アンケートの作り方|実施方法や回答率アップのコツも解説

25 2024.03

アンケート作成

アンケートの作り方をお探しですか?一般的にアンケートはユーザーから商品やサービスの評価などを得るために行われる調査です。そのため対象者が答えやすく作る必要があります。もし答えやすさを無視して作ってしまうと、回答をしてもらえず、せっかく作ったアンケートがムダになってしまいます。では、対象者が回答してくれるアンケートを作るにはどうすればよいのでしょうか。
今回は、アンケートの作り方・実施方法・回答率アップのコツについてわかりやすく解説します。
アンケートの作り方と回答率を上げるためのコツを解説

アンケートの作り方7ステップ

目的・目標を設定する

まずは、何のためにアンケートを行うのか、目的について整理をする必要があります。
また、回収目標数やどんな結果を得たいのかも事前に考えておきましょう。アンケート回収後に、集めたデータをどのように活用するのかが明確であれば、必然的にどんな情報が必要かもわかるので、それに対応する設問や選択肢を設定していきます。アンケートを作成するときは、ゴールを決めてそれに必要なアクションをしていきましょう。

ターゲットを設定する

実施するアンケートの目的にあわせて、ターゲットを設定します。例えば、既存顧客のみなのか、自社の商品やサービスを認知している潜在的顧客も対象とするのか、その他性別や年代等の属性情報の設定も行う必要があります。
また、ターゲットに合わせた言葉づかいや表現を意識する必要があります。業務上はよく使っていても、世間一般的にはマイナーな単語ということはよくあります。一般的な消費者にわかりづらい表現が含まれていると、アンケートに最後まで回答してもらえなくなる可能性が高くなりますので注意しましょう。

設問・回答形式ごとにも目的を決める

アンケートそのものの目的も大事ですが、設問においてはどのような情報がなぜ欲しいのかというところまで突き詰めることで、適切な設問型式を採択できたり、似ている内容の設問に気づきやすくなったりします。無駄のないアンケートを作成することで、回答者負担を軽減することにつながる場合もあるので、根拠を持って設問・回答形式を決めましょう。

選択回答形式の質問にフォーカスする

自由回答形式(フリー回答形式)の質問は、回答者にとって答えるのにより手間と時間がかかる印象を与えるため、選択回答形式の質問に比べて回答者が早い段階でアンケートから脱落してしまう可能性があります。
また、データ集計のときも1つずつ目視して確認することになるため、できる限り少なくすることをおすすめします。
ただし、調査実績がなくどんな選択肢を用意すべきが難しい場合や、回答者の生の声を聴きたいこともあると思います。そういう場合は自由回答形式で回答を集め、以降のアンケートの参考にしましょう。

アンケートの実施方法を決める

アンケートの実施方法を決めるとは、アンケートを実施するための「アンケート方法」を決めることです。具体的には一般的なオンラインアンケート、オフラインによる電子媒体のアンケート、オフラインによる紙媒体のアンケートなどを決めることをいいます。アンケートの実施方法を決めるポイントは、アンケートの対象者が置かれている環境に合せてアンケート方法を選ぶことです。もしアンケート方法と対象者が合っていないと、せっかく作ったアンケートが対象者に届かないかもしれません。

オンラインによるアンケート

オンラインによるアンケートとは、インターネット上で完結するアンケートのことです。別名、オンライン調査・オンラインリサーチとも呼ばれています。メリットはすべてインターネット上で完結することから、アンケート作成者や現場スタッフなどの人件費を大きく抑えることができることです。デメリットはスマホ・パソコン・タブレットのユーザー以外へのアンケートができないことです。結果、ネットリテラシーが高い人に偏った回答になるかもしれません。

オフラインによる電子媒体のアンケート

オフラインによる電子媒体のアンケートとは、Gメールなどのメールソフトウェアを使ったアンケートのことです。特徴は通信は使いますが、オンライン上で直接ユーザーとはつながってはいません。メリットは閲覧率が高いことです。
仮にダイレクトメールであれば、自分宛てに届いたメールの閲覧率は75%もあり、行動喚起率は19.3%もあるので結構効果的です。デメリットは初めて送られたメールだとメールボックスから「迷惑メール」扱いをされ弾かれるかもしれません。

オフラインによる紙媒体のアンケート

オフラインによる紙媒体のアンケートとは、質問を紙に書いて行うアンケートのことです。メリットは回答者の属性を直接確認できることです。スタッフの目の前で回答してくれるので、性別・年齢・職業などの属性の正確性が高くなります。
デメリットは準備・回答・集計・分析に、手間・時間・コストがかかることです。特にスタッフの人件費が高くつきます。

アンケートの流れや時系列を整える

スムーズに回答できるアンケートは、流れに不自然さがありません。例えば、時系列が過去から現在、未来へという流れになっていると回答しやすくなります。また、アンケートの前半は「はい」「いいえ」などの2択で答えられるものや属性を聞く質問など、回答するのに悩まないようなものにすると、「次の質問も答えてみよう」という心理的な気持ちが働くため、回答率向上に繋がります。

アンケートの内容を確認・修正する

アンケートの実施前に、スタッフがアンケートの内容を確認・修正する際にはいくつかの見るべきポイントがあります。
主なポイントは次の通りです。
①アンケートの目的が対象者にきちんと伝わっているのか
②アンケートに回答することで対象者にはどんなメリットがあるのか
③アンケートの目的と質問内容が合っているのか
④誤字脱字や難解な言い回しがなく、質問内容がわかりやすいか
⑤「はい・いいえ」など回答しやすい設定になっているのか


もしこれらのポイントが正しく設定されていないと、対象者が回答を拒否したり、途中離脱したりすることがあります。
しっかりとアンケートの内容を確認・修正することをおすすめします。
アンケート作成のポイントがわかる!

アンケートテンプレートのご紹介

アンケートテンプレートのご紹介

ここからは調査目的ごとのアンケートテンプレートをご紹介します。上記で解説した”コツ”を意識しながら、聴取項目に応じてアレンジしながらご活用ください。作成するアンケートの参考になれば幸いです。

顧客満足度調査

顧客満足度調査とはCS(Customer Satisfaction)調査とも言い、自社の商品やサービスについての実態把握をする調査です。商品開発や既存商品の改善など、マーケティング課題を解決するために行われます。顧客満足度は売上に直結するものなので、下記の聴取項目を参考にマーケティング施策に役立つことのできるデータを取得しましょう。

【聴取項目】
商品やサービスに対する
・認知経路
・購入・利用した理由
・購入・利用頻度
・満足度
・満足度の理由
・今後の利用意向
・回答者の属性情報(性別・年齢・職業等)

顧客満足度調査の質問例はこちら

従業員満足度調査

従業員満足度調査はES(Employee Satisfaction)調査とも言い、職場環境について把握する調査です。社内の制度の見直しや従業員のメンタル面でのケアをするなど、職場の改善点を明るみにすることができます。
従業員の満足度が上がると、仕事で高いパフォーマンスを発揮することができ、顧客満足にも繋がります。また、身体共に良好な状態で仕事ができるような環境作りをすることで、離職率の低下にも繋がります。

【聴取項目】
・仕事内容について(やりがい・成長性・目標)
・職場の処遇(待遇・評価制度・福利厚生)
・職場の組織風土(風通し・コミュニケーション・自主性尊重)
・上司について(正当な評価・教育)
・その他意見・要望
・回答者の属性情報(性別・年齢・部署・役職等)

従業員満足度調査の質問例はこちら

イベントアンケート

イベントに参加した人に対して、今回のイベントについてどう思った(満足、不満足)のか、参加した経緯など生の声を聴く調査です。より良いイベント運営を目指し、次回以降の企画を立案するときのヒントを得ることを目的として行われます。

【聴取項目】
・イベントの認知経路
・イベントの満足度
・満足度の理由
・イベントに対する不満点
・今後の参加意向
・その他意見・要望
・参加者の属性情報(性別・年齢・職業等)

イベントアンケートの質問例はこちら

学術調査

学術調査とはアカデミック調査とも呼ばれますが、調査で得た結果を研究に用いる目的で実施されます。研究課題は多岐に渡りますが、研究をするときの資料を得るために調査を実施します。主に大学の卒業論文で利用されています。

聴取項目は研究内容によって異なるため、ここでは割愛します。

学術調査の質問例はこちら

マーケット調査

マーケット調査とは、例えば新規事業を進めるために、現在の消費者の動向を数値で掴むための調査です。結果からどういう傾向があって、どういう経済動向にあるなど多角的な面から市場を把握することができ、どこにニーズがあるのかなどを分析します。

【聴取項目】
○○カテゴリにおいて
・知っているもの
・知っているものの認知経路
・利用経験の有無
・現在使用しているもの
・使用しているものの頻度
・使用しているものの満足度
・使用する上での重視点
・属性情報(性別・年齢・職業等)

マーケット調査の質問例はこちら
アンケート調査の実施手順

アンケート調査の実施手順

アンケート調査はどのような手順で実施すればよいのでしょうか。
こちらではアンケート調査の実施手順についてご紹介します。

①アンケートの目的を決める
アンケートの目的を決めるとは、何のためにアンケートをするのかを決めることです。
そもそもアンケートの目的が決まっていないと、その後の作業の進捗や結果に悪影響がでるかもしれません。

②調査対象を決める
調査対象を決めるとは、アンケートに答えてもらう人たちを決めることです。
具体的には年齢・性別・職業などの「属性」を決めることになります。

③調査期間を決める
調査期間を決めるとは、いつやるか、どれくらいやるかを決めることです。
具体的には「本年の4月1日から30日まで」の「1カ月間」などのことになります。
漠然と調査期間を決めるのではなく、その期間にした方がより積極的に回答がもらえる時期にすることがおすすめです。

④調査方法を決める
調査方法を決めるとは、オンライン・オフライン・紙媒体などのいずれかでアンケートをするのかを決めることです。
ポイントは調査対象がどの調査方法で一番回答率が高くなるのかで選びましょう。

⑤質問の形式・内容・数を決める
質問の形式・内容・数を決めるとは、実際にアンケートでの質問に関するすべてを決めることです。
ポイントは調査対象者が答えやすい形式か、調査目的に合った内容か、調査対象者に負担のない数か、などを決めます。

⑥アンケートの本文以外の部分の内容を決める
アンケートの本文以外の部分の内容とは、タイトル・あいさつ文・目的・回答期限・回答に関する注意事項・個人情報の取り扱い・アンケートへのお礼文・その他などのことです。

⑦最終チェック
最終チェックとはアンケートの内容を確認・修正することです。
アンケートの全体の流れを確認して、不要な箇所、意味がわからない箇所を修正や削除をします。
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アンケート調査の方法と種類について初心者向けに解説

アンケートの回答率を上げるには?ポイントや注意点

アンケートの回答率を上げるには?ポイントや注意点

アンケートの回答率を上げるにはどうすればよいのでしょうか?
こちらでは、アンケートの回答率を上げるポイントや注意点についてご紹介します。

回答にかかる所要時間・設問数を記載する

アンケートの冒頭に、回答するのにかかる時間や、設問数を明記しておくと、回答者はどれくらいの時間がかかりそうか、いつ頃回答できそうかなどのイメージが湧きやすくなります。アンケートに回答することへの心理的負担が軽減されるため、アンケートの回答率アップを見込むことができます。

回答選択肢のバランスを整える

信頼性が高く、偽りのない(平等な)回答を集めるためには、回答者の本心を聞き出しやすい回答を用意する必要があります。
例えば、

1, 非常に満足した
2, とても満足した
3, 満足した 

という回答選択肢では、「満足しなかった」という回答をすることができず、バイアスの原因となります。

1, とても満足した
2, 満足した
3, どちらでもない
4, 満足しなかった
5, まったく満足しなかった

上記のようなバランスの取れた回答選択肢を作成することが重要です。

複数の意味・解釈を持つ言葉を使わない

例えば
・頻繁に行っている
・しばしば行っている


というような選択肢を用意した場合、受け手によって「頻繁」や「しばしば」の定義が異なるため、正確な情報が得られなくなってしまいます。
人によって言葉の定義が異なるものは、アンケート作成者が認識を揃える必要があります。例えば、頻度を聴取するときは、「週に3回以上」「月に1回以下」などの具体的な言葉を使い、曖昧な表現を避けるように心がけましょう。

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アンケート調査票の作り方は?例(テンプレート)や良い例・悪い例を公開

回答者への謝礼を用意する

アンケートの回答率を上げるには、上記でご紹介したポイントや注意点に加えて次のポイントが有効になります。それは回答者への謝礼を用意することです。理由は、謝礼のように報酬をもらうことで、ほとんどの人は回答意欲が上がり、最後まで丁寧に答えてくれるからです。特に、完了まで時間がかかるアンケートには効果があります。謝礼には、現金、ポイント、ギフト券、商品、サービスなどが効果的です。現在、中々回答率が上がらないアンケートを行っている場合にはぜひ試してみることをおすすめします。

まとめ

アンケートは回答者目線になって作成することが重要です。アンケートを取る目的を忘れず、意思決定をするために必要な質問や選択肢を用意し、有効なデータを回収しましょう。
また、アンケートによるデータ収集方法はいくつかありますが、WEB上で調査パネルに対してアンケートができる「Surveroid(サーベロイド)」は、自分自身でアンケートの作成から配信、集計までができるためスピーディーかつ安価にデータを取得できます。ライトにリサーチを始めてみたい、営業資料にエビデンスとして数字を載せたいなどといったシーンに使っていただけますので、ご興味をお持ちの方は、まずはお気軽にお問い合わせください。
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