミニチュアダックスフンド
パグ
フレンチブルドッグ
ゴールデンレトリバー
ポメラニアン
その他
特になし
 (3053)

リッカート形式(法、尺度)

複数ある尺度(段階)の選択肢の中から1つを選択してもらう形式です。
尺度は4段階、5段階、7段階に分かれていることが一般的です。
迷わずに回答できるというメリットがある一方で、アンケート対象者が気を遣って本来の思いよりも高い得点を付ける可能性があるので注意が必要です。

例)
Q.下記商品についてどう思いますか。
とても購入したい
購入したい
どちらでもない
あまり購入したくない
まったく購入したくない
 (3048)

Yes/No形式

質問に対して二者択一で答える形式です。
2択なので回答がしやすい、分析が簡単というメリットがある一方で、バイアスがかかりやすいので注意が必要です。また、人によって捉え方が違う場合や、解釈に差が出る質問にも不向きです。事実ベースの回答を求める場合などに使用するのが良いでしょう。

例)
Q.あなたはここ半年間で携帯電話の機種変更をしましたか。
はい
いいえ

自由記述形式

アンケートの対象者が質問に対して自由に記述して答える形式です。
数値データではないので、集計して分析するときに手間や時間がかかりますが、回答内容の背景や選択肢からは読み取れない定性的な情報を把握することができます。

例)
Q.あなたは前問で「とても購入したい」と回答しましたが、その理由を教えて下さい。
Q.あなたがこのアプリを知ったきっかけを教えて下さい。
テレビ
新聞
雑誌
企業のホームページ
検索エンジン
インターネット広告
メールマガジン
SNS・ブログ
ダイレクトメール・チラシ
交通広告・看板
家族・友人・知人
店頭・POP
その他(自由記述)

まとめ

今回はアンケートにおける「選択肢」に注目して、重要性や注意点を解説しました。上記を理解し、適切な手法を使って回答者の本音を引き出すアンケートを収集しましょう。
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