SurveymonkeyがMomentiveに社名変更

30 2024.01

編集室メンバーコラム

SurveymonkeyがMomentiveに社名変更
この7月にサーベイツールサプライヤー大手のSurveymonkeyがMomentiveに社名変更しました。
https://www.momentive.ai/en/newsroom/surveymonkey-parent-company-svmk-relaunches-as-momentive/

ブランド変更の大きな方向性としては、これまで個人や中小企業向けアンケートツールといったイメージの強かったSurveyMonkeyブランドから、CX(顧客体験)を中心とした大企業向けツールサプライヤーに変わっていきたい、というところのように思います。
この辺は、やはりアンケートツール大手でCX/EXツールを打ち出しているQualtricsと同じような方向性です。

また、Momentiveというブランド名にあらわれているのは、スピードやアジャイリティといったイメージ、momentive.aiというウェブサイトurlはAIを活用したソリューションを強く打ち出しています。

AIについては、Artificial Intelligenceつまり人工知能技術よりも定義をひろげて、Agile Intelligence / Authentic Intelligence / Adaptive Intelligence でもあるというようなことを訴えています。具体的にはよくわかりませんが、いわゆる機械学習/AI技術の範囲にとどまらない、知的テクノロジーを活用する、というような感じだと思います。

実際、現状のサービスにあるAI的な機能はテキストのポジ/ネガ分析(sentiment analysis)、アンケート回答データのクリーニング(Satisficing回答等の自動判別)くらいで、それほど目新しいものがみられるわけではないようです。

さて、マーケティングリサーチ業を考えるときは、「クライアント」「リサーチャー」「対象者」の3者の関係から考えることがよくあります。
マーケティングリサーチのプレイヤー

マーケティングリサーチのプレイヤー

「クライアント」「リサーチャー」は具体的な企業組織や業種というより概念的なもので、同じ企業内でも経営陣が「クライアント」、リサーチ担当者が「リサーチャー」というように考えます。

SurveymonkeyがSurveymonkeyだった時代というのは、リサーチャーと対象者の間をつなぐツールというイメージだったと考えられます。

商流も併せて考えると、下図のような感じです。
SurveyMonkey時代の商流イメージ

SurveyMonkey時代の商流イメージ

今回のブランド変更は、リサーチャーと対象者の間から、クライアントと対象者の間への移動、というように考えられます。この移動がうまく進んだとすると、商流は部分的には下図のようになるかもしれません。

また、Surveymonkeyというサービス・ブランド自体は残るとはいえ、当然Momentiveが力を入れるポイントは移動すると思いますので、リサーチャーと対象者をつなぐツールにはまた新しいサービスが出てくる余地がありそうです。それは、より専門的・高度化したフィールド・サイエンスやパネル・マネジメントに特化したツールになるのではないでしょうか。

Momentive時代

Momentive時代

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