2020年6月10日 更新

アンケートは調査会社に依頼するべきか、セルフ型ツールを使って行うべきか【徹底比較】

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1、 アンケートを行う2通りの方法

メーカーに勤務されるマーケタ―の方、または広告代理店やデジタルエージェンシーなどにお勤めの方であれば日頃、定量調査や定性調査を行う機会があるかと思います。
その中でもアンケート調査には、調査会社に外注する方法と自社内でセルフ型のツールを用いて行う方法の2通りがあります。ここではそれぞれのメリット、デメリットを比較し、どちらがより適した方法なのかということを見ていきましょう。

2、 アンケート実施時の流れ

具体的な比較を行う前に、まずアンケート業務の流れについて整理してみましょう。
アンケート業務の流れ

アンケート業務の流れ

まずアンケートを通じて何を明らかにしたいか、どんな課題を解決したいかを明らかにします。
その上で限られた予算の中から誰を対象としてどのような順番で設問を配置するか、また何サンプル回収するかということを基に調査票を作成していきます。(調査票は作成せずにいきなりアンケート画面を作成される場合もあるでしょう。)
調査票が完成した後は実務的な作業です。アンケートシステムを用いてアンケート画面を作成し、配信の設定を行います。実際に配信が開始され、回答が集まった後はそのアンケート結果を集計していきます。これが大まかなアンケート実施時の流れです。

調査会社に依頼する際と、セルフ型ツールを用いてご自身でアンケートを行う場合であればこの担当範囲が異なります。
調査会社に依頼する際、ご自身が担当するのは課題の整理、調査票の作成、集計です。(場合によっては調査会社がコンサルとしてヒアリング、提案から一気通貫で行うこともあります。)つまり、アンケートの画面作成や配信などは自信で行う必要がなく、考える作業にフォーカスできるわけです。

一方で、セルフ型のツールを使用する際はその工程全てをご自身で担当することとなります。それゆえに手間はかかるものの比較的安価にアンケートを行うことが可能です。

3、 アンケートを調査会社に依頼した場合の特徴

ここからは2つの方法についてもう少し踏み込んで考えてみましょう。まずはアンケートを調査会社に依頼した場合です。

この方法には以下のような特徴が挙げられます。
・比較的、料金が高い
・回答結果が集まるまで比較的、時間がかかってしまう
・調査会社のリサーチャーがサポートしてくれる
・手を動かす箇所が少ない


まず、料金はやはりセルフ型ツール使用時に比べ高くなる傾向があります。
各種調査会社で料金テーブルも異なっているため、一概に言えるものではありませんが全く同じ調査を行う場合、セルフ型ツール使用時に比べて3倍ほどの料金となることが多いようです。

そしてタイムスケジュール感としてもセルフ型ツール使用時に比べると時間がかかってしまう傾向があります。
もしあなたに仲の良い調査会社の担当者がいて、多少の無理を聞いてくれるならその限りでもありませんが、初めて調査会社に依頼してから調査結果が納品されるまでは凡そ1~2週間ほどかかってしまうことが多いようです。もし、明後日のプレゼンまでにデータが欲しいという状況であればまず間に合うことはないでしょう。

一方で調査会社に依頼した際のメリットとしては工数の少なさ、リサーチャーのサポートがあります。
アンケートの画面作成や配信設定はなんだかんだ時間のかかる作業です。それらを代わりに行ってくれるだけでもかなり手が空くでしょう。また調査会社のリサーチャーは調査のプロフェッショナルです。設問順序や回収サンプル数などの悩みごとにも力を貸してもらえるでしょうし、回答結果のデータは厳正な基準をもってデータクリーニング(不正回答の削除など)を行ってくれるため、重要な意思決定要素としてアンケートを行う場合、特にチームに詳しい方がいない場合は調査会社にアンケートを依頼されることをお勧めいたします。

4、 セルフ型ツールを使用してアンケートを行った場合の特徴

続いてセルフ型ツールを使用した際の特徴について見ていきましょう。

この方法には以下のような特徴が挙げられます。
・安い
・回答結果を得れるまでが早い
・リサーチャーのサポートがない
・手間がかかる


料金については上で触れた通りです。ケースバイケースではあるものの、外注時に比して凡そ1/3程の料金でアンケートを行うことが可能です。
またセルフ型ツールではスピードも強みと言えます。アンケートを配信しようと思ったその日に即日で設定を完了してしまえば僅か2,3日程で回答が集まることも多いです。

それこそ明後日のプレゼンまでにデータが欲しい、明後日の打ち合わせに向けて提案資料に記載するデータが欲しい、そんなときでも使用できるのが強みしょう。
特にメーカー勤務の方であれば商品企画の段階でちょっと消費者の声を聞いてみたいという瞬間が多いのではないかと思います。そんな時でもパッとアンケートを行えるのはセルフ型ツールの強みです。

一方で、そのデメリットとしては2つ考えられます。
まず、調査会社のリサーチャーが噛むわけではないのでアンケートを初めて行う人にとっては敷居が高くなる恐れがあります。特にアンケートはその設問順序が大きな意味をもちます。バイアスを与えるような設問順序にしてしまえば、回答結果に影響が生じます。設問数の多いアンケート(目安として20問以上)を行う場合はセルフ型ツールではなく調査会社への依頼を検討してみても良いかもしれません。もちろん、予算との相談にはなりますが。

また、画面作成や配信設定を自身で行う必要があるというのは意外と手間になってしまいます。
他の業務との兼ね合いを考えつつ、オーバーワークとならないよう注意しましょう。

5、【まとめ】結局、調査会社に依頼するべきかセルフ型アンケートツールを使用すべきか

さて、ここまで調査会社への依頼とセルフ型ツールの使用を比較してきました。
ここで気になるのは結局どちらがいいのかということです。

結論から言うと、結局のところケースバイケースとしか言いようがありません。

とはいいつつも現在の潮流としてマーケティング活動はますます内製化が進んでいます。
欧米ではセルフ型アンケートツールを使用したリサーチの内製化を指す呼称としてDIYリサーチという言葉が登場するくらいです。
そこで私は
・~20問くらいまでのライトなアンケートはなるべくセルフ型アンケートツールを使用してコストを削減
・20問~となるとリサーチャーの知見が必要となってくるため、外注を検討

という運用をご提案いたします。
またセルフ型ツールを使用される際はこちらでツール比較を行っているので、よろしければご参考にお読み下さい!
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高橋(MRJ編集長) 高橋(MRJ編集長)