【対談企画:日産株式会社(高橋直樹氏)②】マーケティングリサーチの進化

22 2022.07

対談・インタビュー

はじめに

この記事はYouTubeにアップした対談動画との連動記事です。
というよりむしろ動画がメインで、こちらの内容は概要レベルのものとなっております。
内容をしっかり理解するためにも、ぜひ動画と合わせて本文を読んでみてください。

「リサーチは進化するもの」日産自動車株式会社の一流リサーチャー(高橋直樹氏)が語る「マーケティングリサーチの進化」【対談後半】

マーケティングリサーチの進化

そもそもマーケティングリサーチは進化するものなので、そのときに進化するフレームワークを念頭に置いた方が良いと考えています。

ボストンコンサルティンググループが各社リサーチ部門のトップに、それぞれの会社がどのようなことをやっているかインタビューをして整理したレポートがあります。
そのレポートによると、各社が実施していることは4つに分けられ、それぞれ4段階に進化していく、というものでした。

具体的には以下のような4段階です。
①個別調査の実施と発見の報告
②個別調査に基づいて、個別プロジェクトに提言
③蓄えた知見をもとに、事業分野に提言
④蓄えた知見と将来の予兆を元に、会社全体戦略に提言


このレポートを見て考え方が同じだな、と思ったので直接話を聞きに行きました。
その時、4段階目をやってる会社はどこかと質問すると、下記の3社が挙げられました。
・P&G
・ユニリーバ
・コカ・コーラ

これはもうこの3社に話を聞かなければ、と思い、今後は4段階目をやっているという3社にそれぞれ話を聞きました。
そうすると、世界ではリサーチ部門がそこまでやるんですか、という領域まで実施していて驚きました。
将来そこまで進化するんだという構想を描いて、段階的に拡大していくものだと思いました。

そして、これまでリサーチ部門はリサーチをして消費者理解をすることが専売特許でしたが、SNSをはじめとして他の部門も消費者理解に使えるデータを使っているので他の部門も消費者理解を進めています。

当然そうしたデータをリサーチ部門も使わないといけないですし、色んな部門で使っているバラバラのものを繋げていく、そしてそれぞれの部門でたまった消費者に関する知見を繋げていくことでより深い消費者理解に繋がるのではないでしょうか。
いろいろな部門のハブになる、それがリサーチ部門の役目だと思います。

そのためにリサーチ会社さんじゃない会社とも色々付き合わないといけないですし、リサーチ以外のデータを使えるような専門性や技術も身につけないといけません。
そんな風に進化していく必要があると思います。

そこで多分リサーチ会社さんにとってもビジネス機会があるんじゃないかとも思っています。
また、リサーチ会社さんがリサーチ以外のデータを揃えて吟味することで、リサーチ会社さん自身も消費者を理解するという知見がどんどん深まり、リサーチの使い方もどんどん深まっていくのではないでしょうか。

マーケティング、リサーチの小ネタ

対談の前半で、車を開発する過程で実物大の模型を置いて会場テストをしていた話をしましたが、これには色々苦労する話が絶えません。

※対談前半
■動画
https://youtu.be/haC534xcZSg

■記事
https://mr-journal.com/dialogue/hAbcG

これに関して2つほどクイズを出します。

1問目

模型を置いての会場調査は大規模ですし、その結果に基づいて販売台数予測をするので世界どこでやっても同じやり方になるよう標準化して統一しています。
細かいところだと会場に置く車の仕様も外装の色まで含めて統一しています。

日産の車と並べて置く競合の車は調査会社さんにレンタカーを借りていただいているのですが、時々どうしても欲しいグレードの欲しい色のレンタカーが全国どこを探しても見つからないことがあります。
そんな時はどうすると思いますか?

回答は2問目を出した後に発表いたします。

2問目

ある調査で、2年以内に新車を買う意向がある人を対象者条件として会場調査を実施しました。
そして調査が終わって2年経過後、結局何を買ったか全員に電話をかけてトラッキング調査をしたのですが、これがまたビックリする結果となりました。

調査で言っている通りの買い方はしていないだろうな、とは思っていましたが、実際には誰ひとりとして新車を購入していなかったんです。
それでも調査結果に基づいて導いた販売台数予測は当たっていました。
調査対象者は新車を買っていなかったのに販売台数予測が当たったのは何故でしょうか?

回答(1問目)

まずは1問目の回答です。
全国どこを探しても欲しいレンタカーが見つからなかった場合、調査会社さんに車を購入していただきます。
そして調査終了後に売却していただき、その差額を経費として支払っています。

回答(2問目)

次に2問目の回答ですが、こちらに関してはこの記事では発表しません。
動画内でも答えの発表はしていないのですが、コメントで回答を受付中でございます。

これかな?という答えが思い浮かんだ方はぜひコメントをしてみてください!
高橋さんから回答が合っているかどうか返信がございます。

https://youtu.be/l3GW1maJMa8

実際の対談動画では具体的な資料を基により詳しくお話いただいているのでぜひご覧ください。
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