世代別に異なる傾向とは?日本のZ世代/Zoomersに関する調査をご紹介!

19 2024.01

編集室メンバーコラム

z世代調査

リサーチにおける世代別の分析

昨年の『ユーキャン新語・流行語大賞』の年間トップテンに、「Z世代」が入賞しましたが、リサーチでは「世代」別の分析をすることがよくあります。

世代というのは結局生まれ年による区切りなのですが、10代、20代・・・といった年代の区切りではなく、子ども時代に同じ時代背景・環境で育った、その影響が考えられるグループとして人々を区切るやり方です。

日本の世代分類としては、「団塊の世代」とか「新人類」などが良く知られていますし、最近のものでは「ロスジェネ」とか「ゆとり世代」などがあります。「ロスジェネ」はデフレ経済下に育った人たち、「ゆとり世代」は「ゆとり教育」という教育制度下で育った人たちというような意味合いで、その結果、似たような考え方や行動の傾向があるのではないか、というわけです。

リサーチの専門用語としては「コホート」という言葉が使われることがあります。「コホート」は本来「世代」よりは広い概念ですが、ほとんどの場合「世代」と同義と考えてよいと思います。

ちなみに、「コホート分析」という統計的な解析手法もありますが、これは時系列データの変化を、時代効果、年齢効果、世代効果の3つの効果に分解する、という特定の手法をいいます。

Z世代とは

さて、「Z世代」というのはアメリカ発の世代区分 Generation Z = Gen Zのことで、これに先立つGeneration X、Generation Y に続く世代をいい、おおよそ1990年代半ば~2010年生まれくらいの人々のことです。

日本でいうと、Gen Xは新人類、Gen Y(ミレニアルズ)はロスジェネにおおよそ対応する感じで、Gen Zはこれまで言われていた言い方では「ゆとり世代」後期とか「さとり世代」などに該当するのかなと思います。

「Z世代」というアメリカと同じ区分で世代を考えようという方向性は、全世界の若者がBTSを応援しているような現代のグローバル化した文化が背景にあるのかもしれません。

「Z世代」にはZoomersという言い方もあり、これはBaby Boomers = 第二次世界大戦後のベビーブーム期に生まれた世代と対比した言い方です。

 下の図はいろいろな国について、Baby BoomersとZoomersの現在の人口を集計してみたものです。世代区分はアメリカの調査会社 PEW RESEARCH CENTERのものによっており、人口データは 国連の2020年推計人口を使いました。

アメリカではちょうどZoomersとBaby Boomersは同じくらいの人口です。一方、日本のZ世代はボリューム的には少し小さいグループといえます。
図 ZoomersとBaby Boomersの人口(2...

図 ZoomersとBaby Boomersの人口(2020)

via UNITED NATIONS
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Z世代を対象とした調査のご紹介

日本のリサーチ会社も、Z世代の特徴を調べて世代マーケティングに活用するため、いろいろな調査をしています。

ジャストリサーチサービス社は、Z世代の特徴として次のような事柄を挙げています。
・自分らしさが大切
・従来の男女関係にとらわれない
・個性・自分らしさを重視
・SNS の利用度やセキュリティへの意識が高い一方、SNS 疲れも
・フリマアプリ、「Twitter」「Instagram」「SNOW」の使用率が高い
 (『Z世代の意識と行動 ~Y世代との違いとは?~』)


ネオマーケティング社は、Z世代を対象としたさまざまな調査結果を発表しており、下記のような傾向を指摘しています。
・ジェンダー問題への関心が強い
・「商品レビュー系」動画サービスが情報収集ツールとして重要
・ネット上で他の人がおすすめしていること・ネット上で評判であることの重要度が高い
https://neo-m.jp/investigation/2885/
https://neo-m.jp/investigation/3141/
https://neo-m.jp/investigation/3441/

日本インフォメーション社は、Z世代への定量・定性調査を通じて、Instagramがスーパーアプリ化しつつあること、パーソナライズされた情報が得られるアプリを求めている、といったZ世代のSNS活用の特徴をレポートしています。

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