2022年6月29日 更新

CX~EX~DX

gettyimages (813)

自民党総裁選の報道で「DXの推進」なる言葉が出てきて、DXって何じゃ、デラックス?と思った人もいるかもしれませんが、DXはDigital Transformation(デジタルによる変革)の略で、ITによって生活や企業活動の変革が起こるというような意味です。

Xはtransの略で、この伝で言うとtransfer=Xfer、transaction=Xaction、translator=Xlator、transgender=Xgenderですね(transgenderとXgenderは違うらしいのでややこしいですが)。

DXという言葉ができたのは2000年代前半のようですが、コロナ禍によってDXの必要性がいっそう注目されるようになったのは言うまでもありません。自分のことを振り返ると、仕事上はコロナ前からかなりDXしていたので、私生活上でなんでもネット通販で買うようになったのがこの間DXしたことでしょうか。

それにしても実際のところ、今後日本でDXが進展するのか、日本のIT担当大臣と台湾のAudrey Tangを比較すると暗澹たる気持ちになるかもしれません。

私がかねてから愛聴している、アメリカ在住の日本人プログラマーmiyagawa氏が個人で運営しているRebuild.fmというPodcastがあって、そこではAudrey Tangとの気さくな対話を誰でも(英語、ではありますが)聴くことができます。日本のIT担当大臣には考えられないですね。DXというのは、このように人(あるいは企業・ブランド)との関係性やコミュニケーションがガラッと変わることのように思います。

さて、DXがリサーチと何の関係があるのかというと、企業活動においてDXしたいのはCXやEXが中心になるので(CX = Customer experience 顧客体験、EX = Employee experience 従業員体験)、リサーチ業界の携わる一大テーマということになります。

参考:IDC調査結果(https://cbcommunity.comcast.com/community/browse-all/details/empathy-at-scale-how-data-and-technology-will-fuel-more-human-customer-experiences

実際のところ、電話をかけても全然つながらない問い合わせ窓口~コロナ下の役所や保健所のことではありません、大手通信会社なんてたいていそうです~とか、日本企業にDXしてほしい顧客接点はリサーチするまでもなくたくさんありそうです。ハンコを押すために会社に行かなきゃいけないとか、それを待つのに3日かかるとかというのもその類でしょう。

CX、EXをDXしてCS/CL、ES/ELを高めるには…面倒くさいですね、ITによって顧客体験や従業員体験を変革し、顧客や従業員の満足度/ロイヤルティを高めるには、そのためのプランニング、成果の評価が必要になります。したがってリサーチ業界の出番もあるということで、DXを企図した企業活動に対応したリサーチの方法論・設問を、業界のあちこちで設計しはじめているのではないかと思います。(もしかすると、すでに「DX評価調査」とかのパッケージやメニューを出しているリサーチ会社もあるかも)

リサーチ業界のDXという観点からもう一つ考えると、CX/EXにあてはまらない、PX/RXというものがあるように思います。PX=Panel Experience、RX=Respondent Experience、つまりパネルや回答者の体験のことです。

パネルや回答者との関係性・コミュニケーションにおいて、単に質問のボリュームを減らすとか、パネルサイトのユーザビリティを改善するといったこと以上のDXができれば~それはパネルや回答者の生活や、リサーチとの関係性をガラッと変えるということだと思いますが~DXの言葉通りの変革、ブレークスルーにつながるのではないか、と空想します。

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