2022年5月31日 更新

ダークな「No.1調査」

gettyimages (4009)

日本マーケティングリサーチ協会(JMRA)が、5/26に「ランキング広告表示に使用する調査データ開示ガイドライン」「比較広告のための調査実施の手引き」という文書を発表しています。

これは、調査結果を広告に使う場合に、不当表示にならないような調査の仕方について、ガイドラインとして示したものですが、端的にいうと、1月に同協会が発表した“非公正な 「No.1 調査」への抗議状”に続く「No.1 調査」への対応策を示したものです。

「No.1 調査」とは、よく広告でみかける「顧客満足度No.1」とか「シェアNo.1」というような謳い文句、これを調査データとして裏付けるサービスですが、その調査が、必ず「No.1」のデータが得られるような、出来レースのいい加減なものがあって、近年とくに蔓延しているということです。

要は、一部のリサーチ会社が、調査対象者や質問票を恣意的に設定するなどして、「No.1」になるデータをメイキングするような商売をしているということでしょう。

協会の抗議文、ガイドラインによって、「No.1調査」をやっているリサーチ会社はかなりブランドイメージが悪くなると思いますが、「No.1 調査」で検索すると、いまでもリサーチ会社の広告やウェブサイトがたくさん検索されます。たいていは無名の会社のようですが、なかには業界である程度知られた会社もあります。

「No.1調査」の広告をみると、「成功報酬型」などそもそもリサーチの仕事とは思えないことが書いてあったり、景品表示法のグレーゾーンを利用するためのコンサルティング、をするようなことが書かれており、協会が怒って抗議するのは当然だなあと納得します。

協会は「本来、ランキング広告や比較優位を実証するための市場調査は有意義なものであり、公正かつ適正に実施されることによって、わが国のマーケティング活動の発展に資するはずである。」と書いていますので、調査結果を広告に使うこと自体は是としています。

調査の方法論を正しく、また透明性のある情報公開を行うことが必要である、と社会に情報発信することによって、非公正な「No.1 調査」を抑制する、ということが協会のできる範囲のようです。

素朴な考えなのですが、もし広告主がお金を出して調査会社に調査を依頼し、その結果を広告に載せるのなら、その調査結果は「自社調べ」と表記するように法改正できればいいのではないでしょうか。

自分でお金を出して実施した調査結果を、あたかも第三者の調査会社が調べた結果、というように表示すること自体がモラル・ハザードの端緒であるように思います。

まあ、とはいってもどうせ法やモラルの網をくぐる手法を考える広告主、業者はなくならなそうで、統計不正のお国柄か、と暗い気持ちになります。

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