社内アンケートでよくある失敗を防ぐための簡単なコツとは?

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アンケート活用事例

社内アンケートでよくある失敗を防ぐための簡単なコツとは?
従業員の満足度向上、離職率の低下による生産性向上など、社内アンケートにより職場環境を可視化することでもたらされるメリットは数多くあります。一方で、既に社内アンケートを行われている方はその回答結果が現実と大きく乖離しているのでは、とお感じになられているかもしれません。

アンケートで様々な内容を聞いても、皆が不満なく現状に満足している、自社への愛着が非常に強いと回答する。それなのに社員は離職し続ける。アンケート結果が現実を全く反映できていない。そのように感じる方も多いのではないでしょうか。

アンケートには正しい回答結果を得るために絶対に守るべきお作法がいくつか存在しています。そのお作法を知らずに行ったアンケートは正確に現実の社内環境、社員の思いを反映したものではなく、ただただ見栄えの良い回答のみがあふれた「ウソ」でしかありません。

当記事では改めて社内アンケートの重要性、その実施から得られるメリットを振り返った上で、上述のアンケート作成のコツ、お作法をご紹介します。既に社内アンケ―トを実施されている方も、これからの方も、当記事を読めば正しくアンケートを実施することが出来るようになります。ぜひご覧ください。

社内アンケートが組織開発においていかに重要か

ではまず、社内アンケートを行うことで会社はどのようなメリットを享受できるかを振り返ってみましょう。一言で言うならばそれは、「職場環境の見える化とそれに伴う改善行動」です。言うまでもなく、全ての企業において一人一人の従業員は様々な思いを持って仕事をしています。仕事が好きだけど待遇に満足していない、部署異動をしたことにより仕事のやりがいがなくなった、人間関係が悪く転職を考えている、そういういわばネガティブな思いも、多くの人が多かれ少なかれ持っているものかと思います。

もちろん、それは会社というのが異なった人間により構成される組織である以上は当然のことであり、一つ一つのその不満にすべて応えることは出来ません。重要な点は、そのような不満が意外と可視化されておらず、水面下にしか存在していないため、見えないところで従業員のモチベーションに影響しているということです。そして、今までの経験を振り返っても人間はモチベーションを高く持っていることに対してより努力をし、成果を出せるということがわかるかと思います。

つまり、社員の不満が水面下で蓄積している場合、それが思わぬ形で会社の業績に影響しているというわけです。これは確かに経営者目線の話かもしれません。しかしこの記事を読んでいるあなたが人事部に所属しているのであれば、退職を減らす、従業員満足度を上げると言ったところもミッションに入っているかと思います。社内アンケートの実施はそれらに対するか解決策を明確に示すものだと言えます。

なぜ社内アンケートは失敗するのか

さて、ここまでの話で社内アンケートの重要性を感じて頂けたかと思います。しかし、社内アンケートがいかに重要かといえども、世の中の多くの企業は社内アンケートをうまく実施できていません。それはひとえに「アンケートの設計」がうまくできていないからです。例えば下記の設問を見てみて下さい。

設問文「あなたは現在の職場環境にどの程度満足していますか。」
選択肢「満足している、やや満足している、どちらでもない、やや満足していない、満足していない」

この設問には2つの問題があります。まず、仮にこれが記名式のアンケートで行われるならば、他人に回答を見られる懸念から多くの人が「満足している」、「やや満足している」を選択することが推察できます。これは確証バイアスと呼ばれる認知バイアスの一つです。認知バイアスとは人間の思考における偏りやクセのことを指し、アンケートの設計においてはいかに回答者の認知バイアスを誘発させないか、という視点が重要になります。

次に、上述のような設問で社員100人にアンケートを行ったとして、60人が満足、20人がどちらでもない、残りの20人が満足していないと回答したとします。100人の中で60人が満足しているということは、満足率60%という言い方も出来ます。さて、この満足率60%という数値は高いのでしょうか?低いのでしょうか?

あるいは、20%も満足していないと回答した人がいることに問題があるでしょうか?判断が出来ませんよね。そして、判断が出来ないということは行動が出来ないということです。高いのか低いのかが判断できなければ、改善するべきなのか放置で良いのかが分からず、何も行動が出来ません。もしくは、改善するべきということが分かってもどのように行動するべきかが分かりません。良いアンケートとは、その結果によってどのようなアクションを取るかということから逆算された設計になっています。

上述のアンケートであれば、セットで不満に感じている箇所を聞き、また不満と回答した人が30%を超えた場合、その箇所に対して何かしらの改善を行う、ということが予め決まっていれば後から迷う必要はありません。回答を見てから行動を決めようとするので無駄な迷いが生じるわけです。そして、多くの企業で現実にこのようなアンケートが実施されています。

社内アンケートで有意義な結果を集めるための設計

さて、アンケートにおける設計の重要性について紹介をしてきましたが、ここでは具体的な設計方法について解説していきます。設問文、設問順序と2つに分けて見ていきましょう。

設問文のポイント

設問を作る際、設問文においては3つのポイントを意識してください。そのポイントとは誰でもわかる文章にすること、2つ以上のことを同時に聞かないこと、誘導をしないことです。例えば、以下の設問文を見て下さい。

「RTDを好んで飲む人が増えており市場も拡大していますが、あなたご自身はRTDの味や価格についてどう思いますか?お気持ちに最も近いものを一つだけ選んでください。」

この設問文は見事なまでに上記の3つのポイントを守れていません。まず、RTDという言葉がさほど一般的ではなく、缶チューハイ等と表現するのが適切です。次に、この設問文は「味や価格」と2つのことを同時に聞いています。味は良いと思うけど価格は良くないと思うという方はどのように回答すれば良いのでしょうか。

更に、3つ目のポイントとして、前段の「RTDを好んで飲む人が増えており市場も拡大していますが」という文章がありますが、これも不要です。このような情報があると、人は無意識に本来よりも好意的に対象を捉えてしまう傾向があります。

そこで、これらのポイントを踏まえると上記の設問文は下記のように2設問に分けるのがベターでしょう。

「缶チューハイの味についてどう思いますか?」
「缶チューハイの価格についてどう思いますか?」


このように、設問文を考える際は、誰でもわかる文章にすること、2つ以上のことを同時に聞かないこと、誘導をしないことの3つを意識するようにして下さい。

設問順序のポイント

続いて設問順序においてのポイントは、時系列とカテゴリを意識することです。

下記画像を見て下さい。まず、左の設問順を見てみると、Q1~Q3は商品Aについて聞いておりQ4で商品Bについて聞き、またQ5で商品Aについて聞くなど設問毎に聞いている商品が行ったり来たりしています。あまり意識せずにアンケートを作成していると、慣れている方でもこのようになってしまうことは多々あるのですが、私たちが思っている以上に回答者の方からすると回答がしにくいものです。

更に見ていくと、Q1は認知、Q2は購買、Q3は再び認知と、設問毎にカテゴリが順序だっていません。これら2点をうまい具合に順序にして修正すると、右のようになります。設問順序は少し変えるだけで回答者に与える負荷が大きく異なってきます。カテゴリや時系列で順序立てて、回答しやすい設問順序を心がけて下さい。
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社内アンケートを行うためのツール紹介 

ここまで社内アンケートを成功させるためのポイントについて見てきました。これであなたも満足のゆく社内アンケートを作成することが出来るはずです。

では、最後に社内アンケートを行うためのツールの紹介です。弊社が運営するWebアンケートツール『サーベロイド』では直感的に操作が可能な画面UI、回答結果をクリックだけで分析、集計できる集計機能など初めてアンケートを行われる方に満足してもらえる各種機能を取り揃えており、20,000円から社内アンケートを行って頂くことが可能です。多くの企業で使用実績がございます。ぜひ、資料ダウンロードやお問い合わせをお待ちしております。

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また当記事で解説したようなアンケート作成のポイントは以下から無料ダウンロードできる資料で、より詳しく解説しています。ぜひダウンロードしてご覧ください。
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