2023年5月31日 更新

アンケート結果の集計方法からExcelでのグラフの作り方まで解説

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アンケートのまとめに使える主要グラフ

集計したデータをグラフ化して結果報告をするときは、データの形式に応じてグラフを使い分ける必要があります。
ここでは、円グラフ以外の主要なグラフについてもご紹介致します。
Excelでデータをグラフに起こしたときの初期設定と、見栄えを整えた修正案を提示していますのでグラフ作成の参考になれば幸いです。

帯グラフ

帯グラフも円グラフと同様に回答形式が単一回答の場合に使用します。
円グラフとの違いはいくつかの項目を並べることができる点で、データ間の比較がしやすいため主にクロス集計の結果を可視化するときに役立ちます。
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円グラフ時に修正した項目に加え下記2つの変更をしました。
・帯の幅を広くする
・商品の順番が上からP、Q、Rとなるように軸を反転させる


人の視線の動きに合わせて、凡例やラベルといったグラフに関する付属情報は上側に移動させています。
微調整が多いですが、わかりやすさを追求すると見栄えが良いものが出来上がるでしょう。

棒グラフ

回答形式が複数回答の場合に適切です。棒グラフを使うと回答件数の大小比較ができます。
また、棒グラフの形式は「横棒」と「縦棒」の2つがありますが、どちらを使うかは報告書の構成によって決める場合が多いです。
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変更点
・フォント
・文字列を縦書きに
・数値の並び順を降順に
・軸の目盛り間隔を10に

・単位(%)の追加

棒グラフを作成するときのポイントは、数値データの並び替えです。
選択肢順に意図がなければ降順に並び替えることで数値の大小を比較でき、どの選択肢が多く選ばれているのかなどデータの傾向が把握しやすくなります。
また、メインの選択肢がある場合はそれを1番にし、残りを降順にするというような並び替えをしたり、色を変更したりして強調するときもあります。
降順にするときは、「あてはまるものはない」や「その他」まで含めて並び替えをしてしまわないように注意しましょう。

折れ線グラフ

回答形式が複数回答の場合に使用するのが適切です。
主な使用シーンは継続的な変化(時間、年月)など、データの推移を表したいときです。
折れ線の傾き加減で数値の増減をわかりやすく可視化することができ、直感的に全体の傾向(変化の過程)を掴むことができます。
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変更点
・目盛り(縦軸)の最小値
・折れ線の色
・凡例追加


折れ線グラフは最小値を大きくすればするほど、変化が大きいように見えます。
データの誤読を招かないように適切な最小値の設定をしましょう。

棒グラフ+折れ線グラフ

回答形式が複数回答のものを可視化するときに適切です。
主に、クロス集計表など単純集計以外のいくつかの分析軸で結果を見たい時に使います。
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変更点
・色使い変更
・データ順
・折れ線の実線/点線変更
・単位(%)追加


組み合わせグラフは「棒グラフ」と「折れ線グラフ」によって構成されています。
分析軸が複数あるため、どのグラフ型にするかは自分で指定することができます。

散布図

散布図は2つのデータの関連性を確認するとき用いるグラフです。
『相関関係の有無』を一目で確認できるため、分析する際のベーシックな方法ともいえます。
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変更点
単位の追加
最大値・最小値の変更
凡例追加
色味変更


散布図を作成するときは、データ量に注意をしましょう。データの数が少なければ相関関係を見出せない場合があります。
相関関係があるのかデータを簡単に確認する場合はそこまで重要視する必要はありませんが、相関関係を証明する目的で散布図を作成するときは、あらかじめ多くのデータを準備することをお勧めします。

レーダーチャート

複数のデータを比較するのに向いています。5段階評価などでよく使われ、データの全体的なバランスを見るのに適しています。
バランスが良いデータは正多角形になり、面積が広くなります。
レーダーチャートは塗りつぶしや、軸の目盛間隔、グラフの重なる順番などを変更することができます。
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ここでは修正というよりは、他の見せ方もあるということをお伝えできればと思います。
初期設定は「マーカー付きレーダー」、修正案は「塗りつぶしレーダー」を使用しています。塗りつぶした箇所を透過することで、それぞれの商品の面積が分かりやすくなり、全体的なバランスが見やすくなったのではないでしょうか。

アンケート結果をグラフ化する際の注意点

ここまでExcelでの集計、グラフ作成方法について解説してきましたが、アンケート結果をグラフに可視化するときに注意することについても2点挙げます。
どちらもデータを正しく読み取るときの必須項目なので、押さえておきましょう。

Excelのデータは事前に並び替えておく

Excelでグラフを作成する場合は、リストの順番がそのままグラフに反映されるため、数値の大小や項目の順序などを事前に並び替えておくことが重要です。例えば、棒グラフを作成するときに数値データを降順(もしくは昇順)にして並びを整備しないと、凸凹のグラフができデータをぱっと見たときにわかりづらいものになってしまいます。
グラフは、数値データを視覚的にわかりやすくするという目的で作成するので、データの並び順は気をつけましょう。

グラフの種類を適切に選ぶ

集計結果を正確に読み取り、分析に活かすには適切なグラフを使う必要があります。データ形式に合わないグラフは、集計結果を読み間違えるもとになるため注意が必要です。
よくある不適切なグラフ例として、縦軸・横軸の目盛り幅が異なるグラフを並べて比較することです。
目盛り幅が細かいほどグラフの変化が顕著に見られるため、実際よりも差が大きくあるように錯覚してしまいます。

まとめ

今回はExcelの機能でアンケートの集計やグラフ作成の方法についてご紹介しました。
ご紹介したようにExcelで集計やグラフ作成ができますが、データを可視化するまでに時間や労力がかかります。
マーケティングリサーチジャーナルを運営している当社は、セルフ型リサーチツールのSurveroid(サーベロイド)をご提供しています。少ない手順で集計表やグラフ付のデータがダウンロードできる集計ツールも無料で付属しているので、可視化するまでの工数を大幅に削減できます。興味のある方はぜひサービスサイトをご覧ください。
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大石 大石