2021年10月11日 更新

リサーチとことば

gettyimages (2335)

SDGsがマーケティングの分野でもビッグワードになっていて、SDGsに関する調査もあちこちで結果が公表されています。

たいていは言葉の認知を中心とした調査で、急速な認知率の上昇というのが調査結果です。これだけマスメディアで大量にとりあげられれば認知率は上がりますね。

言葉や由来の認知ではなく、SDGsの「精神」の理解、共感、実践というようなことを調べるようなアンケートを作ってみたいとも思い、数年前に機会があったのですがそのプロジェクトは流れてしまいました。

SDGsとかDXとか、日本語に直せと言いたくなる気持ちもありますが、一方、「持続可能な開発目標」といわれると、SDGsでいいや、とも思います。

リサーチ業界は、IT業界と並んでこうしたアブリビエーション(略語)や外来の概念をそのまま使うことが多い業界だと思います。

それは、統計とコンピュータが切っても切れないように、リサーチ業界というのはもともとコンピュータ業界だから、かもしれません。

SA, MA, FA, NA, CLT, FGI, DI..「SD法」などは本来のSemantic Differencialの意味を離れて、ある種の両極尺度の質問形式を言うときに使われているような気がします。何か日本語に訳せばいいのですが。

サティスファイシング、レレバンス・・・、リサーチにとって重要なことばなのだが、訳しにくいためそのまま使っている概念はたくさんあります。サティスファイシングは「努力の最小限化」という訳がいまは多いかもしれないですが、何だかそのまま使ってしまいます。

逆に、日本語に訳されていても何だかイメージに合わない言葉もあります。「黙従傾向」という用語があり、これは、「はいーいいえ」や「そう思うーそう思わない」という形式の質問に対して「はい」「そう思う」と答えがちな傾向、ということです。

この傾向が文化によって、またパネルによって違うとデータを比較できなくなってしまうので、リサーチの方法論上は重要な概念です。

なのですが、「黙従傾向」といわれると、なんだか「下を向き、押し黙って重荷の作業に耐えている」ような人をイメージしてしまって、表そうとしている傾向と合わない感じがします。

英語では黙従傾向を「Yes-Tendency」ということがあるのですが、この能天気/無責任な感じの方が、実感に合います。

とすると、英語でいいや、と思ってしまいますね。

統計の勉強をするときも、日本語が難しくて、むしろ英語で用語を覚えたくなる、ことがあります。「多母集団の同時解析」って!「複数グループの分析」でいいですよね。

こう考えると、明治の知識人はどれだけ偉かったのか、と思います。漢文・漢籍の教養の問題でしょうか・・・。

2 件

関連する記事 こんな記事も人気です♪

アンケートの選択肢の重要性・作成時の注意点・種類について解説

アンケートの選択肢の重要性・作成時の注意点・種類について解説

アンケートは対象者に向けていくつかの質問をし、回答内容に基づいて分析をすることで何らかの情報を得るために行いますが、アンケート結果に現実との齟齬が生じると今後のマーケティング活動に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。 今回は、アンケートの『選択肢』に焦点を当てて信頼性の高い回答を得るためのポイントを解説していきます。
アンケート結果のまとめ方とは?流れや集計方法を解説

アンケート結果のまとめ方とは?流れや集計方法を解説

アンケートは回答結果をまとめることで初めて意思決定に役立つものになります。 アンケート終了後は数字や自由回答が羅列されたデータが出力されます。それを集計や分析をして読み解いていくことが重要です。 集計や分析を正しく行わないと、間違った答えにたどり着く可能性がありますので、本記事ではアンケートを回収した後の流れ、集計・分析方法について解説していきます。

この記事のキーワード

この記事のキュレーター

KOJI.A KOJI.A